Riddim | HAN-KUN / VOICE MAGICIAN

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HAN-KUN
VOICE MAGICIAN
　
Interview by Nobuhiko Mabuchi / Photo by Hei
　

湘南乃風の中でインパクトのある伸びのあるハイトーン・ヴォイスを聞かせてくれるHan-Kunが念願だったソロ・アルバム『Voice Magician』を完成。彼が愛し続けるレゲエ・ミュージックへの想いを試行錯誤の末、具現化した作品となった。多忙極める彼にインタビューを試みた。
　
●キャリア初となるソロ・アルバムを作り終えての感想から教えてください。
Han-Kun（以下H）：いちレゲエ・ディージェイとしての自己証明が出来たと思います。134％俺って感じですね。
　
●コンビネイションを収録しなかったのも、そんな想いから？
H：そうですね。最初はいろんな人とやりたいって気持ちもあったんですけど、一枚目のソロ作品だし…。あと、いろんなリズムを乗りこなせるアーティスト像が理想にあったので、そこに挑戦するいい機会かなと思って。
　
●では制作もラバダブ的な発想で？
H：音に反応してリリックを考えてフロウを作っていったので、特別意識したわけじゃないけどそうかもしれないですね。ライヴ感を出したいってコンセプトもあったし。
　
●今作はセルフ・プロデュースということですが、オケ作りも自分で進めていったんですか？
H：自分の中に流れる血とリズムを具現化したいって想いがあったので、バンドやエンジニアにイメージを伝える叩き台までは鍵盤を弾きながら自分で作りました。打ち込みの曲に関しては、自分が作ったオケのキックやスネアをジャマイカですり替えてもらったりって感じですね。
　
●バンドもジャマイカンに？
H：今回はすべてシャギーのバンドにお願いしたんですけど、１曲作った段階で「これだ！」って確信しましたね。土臭いド真ん中のダンスホール・レゲエを追求しつつ、洗練されたインターナショナルな雰囲気を音で表現できるバンドなので。「Journey」とか「Babylon」はみんなでセッションしながら作っていったんですけど、世界を見据えたシャギー・バンドの音楽感にはかなりインスパイアされましたね。
　
●イントロに続く「Hotter Than Hot」には“譲れない俺の美学”というリリックがありますが、この曲に込めた想いとは？
H：誰にも負けないくらいレゲエが好きって気持ちですね。レゲエやってる人ならみんなそうですよね（笑）。それに、制作に取りかかって最初に作った曲なんで、一番フレッシュなメッセージが詰まってると思います。
　
●「Reggae Man」や「Jamaica」といった楽曲にも、Han-Kunのレゲエ愛が詰まっていますよね？
H：リリックを書き出すと、結局そこに辿り着いちゃって（笑）。そこが自分の本音だったので。
　
●少し突っ込んで聞きますが、本音というと？
H：誤解を生むこともあるだろうけど、俺は俺。ただのレゲエ馬鹿なんで心配しないでくださいってことですね（笑）。
　
●ひとりのレゲエ・ディージェイであると？　
H：そこを改めて認識してもらうための作品でもあるし。もちろん応援してくれてる（湘南乃風の）メンバーには最大級の感謝をしてるけど、俺は俺としての立ち位置を確立したいって確固たる想いがあったので。
　
●その辺の想いとは、最後に収録されている「T.R.Y.」にも込められているのでしょうか？
H：この曲はインディーズの頃に作った曲で、現場では歌っていたんですけど、作品としては残してなくて。いつか出したいと思っていたんですけど、それが今だったのかなと。6〜7年前に書いたリリックだから今のトライって部分を歌ったほうがいいのかなとも考えたけど、昔の気持ちと今の気持ちをクロス・オーヴァーさせて歌うことに意味があると思って。この気持ちを最大限のせられるリズムを、シャギー・バンドと作っていった感じですね。
　
●パーソナルな成長があったからこそ取り組めた楽曲でもあると？
H：そうだと思います。今ならもっと巧いリリックが書けるんじゃないかって迷いもあったけど、今の俺が歌ったらどう伝わるのかを優先しました。
　
●今作を完成させて、武器が揃ったという感じですか？
H：そうですね。だから前よりも増してラバダブに出ようかなと（笑）。制作中はなかなか現場に足を運べなかったんで、これから本格始動っすね。
　
●機は熟したと？
H：熟したかどうかを、現場で確認してみたいと思います（笑）。
　
●9月からは初のソロ・ツアーが決定していますが、最後に意気込みを！
H：オリジナル・バンドでまわるんで、自分でも楽しみです。お互い最高の時間を過ごせたらいいなと思っているので、ぜひ遊びに来てください!!