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THE MAZE

MOOMIN meets ZEEBRA
STREET HARMONY
　
Interview by Hazime Oishi / Photo by Hiroto Sakaguchi
　

新作インタヴューに続いては、スペシャルな対談をお届けしよう。相手となるのは、『すばらしい世界』収録の「ゆれるロマンス」で初競演したZeebra。レゲエ＆ヒップホップのシーンを長年牽引してきた２人の会話は、制作時のエピソードから両シーンへの思いへと広がっていった。
　
●お二人が初めて会ったのはいつ頃ですか？
Moomin（以下M）： 確かラジオの番組だったと思います。
Zeebra（以下Z）： 2000年ぐらいかな？　もちろんそれ以前にどこかの現場で紹介されて、挨拶はしてたと思うけど。
　
●お会いする前はお互いにどういった印象をお持ちだったんですか？
M： いやあ、もう、UBGとかキング・ギドラの頃から凄い人が出てきたなって思ってたし、作品もよく聴いてましたね。
Ｚ： 日本のレゲエのシンガーで「おっ！」って思わされたのは、実はMoominが最初だったんですよ。多分V.I.Pの『志』ってコンピを聴いた時で（註：Moominの「Moonlight Dancehall」を収録）、やっぱり女の子が聴いてもイイなと思えるタイプの、ちょっと甘い感じのアーティストも絶対必要だと思ってたから「おっ！　こんな人いるんだ？」って感じがあったんですよね。
　
●お二人が活動を始めた頃は、まだそれぞれのシーンの黎明期でしたよね。そうした時代にお互いやり始めていたわけだから、当時から共感を持っていた部分はあったんですか。
Ｚ： どちらかというと、メジャーで展開していった時にそういうものを感じたかな。Moominもひとつのシーンを背負って立ってる感じがしたし。
　
●ストリートの音楽をメジャーで展開していく時、どうやって形にしていくか。
Ｚ： そうそう。どうしてもメジャーに行けば紆余曲折があると思うんですよね。でも、Moominはメジャーのフィールドでちゃんとレゲエをやってるんだなって感じてて。
M： その頃って（レゲエやヒップホップなどのストリート・ミュージックが）CDになるって事自体が珍しい事だったし、だからこそ作品が出たらみんなチェックしてましたよね。もともとレゲエとヒップホップって凄く近かったこともあって、共通の知り合いも多かったしね。レゲエのDJスタイルもラップのスタイルもお互い意識し合ってるところがあるだろうし、（Zeebraさんも）リリックで結構レゲエっぽいフレーズを入れたりしてるでしょ。
Ｚ： もしも世界でヒップホップを禁じる法律が出来て、ラップしたら殺されるっていう事態になったら多分レゲエをやるね（笑）。
M： まあ（ヒップホップを聴いている人にとってもレゲエって）どこかにツボの部分があるのかもしれないよね。どっちとも韻を踏んだりしてるわけだし、今回みたいに同じトラック上で一緒に出来たりするわけだから。相性っていうか、食い合わせがいいんでしょうね。
　
●今回はMoominさんの「ゆれるロマンス」でZeebraさんがフィーチャーされているわけですが、どういった流れでこの曲に参加することになったんですか？
M： 歌自体は、僕が先に作ってたんですけど、（Zeebraさんが入ってもらう）イメージがあったんですよ。このオケを作った奴（Mista Shar）とも意見がバチッと合って、それでダメもとでお願いしたんです（笑）。大人の雰囲気というか、大人の説得力を出したかったら間違いないなって思って。
●Zeebraさんはこの話が来てどう思いました？
Ｚ： ぶっちゃけ、ヒップホップ〜レゲエ〜R&Bシーンでの初ビッグ・コラボは、かなり限られてきてると思うんですよ。それでいくと、かなりトップなところから話が来たから、「おー、来たー！」って（笑）。
　
●実際のレコーディングはどうでした？
M： 「ゆれるロマンス」って言葉がまずあって、その雰囲気をがっしりと支えてくれるというか、さらに持ち上げてくれる存在としてZeebraさんのイメージがあったんだけど、もうバッチリっすよねえ。フロウも想像していたものとはさらに違っていて、韻の踏み方も絶妙だし。レコーディングに立ち会えたのも凄く刺激になったし、おもしろかったですねえ。もう確実に間違いないところにズカンと入っていってくれるというかね。
Ｚ： 最近、自分も年齢的に重鎮になってきまして（笑）、コラボをする時に結構若い子とコラボすることが多いんですよね。そういうところで求められるものとは違う、もっと大人の曲になったよね。うちらも20代前半の子達と比べるとそこまで若々しくはないじゃないですか（笑）。でも、ちょっと成熟したものを見せるのには凄くいいタイミングだったんじゃないかな。
M： 今じゃアイドルでもラップするけど、ラップで心にグッとくる人ってなかなかいないと思う。凄くヴァイブスが伝わるというか、その世界観が見えるんですよね。レコーディング中もブースで見てて「スゲエなあ…」って。もう……本当に凄いんですよ（笑）。
　
●ライヴでの共演をぜひお願いしたいですね。
Ｍ＆Ｚ： ぜひぜひ（笑）。
Ｚ： できれば、お姉ちゃんと一緒に（笑）。
　
●そう言えば、Zeebraさんは、今年は活動20周年にあたるんですよね。
Ｚ： そうですね。9月に20周年記念のベスト盤を出す予定で、11月には武道館でワンマンをやろうと思ってます。あと、UBGをもう一度ちゃんと動かそうと思ってて、今、UBGとしてのストリート・アルバムを制作中で。こっちは8月中旬にはリリースできるかな。新録が1/3ぐらい、既発曲のリミックスが1/3のミックスCDのような内容で、結構おもしろいことになってますね。
M： 僕のほうは新しい曲を作りつつ、イヴェントにも参加して……夏フェスで一緒にできたらおもしろいですよね。
Ｚ： 内緒で突っ込むのとか絶対楽しいよね（笑）。
M： Zeebraさんが突然ステージに出てきたら、かなり美味しいですよ（笑）。

［Moomin情報→www.overheat.com］
［Zeebra情報→www.zeebra.jp］