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THE MAZE

DOMINO-KAT
THE FIRST MOVE
　　
Interview by Yusaku Toriiminam / Photo by iGa-c
　

　Ent Deal Leagueの先鋒、Domino-Katがソロ・アルバム『Double Six』を完成させた。都会の片隅のダンスホールを住処に選んだ野良猫によるこの1stは、現行のシーンを最も的確に表現した最高のダンスホール・アルバムだ。プロモーションに飛び回る彼に電話インタビューを試みた。
　
●今回のアルバムの制作はいつから？
Domino-Kat（以下D）：「Crocodile」から始めた感じだから去年の秋頃だね。今回のアルバムはあれ以降の歌ばっかりだからさ。普通、ファーストって今までの曲入れるじゃん？　でも俺の中ではあの曲からやっと出したい声が出せるようになったっていうのがあってさ。だから今回のアルバムはそれまでの曲、入れてないんだよね。
　
●出したい声っていうと、誰か目指してるアーティストがいたり…？
D：それは特にはいないかな。でも、俺はジャマイカンの最新の歌い方をしてるDJって日本にはあんまりいないって思ってて、そこを追っていきたくてさ。最先端のスタイルをみせたかったんだよね。声の出し方とか歌い方とか、今まで色々トライしてきて、今はやりたいことやれてると思ってる。
　
●やっぱり最先端に対するこだわりっていうのがある？
D：そうだね。トラックに関してもさ、やっぱり最先端の天才トラック・メーカー達に手伝ってもらって。「Love Dancehall」ってやつあるでしょ？　あれとかは「Everybody Dance」のRDXのRenegadeってやつだし。他にもLeft SideとかGeniusとかにやってもらって。あと日本からはDaddy Dragonは初めてのトライ。俺からの希望で。
　
●Dominoっていうとダウン・タウン＝下町っていうイメージもあったんだけど、今回のアルバムは何となく、それよりも都会的っていうか、東京な感じのイメージが強いような気がして。
D：今までは「下町」って言葉をよく使ってたじゃん？　でも、今回のアルバムではあんまりそれを言わないようにしてるんだよね。視野をひろげたいっていうのがあってさ。やっぱ出ていかないとだめじゃん？　「下町」って言わないでどこまで自分をだしていけるかが勝負って言うか。作品はさ、聴きやすくなってると思うよ。俺の作品ってなるとみんなもっとゴリゴリのを想像してたと思うからさ、聴きやすくするために気はつかったね。だって俺のアルバムなのにKen-Uからから始まるからね。なんかもう、シャギーでしょ (笑)。曲調のバランスとか、曲順もそう。よくできてると思うよ。
　
●今回のアルバム、制作はもちろん活発弾丸でだけど、そもそも彼らとの出会いはどんな感じだったの？　たしか前に「俺は拾われたネコだからね」って言ってたことがあったよね？
D：8年くらい前かな。それまではラップやってたんだけど、まわりから「それラバダブじゃん」とか言われてて。「へー、これラバダブって言うんだー」とか思ってたんだよね。それで地元のダンスとかによく行くようになってさ、そこでレイシー（・バレット）に声をかけてもらって。ヴァイブス・スカウト！って感じだね。俺、その頃、きったないドブネコだったからさ（笑）。すげぇ飲んだくれたりしてて。なんかもう、ネオ・ニートって感じでさ。で、そこを助けられてたって感じ。
　
●それはレイシーのみんなに？
D：そうなんだけど、ダンスホールに、でもあるかな。アルバムにもダンスホールへの愛情はでてるでしょ？
　
●それはすごく感じるね。そういえばDominoって、“レゲエ”って表現するより、“ダンスホール”って表現するよね。
D：確かにレゲエってあんまり言わないね。俺がやってるのはレゲエっていうよりダンスホールっていう意識がすげぇ強いからね。ダンスホールっていうと音楽としてだけじゃなくて、他にも色んな意味があると思うんだよね。俺が助けられたのはレゲエっていうよりダンスホールだと思ってる。
　
●そのニュアンスの違いはあるよね。ところでDominoってすごく踊るよね。自分のショーが終わってから、あんなに踊ってるアーティストって見たことなかったから、ほんとにダンスホールって場所が好きなんだなぁって思って。もしかして、日本で一番踊れるDJじゃないかなって。
D：俺はずっといるからさ、東京のダンスホールに。いつでも踊ってるからうまくなっていくんだよ、きっと。東京は元からダンス・シーンがアツいからね。それにジャマイカで今一番の曲をかけたりしたらやっぱりダンス・チューンじゃん？　「Flower」のPVは見てくれた？　あれもそうだけど、いつも一緒に踊ってるメンツで撮ってるんだよね。いつもあんな感じだよ。何かさ、ダンスホール推しのアーティストってあんまりいないじゃん？　だからさ、Akaneちゃんもあーいう感じに、ダンスホール直球な感じで参加してもらいたかったんだよね。俺がいるのはあくまでダンスホールだからさ。
　
●じゃあ最後にメッセージを。
D：今はホントにこのアルバムが可愛くってさ。これをとりあえずみんなに聞いてもらいたいな。届け！ 幸あれ！って感じで！　以上！　Boom！

　

"Double Six"
Domino-Kat
Rhythm Of Da Seasons / DODS-0006]