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315    COLUMN    UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND
 
Greetings Friends,
 
●『The Small Axe Reggae Album Guide』が出版された(数年前には『Singer's Guide』が発行されている)同月に、Small Axeの一員だったColin Mooreの突然の訃報を伝えなければならない。非常に辛く悲しいことだ。『The Small Axe Reggae Album Guide』はサウンド・システムと共に発展してきた数々のDJの活動を通じ、レゲエがどのように形作られてきたかを検証した一冊だ。この本はSmall Axeのもう一人の創設者であるRay Hurfordと彼のスウェーデンの友人Joakim Kalcidisとの共著であり、Mooreはあまり関わっていないようだ。僕はRayとColin 'Fencebeater' Mooreが若かった頃のことを思い出した。彼らはジャーナリスティックな未熟さを情熱でカヴァーし、何年にも渡ってジャマイカとUKのレゲエをストイックかつ詳細にリポートしていった。Londonレゲエ・シーンにおいてのColinの役割はどちらかといえばビジネス側だった。彼は、1980年代に始まったばかりのPhilip 'Fatis' Burrellプロダクションの流通に関わったり、Sir Coxsone Outernational Sound SystemとBlacka Dreadとの長きに渡る音楽的かつ家族ぐるみな付き合いを持っていた。Colinはレゲエを"仕事"というより"愛情を込めて好きなもの"として扱っていたが、彼はレゲエ以外の"ちゃんとした仕事"(音楽業界以外の仕事)にいつも就いていた。Colilnは5月初めに心臓発作で亡くなった。彼は僕より若いことを考えると本当にショックだ。彼の家族と友人に慰めの言葉を送りたい。

Burning Spear
 
●10年間プロデューサー達と共同で音楽制作をしていたBurning Spearがセルフ・プロデュースを始め、(『Marcus Children』として世に知られている)『Social Living』を発表したのは1978年のことだった。それから30年経った現在、Burning Spearはプロダクション、ディストリビューション、果てはグッズのマーケティングに至るまで彼に関する全ての権利を有するようになった。Rykoとの法廷対決の余韻がアメリカの裁判所に未だに残っているとはいえ、Winston 'Burning Spear' Rodney(63歳)はレゲエ・レジェントと呼ぶに相応しいアーティストだろう。彼の最新セルフ・プロデュース作『Jah Is Real』が今年2月のGrammy賞で何年ものノミネーションの後、ついにベスト・レゲエ・アルバムを獲得した。これにより、彼の自信はさらに確固たるものとなっただろう。また、Spearは2007年、ジャマイカ初の女性首相Portia Simpson MillerによりOrder of Distinction賞を授与されてもいる。彼は今後も精力的にツアーをこなし、愛と人生への希望のメッセージを世界中に送り続けるだろう。Spearは『Jah Is Real』について最もエキサイティングで隅々まで練りに練ったアルバムだという。さて、あなたはどう思うだろうか?
 
●Greensleevesが"VP帝国"に買収されたことによって面白い現象が起きている。今までレコード会社間の壁の問題で実現が難しかったコンピレーション・アルバムがリリースされ始めたのだ。例えば、4枚組の『Evolution Of Dub: The Origin Of The Species』の中身をみてみよう。まず、初復刻されたJoe Gibbsの非常にレアで高価だったアルバム『Dub Serial』が収録されている。他に、Bunny Lee/King Tubbyのダブもあるが、これらの音源は過去、様々なディストリビューターによりリリースされているので、Gibbsのものに比べるとインパクトは弱いかもしれない。このセットの最後を飾るのは、主にTubbyのミックスによるNiney The ObserverリディムにDennis Brownをフィーチャーした曲を収録した『Dubbing With The Observer』だ。Greensleevesは今後もこのようなリリースを続けていく予定らしい。

Alton Ellis
 
●Alton Ellisが残した『Stages In Life』と『Continuation』に続く最後のアルバムの1つ『Soul Of A Man』(Alltone Records / CD ATCD002)をようやく聴くことができた。Alton Ellis OD(Order of Distinction)が2003年に制作したこの1枚は実に奇妙なアルバムだった。「Earth Needs More Love」や「Love On Top」のような1980年代初期の名曲に混じっているのはOKテイクギリギリといったようなクオリティの楽曲なのだ。素材はいいのだが、仕上げがイマイチと表現したらよいのだろうか。例えば、アルバムの冒頭を飾るオリジナルStudio Oneリディム"Breaking Up"を使った「Got To Find A Way」は、リリックがあまり良くないのだが、完全にダメ出しをするほど酷くない。正直なところ、アルバムの出来が良くないのでがっかりしている。Ernest Ranglinがギターを弾いている曲でさえもパッとしないのだ。残念ながら『Soul Of A Man』は彼が残した最後の作品と呼ぶに相応しいとは思えない。誰かそれに見合ったアルバムを見つけてくれないものだろうか?
 
●Marley一族がRobert Nestaのイメージをいかに利用しているかは既にご存知だろう。もし、これ以上この事について知りたくなければこのリポートを読むのを止めたほうがいいだろう。Rita一味はアメリカのベンチャー・キャピタル・グループ、Hilco Consumer Capitalと契約を結んだらしい。彼らは、Marleyビール、Marleyコーヒー、Marleyスノーボード、ヘッドフォン、スクリーンセーバーなどいった商品開発に加えて、ニセ商品やMarleyのイメージまたは名前を勝手に使用している会社を根絶したいと思っているようだ。彼らの戦略は始まったばかりなので、今後"注意"が必要だ。墓の中に眠るBob Marleyは、この状況に関して当然喜んではいないだろう。
 Till Next Time, Take Care........
 
(訳/Masaaki Otsuka)
 

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