完成したばかりの3rdアルバム『A Message To…』のマスタリングに立会っていたルーボイを直撃! そこに込められたメッセージについて大いに語ってもらった。それにしてもこの男、暇さえあれば(音がなくても)“歌ってる”ような根っからのDeeJay、である…。 ●ソロ初のミニ・アルバム『Anthem』を出したのが6年前。キャリア的には既に10年位だよね。この間がむしゃらにやり続けてきたって感じ? Rudebwoy Face(以下R):がむしゃら、ッスね、まさに。とにかくレゲエが何より好きで、自分が一番カッコいいと信じて。ずっと一番年下だったから、色々言われましたけど。 ●改めて前2作を振り返ってみて、どう? R:1st(『Rudebwoy』)は凄えハードコア。トラックメイカーとかヒップホップの人たちが多かったから、よりハードコアになった。2nd(『Rudies』)は、より聴き易いハードコア。もっと色んなヒトに聴いてもらいたいな、と思って作ったんですよ。 ●ダブでもよく聴く「Ragga Ragga」の効果はやっぱりデカかった? R:ジャマイカでPVもかかってたみたいで。リリックでも言ってるニンジャマンもラガラガ歌ってたのには上がりましたね。やっぱり、効果デカかったっスね。 ●初のメジャー盤となる今回の3rdもその流れにありつつ、また新しいスタイルに挑んだ快作だね。硬軟のバランスがまた絶妙だし…。 R:ありがとうございます! 常に、予測できないスタイル、リディムでやるのがラガだと思うんで。トラックも生(バンド)と打ち込みのいい割合でやれたし。 ●ハーコー・サイドのイケイケなDeeJayも勿論かっこいいけど、Tanco、i-Watch制作曲の生ミディアムや、スカ・チューンとか、ライヴが楽しみな曲ばかりで。 R:やっぱりハーコーなのは皿のライヴ向け、というか完全に夜のクラブを想定してますけど、バンドの方は昼、野外でもやれるようなリリックが多くなりますね。皿もバンドもどっちも大切で。でも、バンドはレコーディングともまた違って、より興奮しますね。特にレゲエのバンドは特別だと思うし。 ●ライヴで一緒にやってるStoned Rockersとの曲もカッコイイよね! R:違った意味でコアな(笑)。その筋の人たちからは、俺はパンクみたいで。だから曲名もストレートに「Coremuffin」にしたんですよ(笑)。新境地ですね。 ●新境地といえば、Acoをフィーチュアした「Lovin' You」もそうだよね。この曲をリメイクしようと思ったのは? R:単純に昔から好きな曲で。そう、ジャネット・ケイのヴァージョンが。かあちゃんがよく口ずさんでたんですよ(笑)。だから今回やっと親孝行できたかな、と。俺のパートもちょっと歌っぽいし、新しいスタイルを築けたような…。Acoちゃんにお願いしたのは、ズバリ声質です。ミニー・リパートンのカヴァーとか聴いて、ヤバイ、ぴったりだと。実際しっくりきましたね。俺だけだと正直濃すぎるんで(笑)。Tancoさんのアレンジもツボで、もう言うことなしで。 ●もう1つのコンビ曲は、Mison-Bとの「Watch Out」だけど…。 R:Misonはレーベル・メイトでもあるんですけど、それ以前から注目してて。 ●地元大阪ではラバダブでアグレッシヴにマイク取りにいってるイメージ。 R:そう、現場馴れしてるし、センス抜群だし、絶対勝ち上がってくと思って。今回リリックは俺が書いて、とにかくかっこよく歌って欲しい、と。録りに立ち会ってて、ふと、プロデュースってこういうことかと気づきました(笑)。 ●ミックスはジャマイカが多い? R:そうですね。やっぱり、向こうのエンジニアに「言葉はわからないけど、お前はヤバイよ!」って言わせたいんで。昔、Pushimプロデュースのワン・ウェイ(『Music Is Mystic』)で「Warning」をやった時もそういう反響があったみたいだし、俺の中で一つの判断基準になってますね。あと、「Whoooi!!」は向こうに着いた日の夜に行ったダンスの興奮が冷めないうちに、次の日に録った曲で。だから、そんなVibesが出てると思います。本当に行くたびに思うんですよね、俺ってレゲエ・マニアだな〜って(笑)。未だ行く先々で、あ、誰々だ!って感動してますから。 ●そういえば今回、歌ったんだよね? R:トューパーのダンスに付いて行ったら、「ジャパニーズ歌え!」ってなって。もう、マショップした時の沸き方がハンパなくて!! 全部ひっくり返るくらい。結局3回呼び出されて。キャプテン・バーキーに褒めてもらえたのも嬉しくて。 ●しかし、このアルバムには夢が詰まってるよね。タイトル通り、というか。 R:そう“夢”がテーマなんですよ。俺自身まだ金持ちじゃないし、夢の途中だから自分に言い聞かせてるところもありますね。あと、レゲエやってる人じゃなくっても、「自分が信じたことをやり続けようぜ」とか、どの曲にもメッセージはありますね。ランボーみたいに大暴れしてるチューンにしてもそうで。 ●じゃあ最後に今後の目標を。 R:今回が初のメジャー盤なんですけど、逆にライヴ活動的にはアンダーグラウンドにより一層力を入れたいですね。いわゆる営業以外でもしっかりスキルを磨き続けたい。そろそろブームが去るとかどうこうといった噂もあるけど、そうした現場を固めてさえいれば揺るがないと俺は信じてるんで。あと、俺が先輩たちに憧れたように、これからのコたちの目標になれたらいいな、と。そして、抜かれないように頑張るだけです。
CATCH DI MESSAGE
Interview by Takashi Futatsugi / Photo by Miura
"A Message To..."
Rudebwoy Face
[Columbia / COCP-35025]