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FRONT LINE
NANJAMAN
  
Interview by Thunder Killa / Photo by Fumihito Kobayashi
 

 このインタヴューを行ったのは、本作『FRONT LINE』の制作の大詰めも大詰め、最終段階であるマスタリング作業でスタジオにNanjamanが缶詰状態になっているところに押し掛けてのこと。実際、この取材直前に「曲順が決まった!」っていう超多忙な中、忙しいせいかいつもより若干テンションが高めの中、話を聞いた。
 
●約3年振り、通算4作目となるフル・アルバム『FRONT LINE』ですが、テーマがあったら教えて下さい。
Nanjaman(以下N):テーマはなんやろ、別に考えたことないけど、出来た曲もたまってたし、新しい曲も作らな思ってちょっとがんばって作ったら出来た...(笑)。
 
●前作までは、昔からラバダブ等で歌ってても自分のアルバムには入れてなかった曲が何曲か収録されていたのが恒例にもなっていたんだけれども、今作は全てが新曲か、例え他のコンピレーション盤に収録されていたものでも、やはり最近の録音のものだけで構成されているから何か特別なものがあったのかと思ったんですけど...。
N:別にないんやけど(笑)。ホンマは去年アルバムを出す予定やってんけど、なんかバタバタしてて。爆音(シンジケート)の初コンピの『FULL VIBES』は出せたけど、自分のアルバム出されへんかったから早めに出したいってのはあって。そんで、ちょっと気合い入れて、2月に酒止めて作った(笑)。
 
●禁酒までして!(笑)
N:なんか、こう自分の、もっと上のレベルに行きたいみたいな。まだまだ未熟や、って思うところもあるし。Dee-Jayって職人の世界やん、結構。20年位やっとるけどもっとこう......例えば今まで新しいオケも「あんまり好きちゃうわ」で終わらしとったんだけれども、やっぱり「今のダンスホールはコレなんや」、って聞いとったら段々聞けるようになってきて。オモロいなって思えるようになってきたし(笑)。
 
●聞けなかったんだ...。
N:そうそう(笑)。でももう「昔のDee-Jayやから新しいオケなんてええわ」なんてのじゃなくて、ダンスホールって変わるのも速いやん。だから、ホンマは今回もあんまりオリジナルのオケは出来なかったけど、前からも言ってるようにホンマはオケもオリジナルでヤバイもん作りたいんやけどね。あと歌い回しとかにしても今までやったことないようなフロウにチャレンジしたり、なんかこう自分の中で今回のアルバムは2枚目3枚目とは違う、っていうとこがあんねん。それをちょっとなんか表現できたかな、って気はするねんけど。
 
●特に頭からの3曲「Warrior」「Wonder Land」「拳神」は、スキルフルな"新しいNanjaman"のスタイルがよく表れてますよね。
N:今まで韻を踏むより、例えば聴いてる人に言いたいことを伝えたい、っていうのを第一に考えてたんだけど、まぁそういう曲もあるし、特にゆっくりな曲は違うけど、速いオケはちょっとリリックが聞き取りにくいところもあるやん。だから意味がどうっこうっていうよりも言葉遊びに重点を置いて作った。だから韻も今までよりは踏んでると思うし。ちょっとフロウも変えて。
 
●もともとNanjamanは言葉遊びモノって得意ですもんね。
N:あとは阿部ちゃん(ファッション・ブランド、Balanceのボスでもある)がマネージャーやってくれるようになって、凄い細かいところまでスタジオに来てチェックしてくれるから。例えば歌がジャストで乗ってへんかっても、今まではそんなに気にしてへんかったりしてんねんけど、今回は阿部ちゃんチェックが入って「Nanjaman、ここちょっとズレてます!」って言われて、そういうの気をつけるようになった(笑)。
 

 
●中盤からは定番のオケを使った所謂Nanjaman"らしい"曲が並んでますが、その中でも「Brand New Bad Boy Skank」は、これも意外にも初(!)となるパトワのみでのリリックに挑戦してますね。
N:なんでパトワでやったかって言うたら、リリックが全然でけへんかって。で、昔Flourgonの曲であったやん「Bad Boy Skank」って。あれってどんなだったっけ?......(歌い出して)......みたいだったっけ? オケ聞いてたらその歌が思い出されて、そんで「Brand New Bad Boy Skank」って言葉を入れたらハマるなって思って。そんで韻踏むのも、これやったら英語の方が簡単そうやし、英語でやってまえって。全部をパトワで作ったのは初めてかも。コテコテの、あの頃のフロウってカッコいいしね。半分遊びで、アルバムに入れるんだったらこんな曲もいいかなって。
 
