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317    COLUMN    PLAY IT LOUD

CONTAGIOUS / TARRUS RILEY
[VP / VO1864 / 輸入盤]
レゲエ史に残る名盤『Parables』を生み出したトーラス・ライリーの待望の新作。去年の来日時のインタビューでも新作の制作への意欲を見せていたが、実際に聴くと、前作で得た数々の賞歴をプレッシャーとはせず、逆に自信という糧としたのだろう、力強い歌声と繊細なメロディが詰まっている。サウンド面では今作でもディーン・フレイザーが牽引しているようだが、要所で他のプロデューサーも迎え幅を広げている。(大場俊明)
 
FLYING HIGH / ALI CAMPBELL
[JACARANDA MUSIC / JACARCD1 / 輸入盤]
UB40のヴォーカリストとして長年歌ってきたアリ・キャンベルの新作。彼の歌声を聴くとなぜか故郷に帰った気がする。ほっとしますね。ゲストにジェントルマン、シャギー、レディ・ソウらを迎えて賑やかです。ポップで親しみ易いレゲエと見せかけて実は懐が深い。アフリカのゴスペルクワイヤが参加したソウルフルな曲は、カツオのハイライト・ナンバー。随所に新しいスパイスを効かせて歌が光る作品やね。(磯野カツオ)
  
WALLS OF JERICHO / PAUL FOX
[SHADES OF BLACK / SBCD008 / 輸入盤]
ポール・フォックスとジョナ・ダンによるUKルーツの重要レーベル、シェイズ・オブ・ブラックからのポールの新作。全16曲からなるショウ・ケース・スタイルの本作はタイトル曲を除き自らのスタジオで制作。そのタイトル曲は近年EUルーツ界で大躍進を続けるダン・アイとキング・キエツが彼らのイタリアのスタジオで制作した強力ナンバー。美声という言葉がぴったりのポールのヴォーカルが堪能できる。(楳原豊人)
 
DUBWILD / ORIGINAL DUB SOUND
[ORIGINAL DUB SOUND / ODSCD001 / 輸入盤]
今現在幾つのルーツ・サウンドが存在するのか未知数なモダン・ルーツ大国フランス。当然レーベルも増え続けている。本レーベルは中でも比較的新しいが多くの現場でプレイされている急上昇レーベルの一つであり、そんなシステム・チューンが満載なのが本作。トラックとミックスはレーベルのジャシン、マスタリングはコンシャス・サウンズ。ヴォーカル2曲+インスト10曲の全てが秀作デジタル・ルーツ。(楳原豊人)
 
DR BOONDIGGA AND THE BIG BW / FATFREDDYS DROP
[BIG BW (DROP) / DRP013 / 輸入盤]
日本でも人気の高いニュージーランドのレゲエ・バンドです。これが2枚目。ジャム・セッションの様な高揚感がダイレクトに伝わる。ヴォーカルのファルセット・ヴォイスも魅力的だ。ソウル、ファンクを疾走させて骨格はレゲエなのさ。エレクトロ・ビートも時々潜入するぜ。長時間、浸れて躍れる音楽ってわけね。レゲエの枠を越えて愛される理由は、聴きたいイメージの更に一歩先を走っているからだ。(磯野カツオ)
  
SLY & ROBBIE TAXI GANG LIVE 1986 / TAXI GANG, INI KAMOZE, HALF PINT, YELLOWMAN
[TAXI US / MVDA4881 / 輸入盤]
スライ&ロビーの1986年の2枚組ライヴCD(当時リリースされた8曲入りMango盤の拡大版)。ダンスホール、ダブを含め生きたテキストが詰め込まれた音源。しかもアイニ・カモーゼ、ハーフ・パイント、イエローマンが歌&DJとくればオールド・ダンスホール・ファンは黙っていられないでしょう。バンドマンもレゲエDJもシンガーも、レゲエ最強伝説に耳を奪われますよ。リズムが向かってきます、言葉が弾けます。(磯野カツオ)
 
ガンズ・ドント・キル・ピープル・レイザーズ・ドゥ/メジャー・レイザー
[ホステス / HSE-50055 / 国内盤]
常に最先端のサウンドを生み流行を作り出すプロデューサー、ディプロとスウィッチの強力コンビによる新プロジェクト。より多くの耳に届くように薄める手腕にかけては当代No.1の2人が照準を合わせたのは、今でも最先端のサウンドを聴かせてくれるジャマイカのダンスホール。V・カーテルらも起用しながら、思い存分に音とリズムで遊んでいます。今後、本作から世界各地に伝染するであろうサウンドも含め要注目。(飯島直樹)
  
ソング・オブ・ギタモ/ギタモ
[ハート・トゥ・ハート / HHCD-0011 / 国内盤]
70年代末にジミー・クリフやボブ・マーリーの来日公演を体感した日本のレゲエ・アーティスト第一世代にあたるシンガー、Gitamo。彼が長年活動を共にした仲間であるZion High PlayazのHeart Beat JahtsushiやKuuboといった名手に加え、若くて才能のあるShinjuやYotaらを招いて制作したソロ・アルバム。装飾を省いた真摯なメッセージと優しい歌声が詰まってます。サウンドは拳PowaのKon "MPC" Kenが全面協力。(大場俊明)
 
