CHEHON
Interview by Takashi Futatsugi / Photo by Bonzul
5月にBMGからリリースした「Likkle More〜めぐりEye」が全国のFMラジオでもスマッシュ・ヒットsしたChehon。注目度は増すばかりの彼だが、一歩一歩確かな足取りで前に進み続けているのはご存知の通り。そうしたタイミングでリリースされたシングル「韻波句徒」は、正に今現在の彼を端的に表現したナイス・チューンだ。
メジャーに行って最初のシングルが「Likkle More」やったんですけど、あの曲は自分の中では“濃い”というか…。そう、深みのあるリリックにしたくて。で、今度のはもうストレートな現場チューンというか。今はこれがやりたい!って感じのもんですね。シングルは今しかできんことの表現で、アルバムは長く残るもの、って考えなんですよ。だから、曲出す度に自分を、広げていきたい。やっぱり、7年間必死こいてやってきて、今さら違うことやれないというか、料理の免許とって車屋やるってわけにいかないんで、“自分がやってきたこと”が無駄になることはしたくなくて。ただ、結果は出さんといかんから、そういう葛藤もあるんスけど、それは自分の中での話であって、自分がこれや!というもんで勝負していきたくて。まあ別に変な押し付けとかもなく、レゲエを理解してはるスタッフとやれてるんでありがたいですね。「韻波句徒」のタイトルを漢字にしたのは、サビ書いてる時で…リリックの内容を表してるかな、と。オケはアイデアが先にあって、でZura君にお願いして。そしたらイメージ以上のもんが返ってきて。はっきり言って、ポップ感とかまるでないし、そこは狙わんかったんですけど、逆にこれがラジオとかあちこちでかかってくれたらおもろいなーと思うんスよ。
レゲエ知らん人からしたら「ナニコレ!?」、カルチャーショックもんでしょ(笑)。オケも変則やし。ただ、こういうタイプのリリックはライフ・スタイルそのまんまやからナンボでも書けるんですけど、ワード選びとかニュアンスの部分が逆に難かしくて。でも、かなり気に入ってますね。『エヴァンゲリオン』ファンなら分かるとこもあったり。実際好きなラインも多いんですけど…“こだわってやってきたHard Core つらぬき初めて商売繁盛”とか“ハードルが高い程かき立てられる衝動”…あ、“パンダに乗った犬に気をつけろ”もかな(笑)。そう、だからコレをメジャーで、シングルで出す意味は俺にとっては大きいですね。カップリングの他2曲もイケイケなんですけど、全部タイプ違うし。カツ君(=PamPam)オケの「Pon De Game」は、野球のネタで、って振られてて(笑)、レゲエの音で、レゲエのことを歌ってない…ようで、ゲームとかけてる感じッスね。NG(Head)君の草野球チームKing Sizeでやってるんですけど、やってみんと書けないですね。麻雀のネタとかもそうですけど。好きなもんやから書けるというか。もう1つの曲は『レゲエの達人』でやった「Power」の録り直しで、ライヴでも評判いいし、ってことで。
今後の予定としてはまず12/3に大阪Club I to Iでリリパをやるんですけど、新しいことをどんどんやっていきたいな、と思ってます。今回のアートワークやPVもそうですけど、新しい! おもろい! かっこいいやん!って、レゲエ分かってる人から、知らん人までに思って欲しいし。今CD売れないから、といって、しゃあないな、じゃなく出来ることを最大限考えて実行せな、と。(歌録りスタジオ)“初心”も、ダブや練習だけやなく本チャン録れるようにしたいし、オケも作れるようになりたいし。やりたいこと山積みです(笑)。やっぱし新しい世代やから、上の人たちに甘えんと自分らで核になるようなもん作らんと!と思ってます。それが、レゲエに対する姿勢やと思うんで。
"韻波句徒(インパクト)"
Chehon
[BMG / BVCR-19132]