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Riddim Awards 2008 - Reggae -
 
 

相変わらず変化/進化し続けている国内外のレゲエ・シーン、そして王道路線はもちろん、ローカルも含めて芽生えを感じさせてくれるヒップホップ・シーン。2008年は一体どんな年だったのか? 本誌でもお馴染みのライター、ミュージシャン、ショップ・スタッフらによる対談によって、この一年間にリリースされた作品の中からシーンを象徴する作品を選出しつつ、2008年のシーンをじっくりと考察していこう。
 
■International Dancehall Reggae Albums

■Domestic Dancehall Reggae Albums

■Japanese Ska, Rock Steady, Roots & Dub Albums

■Re-Issue & Re-Compliled Reggae Albums

■Reggae DVDs

■PERSONAL CHART
 
【INTERNATIONAL DANCEHALL REGGAE ALBUMS】
大石始(以下大石):やっぱりVybz KartelがStephen “Di Genius” McGregorと組んだ『The Teacher's Back』でしょうね。これだけコンセプトをキッチリ立てて作れたのはやっぱりStephen McGregorががっちりとプロデュースしたからだろうなと思います。
Tanco:確かにいま旬と言えば、やっぱりこれでしょうね。
藤澤“Mercury”正佳(以下藤澤):Vybz Kartelはホント旬だしこの作品も凄く良いんですけど、その分、実際は好き嫌いがはっきり出るでしょうね。
大石:今年は歌物系、例えばEtana『Strong One』とかJamelody『Be Prepared』とか、つまり歌物なんだけどルーツ&カルチャーではない、しかも雰囲気のいいアルバムが印象的でしたね。
道正和行(以下道正):となるとやっぱりBeres Hammond『A Moment In Time』じゃないですか?
Tanco:いいよね。まだ出たばかりだからヒット曲が沢山入ってる訳じゃないけど、来年、ここからカットされて凄い事になるかもしれないね。ルーツ系の歌物でよく聴いた作品はLuciano『Jah Is My Navigator』ですね。後はMorgan Heritage『Mission In Progress』かな。
岡部徳枝(以下岡部):Gyptian『I Can Feel Your Pain』ですね。土臭さがいい感じに薄まって、R&Bな雰囲気も凄く良くって。イケ面だし女子受けが良いのがよく分りますね。
道正:つい最近出たばかりですが、Alborosie『Soul Pirate』は凄く良かったですね。レゲエを誰よりも聴き込んでるって感じが滲み出てて。
大石:ちょっと毛色が変りますけど、Earl “Chinna” Smithの“Inna De Yard”の『Vol.2』はシリーズ中、一番いい出来でした。まだフィールド・レコーディング的な録音なんだろうけど、音がぐっと洗練されてめちゃ良いんです。あとはLee Perryの『The Mighty Upsetter』も押したいですね。
Tanco:あ、Tarrus Riley『The Parables』って今年日本盤が出たけどここに入れてもいいの? 
大場俊明(以下大場):彼は2月にあった「Reggae Academy Awards」で6冠を取りましたし、色んな場所でこの作品からの曲がかかったかもしれませんが、VP盤は06年10月に発売されてるんですよね。
Tanco:一昨年になっちゃうんだ。でもそれを抜きにしたらこれがトップだったかもしれないですね。

