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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
MIX CD
 
1. Sugar Cru X DJ George / Cold As Ice (Focus)
駿河国静岡を代表するハードコア・ユニット=Sugar Cruのブランニュー・シット3曲のEPサイドに、それらの曲を含む怒涛のメガミックス・サイド=25曲からなる変則的な新作。そのEPサイドには、大阪のThe9Far East、東京のSimonが参加した曲も。DJミックスを担当したのは彼らと関わりの深いDJ George。彼を擁するFocusのスタジオにてHi-A+Production(Vaxim & Nao the Laiza)が仕上げた本作は、モブ・ディープともM.O.Pとも形容される主役2人のパフォーマンスの武骨さを更に際立たせた体裁となっている。グッとくるぜよ。
 
ALBUM 
 
2. EPMD / We Mean Business (EP Records)
前々から噂になっていた黄金ユニットの7作目。リユニオン第2作となった前作から9年…ではあるが、その間各自の活動のみならずEPMDとしてのツアーもあったせいで(?)、かなりタイトな内容となっている。ゲストではファミリーのレッドマン、キース・マーリィに、KRSワン、レイクウォン、メソッドマン、ハヴォックといった役者が揃い、本人たち制作曲以外では、DJ Honda、9thワンダーもビートを提供。何より嬉しいのは“お家芸”となるZappyな、もしくはP系のファンクモードをしっかり貫いている点。テディ・ライリーがロジャー役を務めた(?)「Listen Up」も最高! 連作「Jane」の新章、K・ラ・ボスのカット他、ファン泣かせの内容に。
 
3. Plies / Da Realist (Atlantic)
Ne-Yo参加の「Bust It Baby Part.2」込の2ndから約半年、“16ヶ月でアルバム3枚計画”という公約通り最新作を届けてくれた“フロリダのラップスター”プライズ。今回のプロデューサーは、マニー・フレッシュ、ドラマ・ボーイ、JRロテム、ノーI.D.ら、でクリス・JをFeat.した1stシングル「Put It On Ya」も人気を呼んだばかりだが、それ以上に日本ウケしそうなのが、アシャンティがサビを担当した「Want It, Need It」だろう。ディールの名バラッド「Two Occasions」を下敷きにしたその美麗トラックを担当したのは、相性の良いJRロテム。勿論、あの緩く、中毒性に富んだフロウは全編で炸裂している。
 
4. Devin The Dude / Landing Gear (P-Vine)
ユルいと言えば、この男。元オッド・スクワッドで、ドクター・ドレー「Fuck You」他での好演でその名を上げた、スパスパWeed Man=デヴィン様で御座いマス。古巣Rap-A-Lotと決別し、メタルに強いイメージのRazor & Tieからリリースされたこの5作目は、そのキャリア上の最高傑作かも!?というくらい相変わらずの渋カッコいい1枚!! ゲストにはミスター・パフパフことスヌープも参加しているが、その存在感すらものともしない主役のスモーキーな呟きラップやブルージーな歌ラップ(スパニッシュも)が冴えまくっている本作は、彼が敬愛するブロウフライ級のエロ・ソウルフルな世界観を完全構築している。ロックスターらサウンド班の仕事ぶりも良い。
 
5. PPP / Abundance (P-Vine)
ワジードとサディークから成るプラティナム・パイド・パイパーズ改めトリプル・P= PPPが傑作1st『Triple P』以来4年ぶりとなる新作を発表。生楽器を巧みに取り込みつつも、ヒップホップ世代ならではのソウル・ミュージックをクリエイトする彼らは、コウルトレイン、カーマ・スチュワートらを起用した本作で更に未来派のエレクトロ・ソウルを展開。デトロイト・サウンド=モータウンの現代的再解釈に挑むデトロイト産エレクトロ・ソウル。在りし日のモータウン・サウンド を今の質感、方法論で再提示するというコンセプトも活きている。
 
6. A.K.I. Productions / Do My Best (AWDR/LR2)
“早すぎたホラーコア”とも評された『Japanese Psycho』から約16年の時を経てリリースされるニュー・アルバム。この知らせに胸がトキめいた人は間違いなく楽しめるであろう本作は、いわゆるラップ作品ではなく、資料から引用すると「電子音楽とアイドルに夢中になってしまったラッパーが好きなことに熱中しすぎてラップすることを忘れてしまったような1枚」、ということになる。朗読(?)、歌(?)からギターやアナログ・シンセまでをこなすこのワンマン・バンド(?)は、敬愛するモー娘。のカヴァーまでも披露。44ページにおよぶブックレット「A.K.I.の文集 1995 & 2003〜2008」も封入。
 
