Raw Singles
Text by Takanori Ishikawa
1. Vybz Kartel / Vybz Rum Punch (Pure Music)
オリジナルのジャグリン・トラック "Rum Punch"。全編でシンセ・ストリングスがメロディアス&ドラマティックに色どりを添える派手なサウンド。かなりポップなアレンジ。「オレは酒飲んで、楽しんで、何時でも盛り上がってるぜ」って内容の酔っ払いアンセム。アルコール飲料のCMソングみたいでもあります。
2. Munga & Don Corleon / Keep Wining (CE203)
Don Corleonがプロデューサーとしてだけでなく、客演参加したコンビネーション・チューン。「セクシーにワインしてくれよ」とストレートにアピールするシンプルなリリックス。ズッシリとしたベースのミディアム・ジャグリン "Chromium" 使用。
3. Movado / I'm So Special (TJ)
"Show Time" のリメイク最新ヴァージョンである "Unfinished Busi-ness"。ヴォイス・サンプリングや素晴しいリズム・パターンはオリジナルからの忠実な引用。煽るストリングス他をプラスして'08年型のワイルドなリメイクに仕上げている。「オレは全てにおいて特別な存在、誰もオレをジャマする事はできねぇぜ」って内容。
4. Serani / Never Gonna Stop (Hot Wire)
スロウなHip Hop系サウンド "Mid Night"。ファンキーな打ち込みビートとシアトリカルなキーボード。Seraniが最も得意とするタイプのトラックだ。「勝ち上がって、リッチになるまでオレは絶対に止めないぜ」と細い声で切々と歌い上げる。
5. Aidonia / Caan Beg (SSMG)
ガンマン・チューン。「オレは常に極悪非道、どんな事があっても遠慮せずにブッ放すぜ」ってリリックス。色気全くなしのソリッドなサウンドの "Close Casket"。"Mission" 系のアグレッシヴな打ち込みが特徴。同発のKartelもヤバいです。
6. Busy Signal / Kool It Down (SSMG)
こっちは別トラック "Free Style"。これが凄い。音数を極端に絞り、たった1つのリズム・パートだけで作られたトラック。ミニマリズムの極致。その上を軽々とスキルフルにDJするBusyも凄い。滑らかなフロウでワイン・ギャルを賞賛するDJ、サウンド共に超斬新なダンスホール・チューン。
7. Assassin & Sadiki / Money Machine (Board House)
Elephant Manの「Nuh Linga」が大ヒット中の当レーベル。これは別トラックの "Money Machine"。メロディアスなイントロから一転、タイトなドラムがグイグイとリードしていくオリジナル・トラック。金持ちで日々楽しく暮らしている自分達の事をリリックスに。
8. Etana / Love My Self (Cannon)
Bob Marley「Jah Live」のリメイク・トラック。生演奏でゆったりとグルーヴするオーセンティックな仕上り。以前よりも安定感が出てきた歌唱も良し。私は自分自身を愛する事の重要さを学んでいる、愛の素晴しさもという内容。
9. Tarrus Riley & Chalice / Good To Be There (Cannon)
Chaliceの同名曲をセルフ・リメイク。T.Rileyも見事にとけ込んでいて違和感は全くなし。ワンドロップの生演奏の上を両者が朗々と歌いまくる開放感に溢れた1曲。理想の土地を想う気持ちを歌詞にしたラスタマン・チューン。
10. Freddie McGregor / Sharing The Night Together (Big Ship)
これは久々の会心作でしょう。Freddieらしいスケールのデカい、スウィートな歌。Dr.Hookのカヴァー。ホーンもがっちり入っていて豪華、且つメロウなトラックもナイス。キーボードも良い仕事してます。ナイスなラヴァーズ・ソング。
11. Christpher Martin / One Dance (Keep Left)
ソフトなミディアム・オリジナル "Heart Strings"。ハープ(?)の音色をふんだんに使ったまろやかな音作りで、リムショットがアクセント。B面収録のBrick & Lace 「How Could You」もスウィート。
12. Jah Cure feat. Jr.Reid / Hot Long Time (Danger Zone)
いきなりのJr.Reid節とサイレン音でスタート。ヘヴィーなドラムとブリブリのベースラインで重厚に前進するスロウなオリジナル・トラック。バビロンへの怒りをタイトル通りに熱くぶつけるコンビネーション。Jah Cureも良いけどJr.Reidのってますね。
13. Alborosie & Etana / Blessing (Forward)
クリーンなルーツ・レゲエ・サウンド。これも全編生演奏です。ギターも泣きすぎず、弾きすぎず良い感じ。ベースのドライヴ感、コーラスと2人のコンビネーションもポップ。男女の誠実な愛の形を歌うラヴ・ソング。コテコテじゃない所も良いですね。
14. Konshens / Winner (Natural Blidge)
Sojahのメンバーがソロでリリース。かなりスロウなマイナー調トラック。リズム・パターンはアメリカン・ブラック・ミュージック系だけど、歌はどうしようもなくジャマイカな最近の必勝パタン。「オレはこれからガンガン金を稼いでのし上がっていくぜ。間違いないぜ」というリリックス。