浪花男
That's Entertainment
Interview by Takashi Futatsugi / Photo by Hiroto Sakaguchi
稀代のエンターテイナー、浪花男が、意外にも初めてプロデューサーとして制作したコンピレーション・アルバム『ジ・エンターテイナー』が完成。ばっちりなサウンドながらも他では味わえないクスクス感を微妙にまぶした本作、早速浪花男にインタヴュー。
●今回“NIN-REC”としてレーベルを再始動させた理由を教えて下さい。また“GEININ”レーベルとの明確な違いがあれば。
浪花男:レーベルを再始動させたのは、広がっていくジャパレゲ・シーンに必要とされたからです。お笑いとレゲエのクロスオーヴァー地点。その場所は私が古くから着陸している場所ですが、近頃ではブームによって大変多くの人を見かける様になり、それと同時に「なんでもあり」の時代に突入し、とても混乱しています。そこでもう少し音楽寄りに軌道修正できればと思い再びレーベルを始める事にしました。GEININとの違いは、GEI(芸)だけにとらわれずNIN(人)としての器で勝負したいと思ったからです。実際にGEININだとそういったお笑いのDee Jay達と同じにされて録音したがらないアーティストも多いので、これを機に変更させてもらいました。
●参加アーティストの選択基準について、何人か例を挙げて教えて下さい。
浪花男:どのアーティストも以前から目を付けていた方々で、今正に伸び盛りのDaisenやKing-K等を収録出来たのはツイてるなと。あとテポドン級のChop StickやHibikilla等も喜んで曲を投げてくれたのには涙が出そうで……リスペクト! (参加が決まった順は)GoroやEl Amazonが早い方やった様な……あとプリティー(・ランクス)も。プリティーはDUB上がり。まずうちのサウンド、Sound NaniwaのDUBを録ってそれが本チャンに…。祭華Unitedは街で拾ったし。その後、制作は都内に移って皆集めてドドーっと!!!
●プロデューサー浪速男として心がけた事は?
浪花男:強いて言えば今回“完全プロデュース”でやったんで、異常に細かい事まで確認しなきゃならず、ちょっと面倒くさいな〜、もうやめよと思った位ですかねえ。
●収録された13人の曲を連続で聴いてみて、改めてスタイルの多彩さ、リリックの面白さと言う部分でのそれぞれの“エンターテイナー”ぶりを感じたのですが、ご自身では本作の特性をどう捉えられてますか? 出来上がった時の感想を。
浪花男:日頃からリリースに関係なくレコーディングをしているのであまり完成感はなかったんですが、これを機に皆さんにまた搾り出してもらって、この調子で次回作をと…。という訳で全国からアーティストを募集してます。
●収録曲の中で特にぶっとばされたフレーズ、リリックを幾つか挙げて下さい。
浪花男:やっぱり「かんけね〜(ゴッパッピー)」でしょう。電話で話して何回も止めたんですよ、Gokiに……「絶対通らないから」って。でも実際はすんなりいっちゃた。わからんね〜世の中は…。
●レコーディング秘話、笑える、もしくは泣けるエピソードがあれば教えて下さい。
浪花男:色々ありましたが、その中でも一番の出来事は、私の隠し玉でもあった大車輪の二人組みが失踪してしまった事です…。一体彼らに何があり、何処へ行ってしまったんでしょう。どなたか、彼らを見かけたら是非ご一報下さい。
●浪花さんらしいラヴ・ソングの「今でも…」は “Far East” リズムと歌詞のどちらが先に出来たものだったのですか?
浪花男:リズムです。私はいつもリズムが先なんです。因みにこの詞は、私の中で「Sing」と呼ばれている技法(歌い方)です。
●最後に今のシーンには何が足りないと思いますか?
浪花男: 魂、Rebelなもの……じゃないでしょうか。
""The Entertainer"
浪花男
[Universal / UPCH-1582]