たなけんいいじゃん/たなけん
[P-ヴァイン / PCD-18006 / 国内盤]
個人的には彼の酔っ払いサラリーマン・キャラはあまり好きではないが、決して勘違い野郎ではないだろう。ちゃんと自分のレゲエ的B級な才能とレゲエ的B級な立ち位置を身に沁みて分かっている気がするのだ。Desemが手助けした本作は、彼のそうした個性をコンパクトにまとめたのが吉と出た。昨年夏にガチンコ勝負したケンティ・グロスと絡む「ジャンピンスクワットボム」で二人にガンフィンガーを。(大場俊明)
 
プレジャー・ダブ/トミー・マクック&ザ・スーパーソニックス
[ビートインク/ PRESSURE SOUNDS / BRPS63 / 国内盤]
レア・アルバムの待望の初再発。フィリス・ディロン「Right Track」、パラゴンズ「The Tide Is High」、テクニークス「Travelling Man」等のオリジナル・トラックをレーベル・オーナー、デューク・リードの甥、エロール・ブラウンが70年代初期から中期にリミックスした3つのダブ・アルバムの中でも最高傑作と言われているのが本作。オリジナル盤収録の12曲にボーナス・トラック5曲を新たに追加収録。(楳原豊人)
 
キング・サイズ・レディオCD〜パンドラ・ミックス・ボックス / V.A.
[徳間ジャパン / TKCA-73449 / 国内盤]
大阪は泉州発、センシュージョリーFMの看板番組(?)『King Size Radio』の雰囲気をそのままパックしたラジオ仕立てのミックスCD第2弾。相変らずカジノ891臭プンプンのコテコテで濃過ぎるノリは、ファンにはたまらないものがある。今回も日本、ジャマイカの旬な楽曲をいいバランスで収録し、それに絡むジングルがまたいい。先月の『ガンバ・レゲエ』に続きカジノ891、勢いづいてます。(大場俊明)
 
クレイジー・ラヴ・ミックス/レッド・スパイダー
[ビクター / VICP64743 / 国内盤]
こちらも大阪を代表するサウンドマン、プロデューサー、トラックメイカー...と肩書きがずらりと並ぶレッド・スパイダーがミックスした90年前後を主としたダンスホール、しかも歌ものばかりのゴールデン・ヒット曲集。常に未来に向け最新の音をクリエイトしている彼のイメージからすると意外な気もするが、彼の血肉となっているこれら名曲群を彼のファンにも血肉化してもらいたいという熱い想いからだと思う。(大場俊明)
 
シグニチャー/ジョー
[BMG / BVCP-40021 / 国内盤]
1年ぶりの新作。1曲収められたマーヴィン・ゲイのカヴァーを除き(これはこれで、艶かしいまでの熱を帯びたナイスな仕上がりに!)、全曲オリジナル、セルフ・プロデュースで臨んだ本作だが、聴き進むに連れ立ち現れるのは、徹頭徹尾いつものジョー。メロウでありながら、凛々しさを忘れない彼の世界観は、あらゆるファンを裏切らないどころか、彼が唯一無二な存在感であることを改めて実感させてくれる。(石澤伸
 
イン・ア・パーフェクト・ワールド.../ケリー・ヒルソン
[ユニバーサル / UICS-1191 / 国内盤]
アトランタ出身の26歳によるデビュー作。とはいえ、アッシャー、メアリー・J・ブライジ、クリス・ブラウン、シアラ...と彼女のペンから生み出された作品は枚挙に暇がなく、その制作スキルは本作でも如何なく発揮されている。昨今のクラブ・テイストを織り込みつつ、一時期のフィーチャリスティックな手管も駆使することで、独特な音世界を構築、ヴォーカリストとしての立ち位置を見事カラフルに彩っている。(石澤伸行)
 
マーカス・クーパーの告白/プレジャー・P
[ワーナー / WPCR-13503 / 国内盤]
マイアミのR&Bグループ、プリティ・リッキーから、昨年になって突然離脱することを表明したヴォーカリストが、ピンでデビュー。タンクやコ・スターズといった馴染みの名前に加え、新進気鋭を多数起用した本作は、様々なアプローチが取られつつも、主役の歌にしっかりと寄り添うような作りに。粘りのきいたミッド・トラック群が、彼のひた向きな歌心に絡む様に、世の歌好きはむせび泣かされること必至だ。(石澤伸行)
 
キャント・ゲット・イナフ/ダリウス
[Pヴァイン / PCD-24224 / 国内盤]
シアトルを拠点に活動を続けるシンガーによる3作目。本作が醸す系譜としては、ミュージック・ソウルチャイルドやドウェレ、はたまたオマーといった一連のメロウ・ビーツなネオ・ソウル族といって差し支えないだろう。ドープなリズムで道端感覚を表し、手の込んだウワモノでは洒脱を纏う一方、繰り出されるメロディのふくよかな温もりは、その人懐っこい歌声も相俟って、多くのリスナーに響くはずのものだ。(石澤伸行)
  