 
【INTERNATIONAL DANCEHALL REGGAE SINGLES】
Tanco:今年はStephen McGregorの活躍が特に目立ったんじゃないですか?
藤澤:StephenかDasecaか、それかDon Corleonかと言った感じでしたね。Birch(Birchill)もコンスタントには出してはいるんだけど、StephenとDasecaの色が強過ぎましたね。この2つは必ず新しいものを提示してきましたから。
Tanco:そうだね。そうやって色々出た中でどれか1曲って言えば、やっぱりDamian "Jr.Gong" Marley & Stephen Marley「The Mission」だね。
藤澤:間違いないですね。衝撃度からしてヤバかったですしね。
Tanco:今年ステージで一番演奏したリディムも“Mission”だったしね。
藤澤:今年の流れは、前半はSeraniとかによるミディアムな歌物ってイメージで、下半期はダンス系と言うかダガリン系一色でしたね。
Tanco:音楽的に言えば、ここ数年BPMがどんどん速くなってきてるんですよ。初期のダンスホールが90BPMだったんだけど、それがどんどん速くなって今年は遂に140BPM前後にまできちゃってる。で、そこまで行っちゃうと今度は逆にその半分の70位で大きく拍を取る様になって…っていうのが今年の傾向だったんですよ。つまり歌は高速なんだけど、オケはその半分の速さというね。特に今話に出たダガリン系はそういうパターンが多いですね。
道正:それとは別の傾向としてはリメイクですね。とは言ってもファウンデーションではなくジョグリンのリメイクが多かったですね。TJの“Unfinished Business”リディムもリメイクと言えばリメイクですしね。
藤澤:確かに“Show Time”みたいなちょっと前に流行ったジョグリンのリメイクは多かったですね。
Tanco:“Corduroy”リディムとかね。10年過ぎたらもうファウンデーションって感じなのかな?
藤澤:若い奴らが作ってるから子供の頃に聴いたリディムが懐かしいんでしょうね。今年出てきたリディムや曲単位で考えれば、Stephenの“Day Break”リディムの一連の曲は現場で受けてました。Seraniだったら「Stinking Rich」。Vybz Kartelなら「Million By A Morning」はイケてましたね。Mavadoなら「Money Changer」も「So Special」もイケてたし、ダンスって言えばElephant Man「Nuh Linga」もですかね。
大場:ミディアムだとどれになるんでしょう?
藤澤: “Rub A Dub”リディムですかね。特にEtana「I'm Not Afraid」、Richie Spice「Di Plane Land」。“Shoot Out”リディムも結構イケてたし。あとはダンスの現場ではJah Cure「Freedom」、Beres Hammondのアルバムの1曲目にもなった「I Feel Good」もヒットしましたね。
道正:歌物なら夏位からLUST「Just As I Am」も来てたでしょ? 
Tanco:そう言えば“Pussy Good”の…そう、Natasjaの「Calabria 2008」ってかなり流行ったでしょ?
藤澤:今でもイケてますよ。あ、「Winner」がヒットしたKonshensって今年ってイメージがあるんだけど。こいつはどっちみちこれからがっちり来ますから押さえといて下さいね。

 
【DOMESTIC DANCEHALL REGGAE ALBUMS】
Tanco:今年も凄く出ているね。Fire BallやRyo the Skywalkerといったずっとアルバムを出してきた人達が出してないからか、全体の傾向としてはニュー・フェイスのデビューCDが目立つのかな?
岡部:今年は多くの若手を取材させて貰ったんですが、Akane(『Expression』)やMison-B(『Mison-Baby's Ina Dancehall Style』)といった女性達が頑張ってくれたのが嬉しいですね。しかもどっちもきっちりと作り込んでいて。男性だったらRueedの『New Foundation』がそうでしたね。今挙げた人達は皆、背筋がピンと伸びてますよ。
Tanco:まだフル・アルバムまでは行かなくてもシーンって考えると大阪の若手が熱いね。特にBig Bearや強、Tak-Zとかかな。大阪って歌える現場が多いから若い人も出て来易いんだろうね。ミナミだったら毎晩3カ所ぐらいダンスやっているし。しかもショウやラバダブが終わった後に先輩が後輩にきっちり指導するからね。そういう環境が羨ましい。
ジョゼ斉藤(以下ジョゼ):大阪の若手と言えばNatural Weaponがアルバム(『Ghetto Prince』)を出してきましたね。お店からの問合せは多いですね。
岡部:東京だったら、新人と言えるのかな…Domino Katの『Double Six』は新しいダンスホールをきっちり作っているのが凄く伝わってきましたね。
大石:荒削りな所も含めてデビュー・アルバム然としてましたよね。
Tanco:Dominoも良かったけど、Micky Rich『Soul Survivor』も押したいね。歌物っぽいのにもトライしたりと幅も出てきたし。でも一番聴いたのは笑連隊の『ウキウキ反抗期』なんだよな(笑)。細かい所まで良く出来てて、しかも楽しいんだよね。
大石:ヴェテランもそのキャリアならではの素晴しい作品を出しましたね。Bear Man(『Waiting For You〜俺はここにいる』)とかmachaco(『Precious』)は流石だと思いました。特にmachacoさんの作品は純粋に歌ものの良い部分を突き詰めた内容でメチャクチャ良いですよ。
岡部:前からMoominって好きでしたけど、『すばらしい世界』で聴けるこの大人な感じは中々他の人には出せませんよね。スーッと入るメロディなのに必ずフック感もあって。しかもメッセージ性もあってそのバランス感がいいなって思いますね。個人的にはChop Stickの『Raggamuffin Way』もよく聴きましたけど、やっぱりRankin Taxi『死ぬまで生きる』が凄かったですかね。いつものボヨヨンな感じが殆ど無くて。
Tanco:これは濃厚でしたね(笑)。Rankinさん、ここんところ来てますからね。
大石:同感ですね。でも今年はやっぱりH-Manかなとも思います。『ナカナカナイ』を聴いても、ライヴを観ても、それからBlogの凄さも含めて異質さが際立ってて、突き抜けた感がありましたし。
Tanco:出たばかりだけど、やっぱりPushim『Renaissance』は入れておかないと。
全員:あー!
馬渕信彦(以下馬渕):クオリティの高さで言えば断トツではないでしょうか。一般の音楽ファンにまで惹き付ける力と言うか。あと又ヴェテランになるんですが、Yoyo-C『3 Seconds』を押したいですね。
Tanco:ヴェテラン勢の作品はどれもクオリティが高いから、それらと若手の作品と比べるとなるとそれはどうしようもないよね。となるとMighty Jam Rock『Big Timer』もRudebwoy Face『A Message To…』も当然入ってくるよね。それから忘れちゃ困るのはPapa B。『20th Anniversary Edition』なんて相当クオリティ高いでしょ?
馬渕:ベスト盤の方は勿論だけど、新録の方も彼の振り幅の広さと今年にかける彼の気合いの入りっぷりが表現されてますからね。
岡部:(Kon “MPC”Kenの)『拳POWA』を忘れてましたね。プロデューサーが前面に出たコンピは今年も沢山ありましたけど、人選だけでなくトラック制作からミックスまでこなして他のコンピとは違いますよね。
Tanco:Sami-Tの問題チューン(「Back Bitter」)もあるしね。
馬渕:そういう意味でもシーンに問題を投げかけた作品でもありますしね。実際ビッグ・チューンだらけですし。

