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317    ARTISTS    JR. DEE    MOOMIN    NANJAMAN    RANKIN TAXI    YOYO-C

TRIPLE CROSS
JULY 10 2009 at ASTRO HALL
 
Text by Naohiro Moro / Photo by Hiroto "Photowarrior" Sakaguchi
 

 H-Manが『不退転』を、Nanjamanが『Front Line』を、Jr.Deeが『ラバダブマスター式』を引っさげて臨んだパーティ「Triple Cross」。地下へと潜る会場の中では強者どもが生み出した熱くて濃くて太いヴァイブレーションが隅々まで漂っていた。
 
  梅雨明け間近を予感させる蒸し暑い金曜日。7月第2週目。曇りだが、灰色の雲の間からの日差しが強かった。そんな日の宵の口。アキソルの二人と連れ立って訪れた原宿アストロ・ホールの楽屋には、いつものメンバーが顔を揃えていた。
 
 H-Man。Nanjaman。Jr. Dee。Overheatのみんな。阿部ちゃんとBalance Crew。No Brand石川さん。Yoyo-C、Moomin、Masa Irie、Papa Cojie。彫めい、バミューダ。Mr. EC。
 
 この14〜5年、見慣れた顔ぶれが揃っていた。ただ、場所と時間に違和感を感じる。今は、東京の原宿で8時。茅ヶ崎で0時とか、寿町で5時とかではないのだ。これからライヴが始まる。横浜、そして神奈川全域で、最も早くからレゲエのアーティストとして活動してきたベテラン3人衆。その合同リリース・パーティ「Triple Cross」が、これから始まるのだ。つまり、今ここで乾杯してしまう訳には行かないということだ。

 フロアに移動するとやはり、みんな来ていた。Home G、ランキンさん、Body G、Mr. Jay、Bana、Kon Ken、大場さん、Strive、Rove、Thunder Killa、Spicy Chocolate、振動弐百、ママチャイナ、林くん、かりん...。
 
 そして、もっともっと沢山の人々。みんな、金曜日の宵に駆け付けて、3人の登場を待ちわびていた。みんな彼等の支持者である。ファンであり、仲間である。頑固一徹、鋼鉄のディー・ジェー達。H-Man。Nanjaman。Jr. Dee。横浜のナイスなサウンド、Human Crestのナイスな先導でショウは始まった。
 
 岩石の様な男達3人は、いきなり同時にステージに現れた。今日は3人のためのリリース・パーティだ。思いっきり、その類い稀なる個性を全開にして行こう!
 
 やはり、こういう時はJr. Deeが俄然パワーを発揮する。マシンガン・トーク炸裂である。
 
 だがH-Manだって黙ってる訳が無い。お馴染みのリリックで、転がす、すかす、乗せる、湧かせる。
 
 「顔でディー・ジェーする男」。その2大アーティストであるJr.とH-Manの、掛け合いによる、タメと表情と動き。こっちもつられる。文章では表現出来ない、あの「つんのめり」感というか「すかされ感」というか「のけぞり感」。クセになる。最終的に僕もJr.と同じ表情になってしまう。
 
 そして当然、兄貴Nanjaもマイペースで、ストイックなワールドを展開。新曲のハマリ・ネタの「Yes, Mi Friend」は、その内容にジーンと来た奴も多いと思う。と、思いきや、しまいにはNanjamanも踊りを披露。濃い。こいつはうんと濃い。
 
 途中、Moominも友情出演。Yoyo-C登場後からは「Budy Bye」合戦が鳴り止まず、日本一、ディキ・ディキ・ディキ・ディキして、ブディバイ・ブディバイした現場であったと思う。コンティキドン・コンティキドンだったとも言える。当然、突き出されたGun Fingerが引っ込むことは無かった。
 
 エンディングに向けて飛び入りたちが祝福ラバダブ。Rueed、ルー高橋、バミューダ。ランキンさんはいきなり「ち○ち○ぴんぴん」と言っていた。そいつはちとアナーキー過ぎるぜ。
 
 みんな、笑顔で拍手喝采である。多くの昔からの仲間、昔からのファン、昔からの支持者たちが来ていた。ファンもベテランである。つまり「ファンのベテラン」なのだ(同じか)。
 
 「オレたちは、ここまで来た。今日はここまで来た。これからも行く。もっと先まで行く」
 
 3人の鋼鉄ディー・ジェー、H-Man、Nanjaman、Jr. Deeと、オレたち観客は、それを再確認した。そんなムードの夜の集いだった。
 
 Mr. ECは、メッセージを発信する時に、このアストロ・ホールで、何かを仕掛けているのだろうか? 何か、控えめなんだけど、強い意思のこもったメッセージ。そんな雰囲気の漂う時にアストロ・ホールへの招待状をもらって来た様な気がする。
 
 素晴らしいアルバムを残してくれたThe Determi-nationsのライヴ。
 映画『Ruff'n Tuff』の完成試写会。
 
 僕の勝手な思い過ごしかも知れないが、今回の「Triple Cross」からも、ECからのメッセージが見え隠れしている。
 
 「道は続く。まだ続ける」
 そういうことなんでしょうか。やっぱ、痛風とかなってられねぇっす。


Human Crest
 

Moomin
 

Rankin Taxi
 

Rueed
 

Yoyo-C
 

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