アンハード・オブ/トーン・P
[Pヴァイン / PCD-4394 / 国内盤]
ヒューストン生まれのNY育ち、現在はLAを拠点に活動するシンガーのデビュー作。キラー・チューンは「She's So Cool」か。最近のスヌープ・ドッグ作品を手掛けるエンジニア、クリス・ボーリンの手によるこの曲は、四つ打ちを導入したクールな軽快さがクセになる一品だ。しかしながら本作の神髄は他にも。90's的にダークな、それでいてレイドバック感はイマ風な、不思議な味わいにハマることウケアイ!(石澤伸行)
 
ザ・ワン/ドゥルー
[ビクター / VICP-64728 / 国内盤]
90年代に活躍したカナダのR&Bグループ:イン・エッセンスのメンバーがソロ・デビュー。昨年末にリリースされたシングル「Stay With Me (Always)」が話題の彼だが、アルバムで見せる表情は、エッジのきいたサウンドに拮抗せんとする切れ味鋭い歌いっぷりで、基本イカツめ。しかしながら、そのしなやかで甘みもたっぷりのクルーン・スタイルが垣間見せるロマンス野郎な風情には、やはりグッときてしまう。(石澤伸行)
  
ウォーク・イン・ロマンティカ/キーコ
[ノス / NOSC-1002 / 国内盤]
実に5年ぶりとなる新作。この間彼女は母となり、あらゆる意味で自立的な女性であることを選んだワケだが、そんな環境下で2年をかけて制作された本作が、これほどまでに柔らかでキラキラとしているのは何故なのか? ここに広がるのは、穏やかなドラムに流麗なエレピが舞うといったオーガニックな風景だが、何より耳を奪うのは彼女の歌。ピチピチとフレッシュな音を立てて舞う歌詞には、癒しの効果も。(石澤伸行)
 
TWO PHAZED PEOPLE / HORACE ANDY & ALPHA
[DON'T TOUCH / DOTO12 / 輸入盤]
レゲエに留まらない活動を展開するレジェンド、ホレス・アンディと、ブリストル耽美派アルファのコラボ・アルバムが8年近くの歳月を経て完成。色々な結果が予想されたサウンドだが、個人的にはそのどれをも良い意味で裏切る仕上り。レゲエへのアプローチも見せながら、ホレスの歌声を最大限に活かしているアルファのプロデューサー魂が爆発。水と油が全く新しい"美味しい水"を生み出した奇跡の瞬間がここに。(飯島直樹)
 
OMNIPRESENCE / OMFO
[ESSAY / AY CD 22 / 輸入盤]
2004年、今思えばデジタル・クンビアを先取りしていたようなノリも感じられるKraftwerkのカヴァー「Trans Balkan Express」で話題を呼んだ、ジプシーをはじめととした世界の辺境音楽とエレクトロを結び付けるウクライナのOur Man From Odessaによる3作目。今作ではアラブ〜西アジア方面へ音の触覚を伸ばし、もはや"○○風"と形容するのが陳腐な独自の世界音楽を生み出している。その世界は広く深い。(飯島直樹)
 
THIS AND THAT / LIZZY PATRKS
[TRU THOUGHTS / TRCD188 / 輸入盤]
今年もハズレがないブライトンのレーベルから08年の名作『Raise The Roof』収録曲のヴァージョン含むアコースティック集。『Raise〜』は、欧州ジャズとUKソウルの魅力を充分に活かしたノスタルジア77によるアレンジが光っていたが、本作では曲自体の良さと彼女の歌声の素晴らしさがより前面に。ときには少女に、ときには淑女のようにもなる、理想の女性ともいえる彼女の歌声は、多くの男性諸君の琴線に触れるはず。(飯島直樹)
 
ブロウ・アップ/ボンバ・エステーレオ
[ミュージック・キャンプ / BG-5072 / 国内盤]
コロンビアのボゴダを拠点に活動する、ギター&プログラミング、ドラム、パーカッション、ヴォーカルからなる4人組の2nd。現地の大衆音楽クンビアのリズムをベースにしつつも、ZZKらが牽引するデジタル・クンビアとはひと味違うノリで、ワンダーホイール等のオーガニックなクロスオーヴァー感を強く感じるのが魅力。M.I.A.を連想してしまう女性ヴォーカル、リリアナのMCも多彩なリズムに順応していて好感。(飯島直樹)
  
ワンダーホイール・プレゼンツ...ジャズ・ラヴズ・ダブ/DJケンセイ
[ルーディメンツ / RMT-CD016 / 国内盤]
世界各地で日々更新される地下/路地裏発マージナル・ビーツを日本に紹介してくれるルーディメンツから、NYCのコスモポリタン最前線ワンダーホイール・レーベルの音源をDJケンセイが選曲&ミックスした1枚が登場。主宰ニコデマスの楽曲を筆頭に、クラブ〜公園〜船上など様々な場所でパーティを繰り広げるこのレーベルらしさが活かされた、まるでパーティのある時間を共有しているような気分になれる1枚。(飯島直樹)

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