""Live Red with One Umbrella""
Text by Reiko NAGASE SMITH
「飲むなら自己責任で」
政党が変わっていろんな分野で変革がみられるジャマイカ。こんなところにも。
飲酒に年齢制限ができた。いままでジャマイカでは注意を払われなかった分野のようだけど。
ビーニ・マンの夏恒例ビッグ・ショウ「サマー・シズル」は、どのアーティストもウェルカム、と主催者ビーニが声高に前宣伝。残念ながらアライアンスの長、ボウンティ・キラーは出演できないことを事前に発表していたけど、幅広いアーティストが出演して今年もショウは大成功。ヨリが戻ったとの噂がある妻D'Angelも、ショウに参加。復活組はほかにもタービュランス&サシャとか。Look so。
だけど排斥されたのが、ジャマイカといえばのレッド・ストライプ。ショウの友、ジャマイカ国内イベントのスポンサー王である。
レッド・ストライプの会社D&Gの製品はすべてこのショウから排斥されたので、レッド・ストライプ・ライト、お馴染みのギネスやハイネケンまでこのイベントではお目にかけず。代用されたのはレッドブル、マグナム、アプルトン・ラム。
今年のはじめ、一部のダンスホールがもつ、社会性を欠いた暴力的リリックにレッド・ストライプが、ダンスホールのイベントのスポンサーを拒否。今年のサンフェスはレッド・ストライプなしで開催されることで話題になった。
ダンスホールに反対するものには反対するスタンスでいくしかないね、イマのダンスホール・キングのビーニとしてはね(余談;キングはイエロウマン、とつっこまれるところだけど)。強力スポンサーなしでショウを主催するのは正直しんどくて、それでもサポートしてくれたみんなに感謝するよ、とはビーニの弁。これに対してレッド・ストライプ側からはノーコメント。
近年試された自国新商品ビールも輸入ビールも、すべて市場から消滅していて、レッド・ストライプにギネス、ハイネケンの不動なる地位は、ジャマイカで今も昔も変わらない。
スピード違反の取り締まりは至るところで行われているけど、飲酒運転の取り締まりとか、実際に飲酒運転でつかまったってケースは聞かないし、一部のラム好きのお年寄りをのぞいては、ジャマイカ人さほどお酒に執着しないし。
ニンジャマンが、俺ならジャマイカの犯罪多発問題を2009年1月までに60%減少してみせる、と言う。もし、政府やパブリックのサポートを得られれば。
オリジナル・ドンゴーゴンは今年7月のサンフェス、ダンスホール・ナイトにて、「全ジャマイカ平和傘下運動」を発表。もしもビッグ・サポートが得られたら、6ヶ月以内に、サイフを道に落としても誰ももっていかないような社会にさせてみせるよ、と語る。
ノー・プロブレムのジャメーカにはいっぱい問題がつまってて、俺は解決法をもってるんだ。ジャマイカの人々は乱暴でヴァイオレンスな人たちじゃない、ただ、正しい方向に導くことが必要なんだ。
ポリスや政府、私企業や個々のジャマイカ人から必要なサポートを得られたら、人々のために雇用を供給できる。みながそれぞれ社会活動に参加してそれに従事すれば、犯罪にかかわるような時間はなくなるだろう。洗車、建築用ブロック工場や店舗など、働いて収入を得る術を確立できるよう援助したい。ニンジャの「ワン・アンブレラ運動」は、ビジネスが起動にのるまでモニターして、軌道にのったら個々にまかせる。ポリスも犯罪を少なくすることはできるだろうけど、俺のアンブレラ運動ほどじゃないよ。俺はかつて犯罪の真っ只中をとおりすぎてきたから、よくわかるんだ。このバッドマンの目から見たって女性や老人、子供を殺すなんて尋常じゃねえよ。
ニンジャマンは1999年に銃器違法所持で有罪となり、しばらく塀の中の男だったことがある。
犯罪にまみれたライフスタイルから遠ざかり、まっとうに生き、公衆からリスペクトされるまでに至ったことに感謝して、社会に還元したい。
アンブレラ運動が実現するかどうかはさておき、バッドマンDJの更正は、Blessed from head to toe。
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