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306    COLUMN    UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Roy Shirley
 
 Greetings Friends,

●Joe Gibbsに続き、彼がプロデュースしたRoy Shirleyも7月に64歳で永眠した。この個性的なジャマイカ出身のロック・ステディ・シンガーは、UKに30年以上も居を構えていたのだ。情熱的なライヴで知られていたShirleyは“High Priest Of Soul”というニックネームが付けられ、1966年にGibbsによってレコーディングされた伝説的名曲「Hold Them」が代表曲。ちなみにShirleyの初ヒット曲もGibbsのプロデュースによるものだ。多少エキセントリックな人物であったが、UKで愛され続けてきたアーティストだった。優しい男だったし、ヴォーカリストとして実力もあったのだが、それに見合った名声を得ることなく去っていってしまった。
 
●1980年代に活躍したポップ・ユニットのThe Eurythmicsの1人、Dave Stewartが音頭をとったBarack Obamaを応援するミュージック・クリップ「American Prayer」にBuju Bantonが出演している。このアメリカ大統領選の民主党候補者のサポート・ソングはStewartとU2のBonoにより作曲された。Bujuの他にWhoopi Goldberg、Oprah Winfrey、Macy Gray、Beyonce、Cyndi Lauper、そしてKareem Abdul-Jabbarが出演している。このコラムが掲載される頃にはネットで見ることができるはずだ。
 
●Madonnaがニュー・アルバム『Hard Candy』からのシングル・カット「Give It To Me」のリミックスをSly & RobbieとCherine Andersonに依頼した。彼女はBritney Spearsの「Piece Of Me」で彼らが手掛けたリミックスの素晴らしさに感動したことが要因らしい。iTunesで同曲の“ボンゴ・ミックス”と“ラガ・ミックス”がダウンロウード可能だ。
 
●ジャマイカがUKから独立して今年で46年目になる。ジャマイカは英連邦に所属し、英国王室に忠誠を誓っている。しかし、明らかにアメリカのほうがUKよりも地理的に近いため、ジャマイカにアクセスしやすいのだから不思議なものだ。8月6日の独立記念日には、Kingstonの国立競技場で様々なミュージシャンが出演したライヴに加え、いつも通りの花火を含む記念セレモニーが行われた。だが、ジャマイカは記録的なインフレに加え暴力と犯罪が増加しているなど様々な問題を抱えていることも忘れてはならない。
 
●今年の初めに銃の所持および使用で逮捕されたDJ、Mavadoが不起訴になったようだ。どうやら事件の重要な目撃者(参考人)がジャマイカ国外に逃亡してしまったことが理由らしい。しかし依然として、彼はガイアナで“要注意人物”として同国政府からマークされている。そしてこれにより、彼が人気と名声を得た国、アメリカに入国することが難しくなったようだ。
 
●スイスのサウンド・システムMeditative Soundが、UKのサウンド・システムを4年間にわたって撮影した映像をDVDでリリースした。『Musically Mad』(Musical Riotレーベル)はUKのサウンド・システムの歴史を、ライヴの様子、ダブ・カルチャーに貢献した人々のインタビューなどで綴るドキュメンタリーだ。Fatman Sound、Iration Steppas、Mad Professor、Aba Shanti、King Shilohらの映像が収められている。それにLee Perryのクロニクラー、David KatzによるUKサウンド・システムの歴史を解説した16ページのブックレットも付属している。価格は15ポンドまたは20ユーロぐらいだと思う。
 
●フランス国内で強力なプロモーションを行ったWinston 'Electric Dread' McAnuffが10月に同国のツアーを行うことを発表した。今回のツアーは、彼にとって初となる、Earl 'Chinna' Smithを筆頭にした全員ジャマイカ人ミュージシャンのバンドで回るようだ。ツアーと同時期に発売されるClive 'Azul' Huntプロデュースの新譜『Nostradamus』も大いに期待できるだろう。
 
●Toots & The Maytals名義でリリースされているFrederick 'Toots' Hibbertの最近の作風は、1960〜70年代初期のソウルフルでゴスペルの影響を受けていた頃のものと比べると随分と変わった。しかし、Tootsがソウルを忘れたわけではない。彼の曲のテーマと一緒に音楽を創るパートナーの選択が、僕にとっては物足りないのだ。このコラムを執筆している時に、彼はSheryl CrowとJames Bluntのツアーに参加し北米の17都市をまわっている。彼の名を売るには絶好の機会だと思うし、Sheryl Crowとツアーするのはいいかもしれない。しかし、なぜBluntなのか? 僕は理解に苦しむ。Tootsはニュー・アルバムのグラミー賞ノミネートをねらっているのだろうか!
 
●シチリア出身のDJ&シンガー、AlborosieがShen Yeng Clanバンドと共にヨーロッパをツアー中だ。彼はジャマイカに移住して7年になる才能あるミュージシャン&エンジニア。このツアーは、彼の芸術的なタイトルを持つ待望の新譜『Soul Pirate』(彼自身のForward Recordingsレーベルよりリリース)のプロモーションも兼ねている。18トラックからなる新作では彼のプロデューサーとしての有能さと、ヴォーカリストとしての非凡さが結実しており、コンビネーション・チューンを含めた、数曲のヒットがすでに生まれている。
 
 Till Next Time, Take Care..........
 
(訳/Masaaki Otsuka)
 

Buju Banton

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