(U KNOW)What the deal is
最後の孤高、キューバのフィデル・カストロ議長が退任し、バラク・オバマ就任も加速の要因となり、アメリカ市民のキューバへの渡航の自由化が進みそうだ。もともとソビエトの手下としてミサイル危機などのレッテルを張られ、アメリカの敵であり続けたこのカリブの小さな島が、どのようにアメリカをアフリカや南アメリカで驚愕させたかは、グーグルで調べてもらうとして、この自由化への提案が、オバマ大統領を左翼と非難する保守派がいる。と同時に現某宗派の教祖がナチとの関連を囁かれている。ねずみ講より古いこの普通を装ったギャングスタ・ビジネス、いつ終わるのか?
●今月の映画祭
「Kings Of The City」なるライティングにまつわる映画のフェスがアップタウンはマイスレス・シアターで1ヶ月間に渡り、5月いっぱい行われている。驚くべきことに、制作当時は日の目をみなかった短編やドキュメンタリーなどが殆どで、30年近く前に制作されたが、今回プレミアとなる作品もあった。佳作の『Stations Of The Elevated』からの詩的な80年代のNYの地下鉄の車両の映像を中心としたスティーヴ・シーゲルの短編は、むしろ昔の方がフューチャリスティックだったと感じさせた。もちろん、ヘンリー爺のなんとかウォーズもやってましたよ?
●今月のオープニング
「Boxed In」なるグループ・ショウがブルックリンのファクトリー・フレッシュ・ギャラリーで5/1から行われている。ジャエス、スカッチ79こと、キオ、シスコNYCなどのライター陣や、NYの若手アーティスト達による夢の段ボール・ハウスというテーマに、現在のNYの住宅難を訴えるというテーマのショウである。しかしながら、つい先週、大家と市議会が家賃の値上げの歩合をあげるという話し合いになっていたばかり?
●今年のロック・ザ・ベル
今年も「Rock The Bell」なるヒップホップの「フジロック」全米ツアー版が行われる。殆ど皆勤賞のナズ、デミアン・マーリーがヘッドライナーで、うっとうしいルーツとコモンのリアル・ヒップホップ組、最近コカ・ノストラと改名したハウス・オヴ・ペイン、そして理屈っぽいリフレクション・イターナルのクワリとハイテック、カタカナばかりで読みにくいので、グーグルしてください。6/27のシカゴを皮切りに8月まで続く。おっとMOPも出演、みっ、見たい?
●今月のアニヴァーサリー
今月2度目の登場となるヘンリー爺、シャラフォンの『Subway Art』の初版から25周年を記念したデラックス版(はじめてこの言葉使った)の出版を記念して5/13、極左の書店、マンハッタンは26丁目、レボリーション・ブックスでパーティが行われた。またまたフューチャリスティック?
●今月の大学
旧友が、長野県遠征の際、ローカル局の提供だったラーメン大学を本当の学校と信じてしまったエピソードを彷彿させるニュース。スクラッチの神様、フィリピンの☆、Qバートが、ついにスクラッチ大学を開校した。Qバート・スクラッチ・ユニヴァーシティと銘打たれたオンラインの大学で、受講料は3ヶ月で60ドルだ。質問にも本人が答えてくれるらしい。擦れる?
●今月のアワード
すっかりブラック・グラミーに昇格した感じのBETアワードが、6/28にロスで行われるが、ノミネートが発表された。ヒップホップ、ヴィデオ、シングルなど多くの部門で、服役を控えたT.I.(はじめて書いた!)、とビヨンセが総なめで、地味にジム・ジョーンズ、カニエ、リル・ウェインなどが候補にあがっている。自滅してしまったクリス・ブラウンの代わりにニーヨとなぜかマクスウェルがゴスペル・タイムのパフォーマンスを予定している。ブラック・パワー!?
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]