(U KNOW)What the deal is
今月は、訃報が2つあった。アイザック・へイズ、本物のヘッズであれば彼を知らない者はいないし、知らなくても多くのヒップホップのトラックで彼の楽曲がサンプルされているので、そのサウンドを聞いた者も多いだろう。スタックス・レコードというメンフィスの名門レーベルで作曲をパートナーのデイヴィット・ポーターと共に手掛け、数々のヒットを書き、自らのソロ・アルバムでは独自の世界観と、サウンド、そしてソウル・ムーヴメントの中心人物の一人ともなった。その彼が8月10日、メンフィスの自宅の床で死亡しているのが見つかった。皮肉にも8月15日にスタックスの50周年を記念したイヴェントが行われる。65歳だった。もう一人は、シカゴ出身のコメディアン/俳優のバーニー・マック。前日の9日、肺炎をこじらせ亡くなった。Bボーイには彼が出演した映画、『Who Is The Man?』や『Friday』での存在感を知っているだろう。最近は『Ocean's 11』シリーズなどで、ハリウッドでも大物に昇格していたところだった。冥福を祈りたい。
●今月のジャム
ロックステディのポップマスター・フェーブルが主催するブロンクスはクロトナ・パークのジャムが今年も開催された。7月の毎週木曜日、オールド・スクールDJ達が昔ながらの公園でのジャムを行うシリーズのイヴェントで、今年もシオドロ、レッド・アラート、ジャジー・ジェイ、キャッシュ・マニー、ロード・フィネスなどが2つのターンテーブルをロックした。MC陣にビジー・ビー、キャズ、なんと、ペブリー・プーにTラ・ロックがマイクなどが登場、地元の昔のジャムを知らない子供から、高齢化が進むオリジナルのパーティ・ピープルが夏の夜を楽しんだ。殆どのDJがヴァイナルを使用するという最近では見られなくなった光景もリアル?
●今月のジャム2
そのクロトナ・パークのアフター・パーティとして、最終日にやはりブロンクスのレッド・ラウンジにてジャジー・ジェイが「Return To The True School」と銘打ったパーティを開いた。ライヴも行われ、ブランド・ニュビアン、Tラ・ロック、久しぶりのポジティヴKが、会場を大いに盛り上げた。$20という入場料は、時代の流れを感じさせずには居られなかった?
●今月のプロテスト
7月23日にアメリカのTVネットワーク、フォックスのオフィスの前で、フォックスが続ける大統領候補、バラック・オバマのネガティヴな報道に抗議する黒人を中心としたグループ、ムーヴオンとカラー・オヴ・チェンジという団体が集会を行った。彼等のスポークスマンによると、この集会は、フォックスはオバマ候補に対するコメントや、報道の仕方が人種差別的であり、今後そういったオバマ氏を中傷する様な報道を差し止めを要求する趣旨という。60万もの署名も集め、ナズもこの集会に参加し、違う形でマイクを握り、参加者を煽動した?
●今月の写真
白人ラッパー、パイオニアのロード・スカッチことライターでもあるキヨの41歳の誕生日を祝ったパーティのフライヤー。DJにボビートやロード・シアーなどが予定されている。しばらくのブランクを経て、モンスター・アイランドや初の!ソロ・アルバム等の録音を予定しているらしい?
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]