RUFFN' TUFF
Text by Riddim
Gladstone "Gladdy" Anderson & Stranger Cole / Photo by Masataka Ishida
映画『Ruffn' Tuff』が「サクラメント国際映画祭」でプレミア上映されたのが4月2日だった。それから10日ほど後の「ラスヴェガス国際映画祭」ではドキュメンタリー部門で「Official Finalist Award」を受賞。どちらも大きな映画祭ではないが、ジャマイカの音楽を創造して来た巨人たちにインタヴューした作品が日本人の手で制作されアメリカで評価されたことは、『Riddim』としても素直に嬉しい。
監督Shizuo "EC" Ishii & ラスヴェガス国際映画祭受賞トロフィー。
早速、アメリカのレゲエ関係者にこのことを告げると共にショート・インタヴューをしてみた。先ずは、ECとは20年来の知り合いでもあり、Jackie Mittooのトリビュート作品『A Tribute To Reggae's Keyboard King Jackie Mittoo』の制作の他、現在はVP Recordsのプロデューサーであり、プロモーションも担当するClive Davidsonだ。
「ファンタスティック!! 本当におめでとう! この映画はジャマイカの音楽の歴史のいち時代をとても素晴しく紹介してくれているよ。キャスティングもいま考えられる中ではベストだったんじゃないかな。
世界中で親しまれている音楽を始めとするカルチャーは、普遍性を持ち合わせているんだ。だってそれぞれの国や地域が育んだハートが作らせていることだからね。それはジャマイカの音楽カルチャーだって同じことさ。僕らの文化がこうして日本のカルチャーに受け入れられたことは素直に嬉しいし、日本人が僕らの文化を映画にしてくれたことは驚きに値するよ。もう一度言うけど、本当におめでとう。ECは歴史を撮って歴史を作ったんだよ」
(Clive Davidson)
そして本映画でも印象的な場面で効果的に使用されたチューンを生んだRandy'sにおいてプロデューサーとして活動し、その後もImpact!やVPなどで歴史的名曲をプロデュースしてきたClive Chinにも話を伺った。
「この映画はジャマイカの音楽がどうやって生まれたか、そのファウンデーションを追求したドキュメントだが、根底にはECのジャマイカ音楽への深い愛情が込められていて本当に素晴らしい映画だよ。五つ星をあげたいね。受賞したんだ...いやあ本当に素晴しい話だ!
映画では当時のジャマイカのビッグ・チューンが各シーンに使われていたけど、どの曲も凄くインパクトのある使い方をされていたのが嬉しかったよ。お陰でジャマイカの音楽が常に持っている普遍的なメッセージがスクリーンから飛び出ていたしね。
オレはECがしっかりとしたヴィジョンを持った男だって前から知っていたんだ。私、Clive Chinはとてもリスペクトしているよ! 受賞、おめでとう!」(Clive Chin)
『Ruffn' Tuff』のDVDは現在、メーカーサイドの都合により昨年から廃盤状態が続いているが、今回の受賞記念に再発が望まれるところだ。
"Ruffn' Tuff 〜 Founders of The Immortal Riddim"
O.S.T
[Overheat / OVE-0100 / CD]
"Ruffn' Tuff:ジャマイカン・ミュージックの創始者たち"
監修:石井 "EC" 志津男
[リットーミュージック/ Book]