●「DJ Unite」はお馴染みのテーマながらDee-Jay Nanjamanのルーツも披露されてますが。
N:なんか最近、なんやかんやDee-Jay同士で"チャラレゲ"とか言われてDISられてるヤツとかいるけど(笑)、ジャマイカで俺のDee-Jayの師匠カルチャーCに「ワシらはみんな運命共同体やねん!」みたいに言われて。「カッコええこと言うてるな。でも、どこまで本気で思ってんねん?」って思ったけど、真剣な顔して言われて、そんで「オレもホンマにDee-Jay目指そう!」って思ってん。それを歌にしたいなってのが前からあって、それでこういうテコテコのが出来てんけど。
 
●そして「つれ」の続編とも言える、ちょっと"遠く"に行ってた友達が戻ってきたことを祝福する曲「Yes Mi Friend」。このアルバム『FRONT LINE』の制作にも関わっているKon"MPC"Kenのプロジェクトである『拳POWA』にも収録され、話題を呼んだBoxer Kidとの「Just One Life」。Moominとの親父同士による子育て賛歌の「うまれたての瞳」(Moominのアルバム『すばらしい世界』収録曲)はSteely & Clevieによるリミックス・ヴァージョンで収録するなど全く飽きさせないまま、最後は恒例とも言えるラヴ・ソング「2人で」で〆となるんですね。
N:一番苦労したヤツ(笑)。宿題にしてこれだけジャマイカに持ってった。オケだけできたけど、全然歌詞が出来きへんで。ジャマイカでミックスを進めながら「これは早く作らな...」って、帰ってホテルの狭い部屋で作ってん。1番が出来た時はホッとしたもんなぁ。
 
●難しいですよね。Dee-Jayで、日本語でラヴ・ソングって。
N:まぁ、でも逆に上手いことこういうのも言えるようにならな。あえて難しいところを攻めて。新しいモノもできるし、あんまり気持ち悪いことを言いたないけど。
 
●そして今回はこのアルバムとは別にH-ManとJr.Deeとの3人でのコンビネーション曲もあるそうですが。
N:まだプリプロなんだけど聴いてみる? (とここで初披露)......昔、スーパー・キャットとデマス・ファミリーでやってた「Cabin Stabbin」みたいな感じでやれたらいいなって。で、サビもみんなで一緒に歌うんじゃなく、なんとなく似てるけどみんなちゃうみたいな。
 
●タイトルは「Triple Cross」。7/10に原宿アストロ・ホールで行われるNanjaman、H-Man、Jr.Deeの3者合同のリリース・パーティのタイトルと一緒ですね。この曲はどうやってリリースされるんですか?
N:とりあえず配信で出すらしい。リリース・パーティの方は、今どうやろうかって3人で話してるんだけど、できるだけ新曲をやろうって話はしてる。ちょっとそれは来てのお楽しみに。まだ決まってへんねん、実際(笑)。
 
●最後にこのアルバムを楽しみにしているファンのみんなにメッセージを。
N:レゲエの変わっていくスピードって凄く速くて、例えば今回のオレのCDを聴いたら「ダンスホールってこういうものか」って思うヤツもおるやろうし、例えばアーリーBとかの昔のDee-Jayのレコード聞いて「こうなんや」って思うヤツもいてる。全然違うもんになってると思うんやけど、ジャマイカの人ってオレらが思ってるより、理屈抜きで音楽を楽しんでるとこがあると思うし、変わってって驚いてたりしてんねんけど、それが実際レゲエやし。逆にこの10年後のダンスホールがどうなってるかなんて全然分からへんねんけど、「やっぱ音楽は音楽や」ぐらいに思ってて楽しんでた方がええと思うし。凄く幅広い音楽やと思うから、レゲエは。いろんなレゲエを聴いて欲しいし、オレのアルバムもそん中の1個やし。「オレはこういうのしか聴かへん!」じゃなくて結構いろんなもん聴いた方が世界が広がるかもしれないし、そう思ってオレのアルバムも聞いてもらったらええな。

 

"Front Line"
Nanjaman
[爆音シンジケート / XQHJ-1013]

 
 
 

 
Release Party of 3Albums
『Triple Cross』
2009.7.10(fri) @原宿ASTORO HALL
 
前売り¥2,500
OPEN 19:00 / START 20:00
[ローソンチケット / Lコード: 70898] 0570-084-003 http://l-tike.com
6.1(mon)チケット発売開始!

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