 
【DOMESTIC SKA, ROCK STEADY & ROOTS REGGAE ALBUMS】
ジョゼ:日本のスカやロックステディ・シーンとしては、今年は充電期間だったのではないでしょうか? 実際作品は少なかったですが、年頭に京都のThree Sevenが復活したり、夏前には静岡のThe Sideburnsが復活したりとヴェテラン勢がまた動き始めて、スカ系のライヴはここ数年よりも増えたと思います。今年Tan Tanと『East Meets West』を作ったCool Wise Menの最近のライヴなんて、異様なほど盛り上がってますからね。
岡部:お客さんが最初っから飛ばしてますもんね。
ジョゼ:Club Skaの20周年記念としてスタジオ・コーストでThe Skatalitesが出演しましたけど、主宰者側も前売チケットが売切れになるなんて思ってなかったのに実際売切れましたからね。スカを求めている人は未だに一杯いるんですよ。来年はいっぱい作品が出ると思います。
大石:僕は圧倒的にThe Heavymanners(『The Heavymanners』)です。ライヴの気迫と説得力は半端無かったし、作品自体も新しい形でルーツ・レゲエを提示していますし。
岡部:Little Tempo『山と海』も凄く良かったんですけど、彼らの「ワイワイ祭り」ってライヴがもっと面白かったんですね。彼らがバック・バンドをやって色んな人がその前で歌って行くという。あのライヴも含めて評価したいです。
大石:あと『Strictly Dancing Mood Vol.1〜Future Ragga Sessions』ですね。Rub-A-Dub Market回りの変ちくりんなダンスホールなアーティストの作品をまとめたものですが、日本独自のダンスホール・スタイルが生まれているというのがよく分る作品ですから。
岡部:犬式a.k.a. Dogggystyleの『意識の新大陸FL(R)ESH』も例えばギターの裏打ちとかは一切入ってないんですけど、彼らならではのレゲエのスピリットが込められているのを凄く感じました。
大石:そういう不器用なところも含めて犬式ってレゲエだなって思わせてくれる作品でしたね。ライヴでの一音一音に込められた想いも含めて彼らを押したいですね。同じくノンレゲエって意味では今野英明『ぼくにできること』をこのコーナーに入れていいのか悩みますが、実際めっちゃいい作品でしたね。あとTuff Sessionもいい作品(『Tuff Good』)を残してくれたし。
岡部:BAGDAD CAFE THE trench townのRaitaの『Ruff Track』ってトラックが凄く尖ってて驚きがありましたね。歌い手だったらぜひ乗せてみたいって思わせるものがありましたし。
ジョゼ:EKDとかの面白いユニットやスカ・バンドが沢山参加して新曲を提供している『Down Beat Ruler Vol.2』は入れておくべきだと思いますね。あと巽朗さんのソカ・バンドの作品(Tatsumi Akira and The Limes『Soca Driven』)も、最後の最後に全部作り直してすごく良い作品に仕上げてきましたね。しかも巽さんの歌が物凄く良くって。
Tanco:あれ? (元スペクトラムの)西慎嗣がアルバムを出してるね(『Shinji Back To The Roots』)。西慎嗣ってジャマイカではBeres Hammondのバックもやったりして有名なんだよね。クレジットは載ってないけど結構レコーディングに参加してるし。これはSly & Robbie?
大場:そうです。輸入盤はTaxiからのリリースです。
Tanco:このコーナーではこれが一番聴きたかったかな(笑)。