7. D.O / Just Ballin' Now (Tearbridge)
練マザファッカーが出たばかりだが間髪入れずのソロ2作目。群を抜くキャラと生き様を描いたライム、現場叩き上げの確かなスキルと豊富なコネクション、途轍もなくデカいヴィジョン、と“幾つもの武器”を持っている彼がその持てる力をぶつけた勝負作。Pagerや雷メンバーの参加、M-1王者=中川家兄を含む練マ軍団のポッセカット、ブルーハーツをサンプリングしたJesse参加曲、Ken-UやMison-BのFeat.とフックだらけの内容。過去を振り返りながらもポジティヴに突っ走る彼の勢いは誰も止められない!
 
8. Scars / Next Episode (Scars / Ultra-Vybe)
収監中のリーダー=A-ThugのミックスCDもかなりのブツだったが、このグループとしてのまさかの2ndも予想以上に良いデキだ! 彼らの地元川崎で撮られたPVも印象深いリード曲(Bach Logic制作)から、オートチューン・ヴォイスでSeedaが歌った「Oneway Love」まで、新しい要素を含めこれぞScarsというストリートの丁々発止のヴァイブスと「音楽で勝負する」というアティチュードが全編に感じられる。Besの脱退というトピックもあるが、アルバムとして、グループとして、よりタイトに見せる構成に。制作総指揮はI-DeAで、D.O他の外部ゲストとの絡みも効いている。
 
9. Geek / Life Size II (KSR)
Oki、Sei-One、DJ EdoからなるGeekの約1年半ぶりの2nd。時に憂鬱で常に誘惑の多い東京ストリートで渦巻くドラマを、リリカルにエモーショナルに描き出すそのストレートなやり口は、『Concrete Green』シリーズやそれこそOkiのソロ作『About』でもしかと味わえたが、グループのコンビネーション/ケミストリーが主軸となる本作の完成度もまたかなりのものだ。参加プロデューサーは、I-DeA、Bach Logicらで、鎮座Dopenessの絡みもアリ。
 
10. Thug Family / 100% Thug (Legendary)
横浜が生んだ噂のリアル・サグ・ラッパー軍団=Thug Familyの初アルバム。5人が入り乱れ、その言葉がナイフのように鋭い荒削りなラップが完全に聴き取れるライヴは、相当にセンセーショナルなもの。『Concrete Green』、『A+』や、数々のストリート・アルバムでも証明してきた通り、その生々しさは音源でも薄れることはない。Legendary inc.発のこの1stアルバムは、565 、 Denのサポート、そして318、Lucha、Tariban、Hydro、J、Ryo、Zorro、Lil Tのビートを活かした合法的犯罪の集大成だ。
 
11. Coma-Chi / Red Naked (Nnife Edge)
々のフィールドで活躍する東京ミチバタ生まれ“前代未聞のB-Girl”の2nd。現在所属のJazzy Sportからの、そしてメジャーからの初アルバムとなる本作は、レーベル・メイトでもあるTettoryBLK、DJ Mitsu The BeatsにDJ Jin、DJ Watarai、K-Moon、熊井吾郎らが新感覚のビートを提供した、フレッシュなトピックとヴィヴィッドなライムの洪水。中にはRhymesterのクラシックの独自解釈リメイク「B-Girlイズム」も。
   
12. Nitro Microphone Underground / Back Again (Nitrich)
あの衝撃の1stから気付けば十周年…。だが、感傷に浸るような連中ではない。その間も、チームでソロでと常に動き続けている彼ら=NMUの新作は6曲入りのミニ・アルバム。前作でも組んだUSのStarwax制作の「JanJaJan」に「王朝」、初起用となるBuzzer Beatsとの「カマゲン」(ドッジとのコラボPVもヤバい)、ご存知Watarai、Jhett制作曲にMacka-Chin作のスキット、と磐石の濃密盤。必殺のマイクリレーが炸裂しっ放し!!

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