PUSHIM
RAINBOW
Text by Maki Kawaguchi / Photo by Ryu Tamagawa (FEMME)
今年に入ってYoungshimや倖田來未に楽曲を提供するなど積極的な活動をみせていたPushim。ただファンはそれだけでは満足出来きるわけもなく…。そんな期待に応えるべく、この潤い満ち溢れた新曲「RAINBOW」を完成。心に響く晴れやかなラヴ・ソングだ。
前作「HEY BOY」から11か月ぶりとなるPUSHIMのニュー・シングル「RAINBOW」は、盟友DJ HAZIMEとの共同プロデュースによる緩やかなラヴ・ソング。心から愛する人を前にして、自分の心がパッと晴れた瞬間を“虹”に喩えた珠玉のナンバーとなっており、その壮大で、しかしある意味「こじんまりとした」世界観には、恋をしたことのある人なら誰しもが共感するのではないだろうか。
「最初にサビの“I can see clearly now the rainbow〜”って歌詞がパッと出てきて、そこからどういう曲にしようかを考えて。私の曲で人生観を空の状況にたとえて歌った曲って意外と多いし、最近恋愛の曲を作ってないなと思ったから、それで虹とか空の話をするんじゃなくて、自分の心がパッと晴れた瞬間を“Rainbow”って置き換えたラヴ・ソングを作ったら面白いんじゃないかなと思ったの。けど、今回はぶっちゃけ『こういうことよくあるでしょー!』みたいな歌じゃなくて、むっちゃこじんまりした個人的な曲。みんなの同意を求めて作った曲では決してないんだよね。けど、こういう気持ちには誰でもなると思うし、同意は求めてないけど、少なからず共感してもらえる部分もあるんじゃないかな」
ラヴ・ソングといえども「あなたのことが好きで好きでたまらない!」と熱く歌ったナンバーではなく、ここで綴られているのは深い信頼関係で結ばれている男女の物語だ。しかしその深い絆が描かれたこの曲の世界観は「好き好き!」と歌ったナンバーよりもよっぽど熱く趣深いし、「あえてシンプルにした」というトラックだからこそ、そしておしつけがましくない歌詞だからこそ、PUSHIMが歌う一言一言は重みと説得力を持ってこちらに届く。
「人と付き合うと、相手によって自分がどういう人間かを知ったり、自分の良さを引き立ててくれるんだけど、一方で自分の悪いところも知ったりするじゃない? それが本当に信頼し合っている者同士の付き合いだと思うのね。そういう相手に対しては『好きやでー好きやでー』って言わんでも、違う表現方法で自分の愛情を示せると思うの。だからこの曲では『好き好き!』とは決して歌ってないし、その人を思うからこそ強くなれたりとか、成長出来たりとか、そういうことを書きたいと思った」
そしてカップリングにはジャマイカの有名レーベル、Fat Eyesを主宰するプロデューサー/エンジニアのリンフォード“ファッタ”マーシャルがジャマイカのトップ・ミュージシャン達を集めて制作したレゲエ・ミックスを収録。こちらはまさに“クイーン・オブ・ジャパニーズ・レゲエ”の面目躍如ともいうべきレゲエ・チューンに仕上がっており、これからの季節にピッタリの1曲となっている。こちらも必聴だ。
この曲を皮切りに、8月にはJING TENGとのコンビネーション「LOVE THIS MUSIC」を配信リリースし、その後も数々の楽曲リリースや、全国各地のレゲエ・フェスへの参加が続々と控えている。いよいよ今年もPUSHIMが臨戦態勢に入ったようである。
Rainbow
Pushim
[Ki/oon / KSCL-1261]