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BERES HAMMOND / A MOMENT IN TIME
  
Interview by Ak-1 a.k.a. Akihiro Ozeki / Photo by William Richards
 

先月号に発表された「Riddim Awards 2008」の“International Dancehall Reggae Albums”において『A Moment In Time』で見事1位を獲得したBeres Hammond。その報告も兼ねて新年早々、彼の拠点である新しいHarmony House Studioに赴きインタビュー。
 
●最初にレコーディングしたのはいつですか?
Beres Hammond(以下B):12歳の時にダイナミック・サウンドでレコーディングしたのが最初だったな。曲名は「Wonderer」。ラヴ・ソングだよ。
 
●その時代はいつ頃です?
B:確か、70年代前半だったかな? 定かじゃないけど、その頃だ。
 
●昨年、歌手活動30周年だと聞いていますが、それ以上じゃないですか(笑)。
B:そうかもね(笑)。若い頃、確かトレジャー・アイルとも仕事をしたはずなんだけど、曲名や何曲録ったかは覚えていないなあ。スタジオ・ワンとは仕事をした事は無いけどね。ただ当時から数え切れない程レコーディングしていた。本当に楽しかったね。
 
●60年代はあなたにはどう映っていますか?
B:まだ若かったのであまり覚えていないよ。
 
●では70年代は?
B:その時期こそ、私が音楽的に成長をしていった時期だね。今までのジャマイカの音楽史の中で、一番素晴らしかった時代だと思っている。
 
●では80年代は?
B:音楽が変化していった時代だね。皆がそれぞれスタジオを所有し、それを使い出した。DJ達は今の様なヴァイオレンスな曲はそんなには歌わなかったし、他人の事をメチャクチャ言ったりもしなかった。この当時の音楽も素晴らしかったよ。90年代の最初の頃も良かったが、何故その後変わっていってしまったんだろうね? テクノロジーが誰でもDJやシンガーになれる状況に変えたのは間違いないが、テクノロジーだけのせいだけではないだろうね。現在はまだ分別がつかない様な、プロのレヴェルに達していないDJやシンガー達が表舞台に立っているよ。まあ俺はこの状況が変わるのを見守っていくよ。
 
●ご自身の曲で好きな曲を挙げてもらえますか?
B:(笑)…1曲1曲全部、自分の家族、子供達だと思っているだ。全員違うし全員好きだ。だからどの子供が1番なんて言えないだろ(笑)。それからこれからももっと子供を作らなきゃいけないし(笑)。
 
●ごもっともです(笑)。先ほどの話に戻りますが、最近のシーンについてどうお考えですか?
B:全てのジャマイカの音楽を私は受け入れているつもりだが、ダンスホールの行き過ぎたヴァイオレンス、スラックネス等の曲は嫌いだよ。世代がどんどん交代していく中、私は若い人達、子供達に正しい事を伝えていく責任があると思っているんだ。だから、ダンスホールだって子供達を駄目にする様な音楽ではなく、スマートになって欲しいと思っている。とは言ってもね、ダンスホールもレゲエも心から愛してるからこそ言うんだけどね。
 
●いつもどんな風に曲を書かれるのですが?
B:例えばあなただったり、他の色んな人達とリンクしてインスピレーションを得るんだ。つまり人々が普通に生活して感じる様な何気ない事とかだよ。そういった色々な人からアイデアを貰っているんだ。実際のところ私は歌を作るだけだが、仕事をする時はいつも4〜5人のミュージシャンがスタジオにいるんだ。一人一人が持っているアイデアを出し合って仕事をしてくれるんだ。ま、オールド・スクール・スタイルだね(笑)。そういうスタイルが好きだけどもデジタルだって大丈夫だよ。
 
●昨年はダン・カーレオンと仕事をしましたね。彼について聞きたいのですが?
B:彼に会うといつも「一緒に仕事が出来ないか?」と訊ねてくれたんだ。彼と仕事が出来て私も嬉しいよ。実際、彼は音楽的な目的意思がしっかりとしていて、自分が何をしたいか分かっているからね。
 