 
【REISSUE & RECOMPILED REGGAE ALBUMS】
大場:例えばAlton EllisやJoe Gibbsといったここによく登場する重要なアーティストやプロデューサー達が随分とこの世を去ってしまった一年ではありますが、湿った話は抜きに選んで行きましょう。
道正:体制が変ってからのGreensleevesによる再発ラッシュは凄かったですね。どれも良い作品でしたけど、特にと言えば今まで全くCD化されなかったLinval Thompson がプロデュースした12インチ音源をまとめた『12" Rulers』でしょうか。あとやっぱりRandy'sの50周年を記念した『Randy's 50th Anniversary』。選曲も音も良かったですが、この映像は相当貴重でしたね。貴重と言えばJoe Higgs『Life of Contradiction』は内容も含め待望作品でしたし、Jimmy Radwayの『Dub I』に至っては貴重過ぎて多分今まで誰も聴いた事の無かった作品だし(笑)。
大石: VPの17 North Paradeシリーズもどれも凄く良かったですね。Joe Gibbs関連の作品も多く出てましたが、その中では『Scorchers From The Mighty Two』を押したいかな。それとPower House Selector's Choice George Phang』なんて2枚組で4枚も同時発売して、VPの企画力と底力を感じました。
大場:Power Houseもそうですが、Penthouseとかダンスホール・レーベルのアンソロジー的な編集盤も増えましたね。90年前後のダンスホールって未だに人気があってオールディーズ感を感じないけど、実際はもう20年ほど経っている訳ですからね。
岡部:ダンスホールと言えばCocoa Tea『The Sweet Sound Of Cocoa Tea』が素晴しい編集作業でしたね。実際聴き倒しましたし。
馬渕:この作品で改めてCocoa Teaの良さを再発見しましたし。dj KENTAROがミックスした『Tuff Cuts』も嬉しかったけど、ライヴでの凄さを体験している者としてはライヴ込みで評価したいかな。

 
【REGGAE DVDS】
道正:海外ものの作品は権利関係が怪しいのも多いから、チョイスが難しいですね。
大場:国内盤を見て行くと今年は日本のレゲエ・フェスものの作品が多かったですね。
Tanco:俺はここに殆ど出てるんだよね(笑)。そこを抜きにしても『愛知Reggae Breeze 2K7』でのSuper Catのライヴ映像は世界的に見ても貴重だと思いますね。字幕も凄い丁寧でね。あと『Highest Mountain 2008』はライヴ自体良かったし、それに懐かしい映像を交えたりと10周年ならではの内容だったし。
藤澤:フェスものなら『Soul Rebel 2007』を何度ととなく観てしまいましたね。日本勢もいいですし、最後にはWayne Smithが出てきますし。
ジョゼ:観客目線からだと『Starlight Reggae Festa in 名宝』も押したいところですが。
岡部:フェスとはちょっと違いますが、Spicy Chocolateが制作している「Dancehall Queen Japan」のDVD『Dancehall Queen Express』も面白かったですね。ダンサーの真剣勝負ならではの緊張感が伝わってきて。あとはRankin Taxi『ボヨヨンNight』をぜひ押したいですね。
Tanco:これは面白かったね。Pushim『The Live 2006-2007』も良かったけど、やっぱりRyo the Skywalker『One-Der Land Tour 2007』ですね。だって日本のレゲエDJのワンマン・ツアーのドキュメントじゃないですか。それ自体、歴史上初めての事なので押したいですね。ま、5.1chだったら尚の事良かったんですけどな。
 

