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309    ARTISTS    NANJAMAN

NANJAMAN
 
Text by Thunder Killa / Photo by Masaru Furuya
 


FEATUREING ARTISTS
設立から10数年。着実にリリースはしていたものの、7インチのみの音源が多かった爆音Syndicateレーベル初のコンピレーションCDが遂に完成! 当たりそうな若手の品評会的な内容のコンピが溢れる中、Nanjamanに共感するアーティストのみが集った“筋の通った”中身となった。
 
 名曲「行きたきゃ行け」の7インチ、そしてジャパニーズ・レゲエ・シーン初期の伝説のミックス・テープ 『Bumper Hit』をきっかけに設立された爆音Syndicateレーベル。Nanjamanのファースト・アルバムとなる『Straight Up』までは自身の作品をリリースするためのレーベルだったが…。
 「『Straight Up』のオケが結構良かってん。Bobby Digitalのところ行って“Hold On”や“A Yah Wi Deh”とか借りて来たりしてて、こんなオケ一人で使うのはもったいないな、と思ってて。(Syndicate Girlsの)Makiとかも『Bumper Hit』で知り合ってたし、Jr.(Dee)とか周りの連中に“録れへん?”みたいな話をし出したのが始まり。その後はシングルCD『World Leader』のオケを使ってEazzyやI-Pan(Dread)とかの作品を録音してん」(Nanjaman。以下発言は全て彼)
 
 自身の作品作りと平行して制作されていた作品群は7インチのみとして流通していたため、長くCD化が待望されていた曲も今回は嬉しい収録となった。そんな曲の1曲にJr.DeeとMr.Jayの「世界中でWar」がある。
 
 「オケの“A Yah Wi Deh”は『Straight Up』(収録)の“Soul Rebel”用にBobbyに借りに行って、その後ちょっと経ってから録った覚えがある。だから2002年頃。でも『Bumper Hit』にも入っていたから、爆音の作品としてはだいぶ古いね。もう足掛け10年前位に出てる(笑)」
 
 そんな懐かしい音源も入ってはいるが、半数近くは新録や、ここ2年程の録音で占められており、爆音ファミリーの顔ぶれもだいぶ新しくなった。
 
 「来る者は拒まず、去る者は追わずでやってんねんけど(笑)、レベルに達してて、こいつええやん、って思ったら出す。South Crewの、特に今回の“Dear Mama”のオケなんか、全然レゲエちゃうやん。だけど、レゲエって何かこうトラックやなくて考え方や思うから。で、あいつらは、自分らはヒップホップや言うてるけど、レゲエっぽいとこあると思うねん。だからあいつら録ったんや」
 
 驚くほど個性派揃いのメンツに、多種に渡るオケ。バラバラな曲揃いながらやはりそこにはプロデューサーであるNanjamanの“色”が濃く表れている。
 
 「最初はどんなもんになるか全然わからなかったけど、並べて聴いてみると、ええ感じやな、と(笑)。曲順も速いのを前に固めて、ミディアムは後ろにってはっきり分けたから聴き易いし、後半になっていくほどに濃くなって行く(笑)。なんとなく曲はバラバラやけど、考えみたいなの、みんないろんなリリック入ってるやん。だけど、オレの中では共通してるものがあんねんで。だからそんな違和感は無かったし、思ってたよりもまとまったものが出来たなと。中身は濃いけどね(笑)」
 
 そうなのだ。アーティストNanjamanに惹かれて集まって、このレーベルで録りたいと思ったメンツだから共通認識もきっちりしていて、それがこの雑多なコンピレーション盤に統一感を生み出しているのだ。
 
 そして10年越しのレーベル・コンピも出した爆音Syndicateのこれからの展開についても聞いてみた。
 「レーベルの基本方針として、とりあえず音楽のレーベルやからってのがまずあって。今やったら付加価値みたいなの求めてる人もおるやん? 映像が付いてるとか。そういう事はあんまり考えてない。あと、結構今ジャマイカばかり見てるようなヤツもおるやん? そやけどいいモンはいいモンで、例えば俺、ファンクとかも好きやし、ジャズでもええなぁと思う要素は取り入れていきたいねん。で、ジャマイカの真似ばかりで無いオケとかも、今まだそこまでやれてないけど、もっとオリジナリティ出して“モノマネやない!”みたいなレーベルにしたいね。あともっとスピード・アップ(笑)。年に一枚ずつ俺のアルバムとコンピを出して行く様にしたいね」
 
 最後にこの『Full Vibes』の聞きどころをレーベル・オーナーから語ってもらおう。
 「10数人のアーティストが参加してて、同じオケで何人か歌ってる。例えば“Full Vibes”のオケでも4人とか歌ってるやん。で、その一人ひとり、個性も違うわけやん。歌い回しとかも。そんなんで、「ああ、こう来るんや!」みたいなところも聞き比べて欲しいし。みんな色んなこと言うてるやん。 “何言うてんねん”みたいに思う曲もあるかも分からへんけど、気に入る曲もあると思うねん。で、この曲は好きや、この曲は嫌いや、みたいに知り合いと話し合って欲しいねん。例えばNoizeの曲(“Full Vibes”)にしても、ええって思うヤツばっかりじゃ無いやん、多分。何言ってるか分からんってヤツもおるやろうし、“オーッ!”ってめっちゃ共感するヤツもおるやろうし。でも、みんな思ってる事を必死こいてリリックにして、自分のフロウで歌ってるし、聴いたら元気になると思うよ。やっぱりそこが爆音Syndicateの基本。聴いて元気になるようなメッセージばっかりやから。嫌なことあった時とかは、ぜひ聞いて欲しいね」
 

"Full Vibes"
Nanjaman
[爆音Syndicate / BSCD-012]

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