●ご自身のレーベル、ハーモニー・ハウスはいつスタートしたのですか?
B:1980年だよ。
 
●ハーモニー・ハウスが今プッシュしている若手がいれば教えて下さい?
B:ヴェニア・ウエストっていう素晴らしいシンガーがいるよ。私達は彼女を“レイテイ”と呼んでいる。それとNYからジミー・コーズィって奴がいる。最近とあるプロジェクトを終えたばかりだよ。あとエルディというアーティストも上がってきているよ。
 
●昨年この新しいスタジオとオフィスが出来ましたね(キングストンのハーフウェイツリーのスタジオ密集地帯にある大きな敷地を擁する2階建て)。最近の曲やダブ・プレートはここで録音しているのですか?
B:そうさ。新しいアルバム(『A Moment In Time』)の曲も殆どここで作った。お陰で良いアルバムが出来上がったと思うよ。
 
●ご自宅のスタジオはもう閉鎖したのでしょうか?
B:家のスタジオはプライベートとして残してある。あのスタジオはヴィンテージ!!! ベストなサウンドが作れるんだ。もちろんこの新しいハーモニー・ハウスの音もとても気に入っているよ。
 
●本当に両方とも素晴らしいサウンドだと思います。先ほども少し触れました、新しいアルバムが昨年末にVPレコードからでましたね。この作品に込められたメッセージをお話頂ければ。
B:あれはミックスチャー・アルバムだ。世界で起きている事など、例えば…(と「Picking Up The Pieces」を歌いだす)…戦争、争い事だ。1つの争いが終わるともう1つの争いが始まる。もちろん愛の事や他にも色々な曲が入っているよ。いい感じにブレンドされてる。
 
●『Riddim』の「Riddim Awards 2009」のジャマイカン・アルバム部門でこの作品が堂々の1位を獲得しましたよ。
B:(笑)いつもサポートありがとう。
 
●今回のアルバムにコンビの曲がありませんでしたが?
B:別に意図がある訳じゃないよ。選曲は私だけで決めた訳ではなく、VPも手伝っているんだ。実際、Jah Cureとも一緒に曲を作ったんだけど、このアルバムには入らなかったんだ。タフでナイスなチューンなんだけどね(笑)。
 
●リリースが楽しみです。では、こうして30年以上の活動をなされてきて、振り返ってみて思う事は?
B:全てが良い思い出で、良い経験だ。色んな事がスタジオだったり、ステージで起こるからね、ツアーに出ている時など国によって人々や文化がどこも違うから色々学べる。それに皆、私を凄く丁重に扱ってくれるんだよ。本当に感謝しているよ。そうだ、初めてインターナショナルなステージでパフォームした時は頭が真っ白になった事もあったな…(笑)、まあ色々あるね。そう言えば最初に日本に行った時も会場に着いてビックリしたんだ。あんなに人が入っているステージ・ショウは初めてだったしね。まあ、全ての事はその時1回だけの事なので、その日その日をきっちり振り返る様にしているんだ。だって全ての出来事は、自分をどうすれば良い方向へ行けるか導いてくれたり、どうやって強く生きていくかを教えてくれるからね。
 
●昨年の暮れにナショナルスタジアムで開催されたあなたのショウ「A Moment In Time」はとても感動しました。
B:そうか、良かったか(笑)。ナイス・ヴァイブスだろ?(笑) 私も良いショウだと思っているから今後もキープしていくよ。
 
●是非今年も宜しくお願いします。さて、これは個人的な要望ですが、70年代のBeres Hammondの作品を再録音するといったスペシャルなアルバムは考えてないですか?
B:そうだね。あの当時はレゲエだけじゃなく、バラード、ファンク、ジャズっぽいのも歌っていたからな。皆が欲しいと言えば考えるけどね。

 


"A Moment In Time"
Beres Hammond
[VP / VPCD1824] 

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