HOME > 314 > BUJU BANTON / BE ON YOUR WAY

topics

314    ARTISTS    BUJU BANTON

BE ON YOUR WAY
BUJU BANTON
  
Interview by Koji Yawata / Photo by Jonathan Mannion
 

 前作から3年振りとなる新作をリリースしたBuju Banton。諸事情が重なり、予定されていた電話インタヴューはキャンセルと延期が繰り返された。そして、ようやくBuju Bantonをキャッチした時、彼は車に乗ってキングストンの街を走り抜けている最中だった。。
 
 えっ? ああ、聞こえているよ、(運転手に「そのまま真っすぐだ」)、ああ、聞こえてる、質問してくれ。そうだ、あの時に日本で話した通りだ。前作の『Too Bad』は、ダンスホール・アルバムで、新作『Rasta Got Soul』はコンシャスなアルバム、ルーツ&カルチャー・アルバムだ。俺はダンスホール・アーティストで、ダンスホールのエンターテイメントを世界に届ける役割があるが、同時にレゲエの精神とライチャスネスを世界に届ける役割も担っている。ただ、その両方を1枚のアルバムに収め切れないと考えたから、2枚に分けてリリースすることにした。そうだ、この2枚で俺の両方の役割を伝えていると思ってくれて構わない。
 
前作と違うのは、『Rasta Got Soul』は、ダンスホール・ファンだけではなく、もっと幅広いレゲエ・コミュニティに向けての作品ということだ。レゲエの持つコンシャスネスを伝える作品なんだ。(運転手に「まだ真っすぐだ」)、聞こえている、続けてくれ。前作から3年掛かったのは、それだけ時間が必要だっただけだ。別に2作を同時に作っていたわけではない。このタイミングでリリースした理由も、それがベストと考えただけだ。オバマ大統領就任とかの時代の変化に合わせたつもりはない。黒人初のアメリカ大統領となったオバマには期待している。「これ以上、酷いことにならないようにしてくれ」と思うだけだ。ただ、俺がこのアルバムで伝えるメッセージ、コンシャスネス、正しい心と精神を持つことの意義と大切さは、間違った方向に進む世界や社会の中で、正しい方向へ変化することを求める人たちには伝わるものだ。(運転手に「止めろ!」。知り合いを見つけた様子。「よー、元気か。今は日本と電話している。インタヴューだ、ゆっくり話せない、またな」。運転手に「行け」)、続けてくれ。フフ、確かにToots & The Maytalsに『Reggae Got Soul』という作品はあったけど、それを意識してタイトルを付けたわけではない。
 
ただ、そうしたレゲエの先人達から受け継いできたレゲエ・ミュージックの音楽としての素晴らしさはこのアルバムにも表現されている。自分がスカが好きなのもあるが、スカを演っているのも(「A Little Bit Story」)もそうだし、Third Worldの(85年の)クラシック「Sense Of Purpose」をリメイクしたのもそうだ。そして、音楽的な部分だけでなく、レゲエが伝えて来たコンシャスなメッセージこそが受け継がれて、表現されている作品なんだ。現在のレゲエ・シーン? ビューティフルだ。たが、しかし、人々は正しいものを求め、正しいものが間違ったものを排除する役割を果たしてきたのが歴史だ。この作品をそういう意味で待っている人たちも多いだろう。この作品が『Til' Shiloh』みたいにシーンのターニング・ポイント的な役割を果たすかって? 『Til' Shiloh』に対するお前の認識はお前のものだ。ただ、俺は常に時代に向き合い革命を起こしてきた。それは人々に対して、物事の見方を改めさせたり、正しいことを教育したり、伝えたりして、人々の気持ちの中でコンシャスな変革を起こすという意味だ。
 
この作品もそうした役割を果たすと考えている。(運転手に向かって「そこを右だ」)、聞こえてる。そうだ、前作に続けてGargamel Musicの制作で、俺自身でプロデュースしている。Gargamel Musicは俺の革命の拠点だ、人々にコンシャスネスとライチャスネスを教育していくことが目的だ。何人かのキッズやユーツも参加して、育てている。ユーツに伝えること? リアルであり続けろ、自分の信念を曲げずに、希望を持ち続けろ、ということだ。それが長く活動してきた俺の経験から言えるリアルなコトだ。(後部座席に座っている人達に向かって「インタヴューしてるんだ、静かにしてくれ」)、続けてくれ。今後? それはお前が言う通りに、聞くには早過ぎる。もっとこの作品を存分に聴いてから聞いてくれ。前作から3年掛けて作った作品だ。ファンや音楽関係者たちはすぐに「次」を求めたがるが、そうやってすぐに消化されるようなものをやっているわけではない。
 
また、そうやって消化されるものはその程度のものだ。この作品に詰まったメッセージと音楽はリアルで時間や時代を超越している。それだけストロングでリアルなものだ、それがレゲエであって、レゲエのルーツ&カルチャーの意味だ。普遍のメッセージは時代を超える。常に新しく、繰り返される時代の未来も予言している。(運転手に向かって、「右側に止めろ」)、もういいか? 日本? 日本のファンからの長い期間のサポートと愛情に感謝している。この新作をもってツアーに出るが、また日本にも行って、みんなと直接会える機会があることを願っている、と伝えてくれ。日本に行きたい、プロモーターを紹介してくれ。俺にじゃない、マネージャーに言ってくれ。そろそろ時間だ、またにしよう。じゃあまた日本でな。 


 

"Rasta Got Soul"
Buju Banton
[Victor / Gargamel / VICP-64679]

top
top
magazine

magazine

magazine

magazine

magazine

magazine

columns

GO BACK

ISLAND EXPRESS
UK REPORT
WHAT THE DEAL IS
PLAY IT LOUD
RECORDS & TAPES
RAW SINGLES
CHART
RING RINg RING
BOOM BAP
Day In Da West

columns
columns

columns
columns
columns
columns
page up!
Riddim Nation

"Riddim"がディレクションする
レゲエ番組「Riddim Nation
第19配信中!

Go RiddimNation!

nation