ACKEE & SALTFISH / NO SKIN TEETH
Interview by Yusaku Toriiminami / Photo by Yoshinori Hattori
いつだって自分たちらしく奔放に、されどまた確実に、常にレゲエ・ファンの夢を次々と現実のものにしてきたAckee & Saltfish。彼らのニュー・シングル「櫻」は今までにも増して日本への強い想いのこもった作品だ。およそ6年ぶりとなるオリジナル・アルバムに向けて動き出した二人に話を伺った。
●今回のシングル「櫻」ですが、桜という題材に古来から現代にかけて日本人が映し出してきた心象をテーマにした歌の作りが印象的でした。この曲は次のアルバムへの序曲ともいうべき作品になると思います。アルバムに向けての構想をお聞かせ下さい。
Saltfish(以下S):アルバムのコンセプトとして、アキソルは西洋文化を認めとらんぞと。遡ると明治維新までいっちゃうんだけどさ。要するに100%この国、東洋の文化を大切にしようと思うと、そこまで遡って考えないかんなと。いったい自分達は何人なんだ、と。それをアキソルはどういう風に捉えとるか。そういう歌を歌いたいな、と。色んな歌を歌ってきたけど、やっぱり結局てめぇらの言いたい事はそこだな、と思って今感じとるところ。いつもは楽しい歌とかも入れてきたけど、今回はそういうのをなしにして。歯を見せん感じで。向こう(Jamaica)で言うとNo Skin Teeth、要するに笑わん、そういう内容になるかも知れん。
Ackee(以下A):ま、出来上がって見なきゃ分からんとこはあるんだけど。
S:あんまりお遊びはない感じ。
A:ない方がいいんじゃないかなって感じで。ライヴでやれるからね。
S:あ、やっぱりこういう人達だったのって感じ(笑)。
A:多分ね、右翼とか勘違いされる(笑)。「日本が大好きだ」って言うと。そんな色はないんだけどね。結局ね、歳ある程度重ねとる人とかは知ってるかもしれんけど、若い子、16、7歳とか20歳位の子は知らんのだったら、一寸こっちに目を向けてくればなって。
●この国の文化と言うと、お二人は現在24時間365日和装での生活をされてらっしゃると聞きました。しかも外見だけでなく日常から六尺の褌(注)をしめて生活されてらっしゃるとか。
A:着物着た事ある? 着とるとね、帯が下がってくるわ。で、褌しとると褌の上に帯がのるんだわ(笑)。でね、クソする時やションべンする時はパンツだと出てこん(笑)。これをパンツにしちゃうと全部下げな、いかんのだわ。
●それを考えるともう褌の方が楽と(笑)。
A:着物着とると帯をあげてパンツを下げてってやると着崩れしちゃう。どえりゃーめんどくさい。それで、ま、そっちの方が楽だと。
S:好きだってのもあるけどね(笑)。元々は着物がただ着たかっただけだから。
A:着物が昔から好きだからさ。和装の事とかはそんなにこだわっとるわけじゃないよ。
S:俺んたは精神的な日本人として、自分達が持っとるアイデンティティみたいなものを大切にしていきたいなと。あと、お前らもこうしろ、なんてことは言っとらんから。俺んたはこうやってやっとる、っていうだけであってさ。
明確な全体像を先に作りあげ制作を進めているという今回のアルバムは、実はアキソルにとっても初めての試みであるそうだ。二人の日本古来の文化への傾倒は大きなヒントになりそうだが、まだまだ謎に包まれた部分が多い。ただ、“No Skin Teeth”と言いながらもあくまで自分達がなんだか楽しみながら、自分達の好きな事を歌にしようとしている二人の姿を見ていると、とびっきりにレベル・ミュージックでルーツ・ミュージックなアキソルのレゲエが、少なくとも今年中にはたっぷり楽しめるのには違いなさそうである。
(注)長さ約180cm〜300cm程度、幅約16cm〜34cm程度のさらしの布を用いた日本人男性用の下着。前垂れと腰紐の越中褌とは異なる。
"桜"
Ackee & Saltfish
[錦コミュニケーションズ / NSKR-005]