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THE MAZE

"Wi Dead Serious"
Text by Reiko NAGASE SMITH
　
Hoooray, beer! Redder dan Red!
　
一部のダンスホールの暴力的な表現を理由に、「サンフェス」をはじめダンスホール・イベントのスポンサーをおりてエンタメ界から遠のいていた感のあるレッド・ストライプが、チャリティーのステージ・ショウをシリーズで企画。会場はキングストンのクリケット球技場、サバイナ・パーク。ダウンタウンにある。
　
このシリーズは、ジャマイカに多く埋もれているユースのタレント性をひきだし、今後の音楽ビジネスの発展を図ろうとするチャリティ・ショウで、今回はトゥーツ・ヒバート、マイケル・ローズ、リロイ・シブルス、エターナ、コンシェンス、アサシンら好感度の高いアーティストを、ヴェテランからニューまでとりまぜたラインナップ。
　
3月末のこのショウでアサシンが、パフォーマンス中の発言に問題があったとされて、主催者側からステージを下ろされるというアクシデントが起きた。納得いかないアサシンは、誤解をとくために主催者のビール会社レッド・ストライプに文書を送る。結果、レッド・ストライプは、パフォーマンスを中途で終了させたのが早計だったことを認め、DJアサシンに正式に謝罪表明をした。
　
カス・ワードを使ったわけでもないのにステージを下ろされたアサシン。さぞ理不尽な思いだったろうに、オフィシャルに物事を解決したそのクールな態度には好感もてますね。
　
このジャマイカ、怒ったら負けよ。

　
ホモセクシャルを示唆する言葉をつかったことで起きたこの一件、実際、問題となったアサシンのチューン「Pree Dis」、正直ビミョーなところです。

Jamaica a we island　ジャメーカは俺らの島
Jamrock, weh kinda rock　ジャムロック、ロックな島さ
Trust me is a diamond　ダイアモンドみたいだって
Me nah run lef ya and go no weh　この島を離れたりするもんか
Me nah try offa...　よそへなんか行くもんかい
Becah Jamaica a mi island　だってよ、ジャメーカこそ俺のシマ
Fi lef ya come in like mi tek sea ova dry land　このシマを出ることってドライな島に海をかぶるようなもんだ
Da same mix up yah so　ミックスアップしたくねえもん
　
Well pree dis　これってどうよ。
How soh much fish deh yah like seh a sea dis　こーんなに海みたいにサカナがいてさ
Dem cuda hear dat and wah seh me dis　隣のキューバが聞いてるよ
　
「fishy」は「あやしげな」を意味する英語で、パトワ的には異質なものをさしていて、ズバリここではゲイを示唆しているのですが、全体的には愛島心溢れるコンシャスな内容です。
キューバとジャマイカは、似て非なるカルチャーですから。
　
Becah di ecomonic poor　経済的には苦しいし
And di crime rate high　犯罪発生率は高いけれど
But a Jamaica still a we yaad　だけどジャメーカは俺らのヤード、いつだって。
......中略......
Although time so hard　ハードな時をむかえているけど
Me seh we haffi try set it　何事もポジティブにむかっていくぜ
We nah run lef it　俺は苦しいことから逃げやしないよ
Jamaica still a we yaad　ジャメーカは俺らのヤードだ、いつだって。
　
と結んでいます。
　
われらがレッド・ストライプもツラいとこ。米国の人権庇護団体からレッド・ストライプがボイコットされているのだ。人権庇護団体がジャマイカを相手取り、ホモセクシャルへの暴力的な表現とアンチ・ゲイな文化の風潮に抗議をするために、ボイコット・ジャマイカ・キャンペーンをはじめたのだ。
　
アメリカの一部の都市でジャマイカ製品売買のボイコット運動がおこり、レッド・ストライプがこのキャンペーンのターゲットとなり、観光渡航先としてもボイコットを奨励され、ジャマイカの主要産業である観光まで危機にさらされている。
　
レゲエ、ブルーマウンテン、陸上、と揃った次にくるほどレッド・ストライプはジャマイカのシンボル的存在で、ジャマイカのライフスタイルの一部。
　
過敏になってます。
　
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