【2007年のレゲエ・シーンを振り返って】
大石:日本のシーンで言えばダンスホールの枠に入らない人達が精力的に活動していたと思いますね。それとH-Manが今年やってきた事って現場にせよ音源にせよ普段のスタンスにせよ、すごくインパクトが強かったと思うんですよ。それが若いアーティストに刺激を与えて、さらに来年に繋がっていけば面白いと思います。
馬渕:大阪勢の若手の勢いの良さと活躍が面白かったのと、逆にヴェテラン勢と言えば作品がどれも充実度が高かったのが嬉しかったですね。希望としては、来年はまだ観た事の無いようなコアなショウを観てみたいですね。
藤澤:ジャマイカはもうStephen一色で、イケイケ系が勢いが良かったので彼らには来年も引き続き頑張って貰いたいですね。日本人は若手がどんどん出てきてて層が厚くなってきたんだなって思いますね。勿論人が増えた分、薄い部分も広くなったんだけど、増えた事は良しとしたいですね。
道正:ダンスに行くにしてもCDやレコードを買うにしてもレゲエというジャンルをトータルで聴くのではなくて、「俺は○○だけを聴く」といった感じで増々細分化が進んでますね。あと残念ながらジャマイカのプロデューサーやアーティスト達が次々と亡くなった年でもありましたね。
ジョゼ:久々にThe Skatalitesが来日してその時に感じたのはスカって古典ではなくて現在進行形のダンス・ミュージックだってことです。今年の日本のスカ・シーンは充電期間だとは思いますが、そこで溜めてたものが来年新しいスカ・ミュージックとして一気に放出されるんではないかと期待してます。
岡部:色んな人が色んな現場で新しい事を始めている気がしました。あとLittle Tempoの「ワイワイ祭り」もそうですが、「Soul Rebel」のスティクリ(Stico & Criss)みたいに新鮮なショウをもっともっと観たいと思いましたね。あと昨年期待したいと言った女性アーティストのアルバムを幾つか聴けたというのが私にとっては凄く大きくて、アワードを獲った2人の若手の元気な作品は本当に嬉しかったですね。ただどうしてもPushimのアルバムが良すぎるので、若手の女性達には彼女とはまた違った驚きを感じさせてくれる突き抜けた作品を生み出して欲しいですね。
Tanco: 実際にレゲエを演っている立場からの意見を言わせて貰いますね。まずCDが売れなくなったとは言え、これだけのCDがリリースされているんだという事実を今日知って驚きました(笑)。ただ実際、レゲエ・ファンがこれだけのタイトルの中からどれだけの作品を買ってくれるのかなという心配とこの先も聴いてくれるのかなという不安はあります。ただ実際はコアな人も増えるだろうし、裾野の人ももっと増えるんだろうと思ってます。そうした中で実際自分が何をやるべきか考えさせられましたね。ジャマイカはバッドマン系、ダンス系が強いなって改めて感じましたし、こうした現在進行形のダンスホールがこの先どうなるのか全く読めないからこそ来年もその先も楽しみでしょうがありません。


 
***SELECTORS***
●大石 始 /1年間に及ぶ世界放浪の果て、ライター業だけで生計を立てる決意を固め、本誌にもほぼ毎号執筆陣として名を連ねている。島音楽に向ける愛情は誰よりも熱い。
●岡部徳枝 /本誌は勿論、その他音楽専門誌からファッション誌に至るまでレゲエを中心に執筆。真摯な取材及び文章でアーティストからの信頼も厚い。
●ジョゼ斉藤 /CD配給会社勤務のライター。ジャマイカン・ミュージック全般に詳しいが、特にスカ、ロックステディ系がストライク。
●TANCO /Home Grownのリーダーであり、レゲエ界No.1ベーシストでありプロデューサーでもある。つまり彼ほどレゲエ・アーティストの一挙手一投足を見ている者は他にいない。
● 道正和行 /西新宿にてレコード店、Reggae Shop Natを運営。本誌では前号までLead The Leaderを担当。時代に関係なくジャマイカン・ミュージック全般に愛情を注ぐ。
● 藤澤“Mercury”正佳 /ジャマイカの現在の音を発信し続けるレコード・ショップRockers Island東京店店長。今ジャマイカで何が起こっているかを注視し続けダンスホール・シーンをホットに分析。
●馬渕信彦 /日本のダンスホール系アーティストを中心に積極的に取材を続ける若き音楽ライター。丁寧な取材による丁寧な文章は各方面から評判が高い。
●大場俊明 /本誌編集長。対談の人選から日取りの調整、リスト作り、司会進行、テープ起こし及び編集に至るまで何から何まで担当。


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