YASHIRO from HUNTER CHANCE
Interview & Photo by Father Gin (Cool Dread Promotion)/ Edited by Toshiaki Ohba
アンダーグラウンドからじわりと、だが確実に波及していく…そんな理想的なリディム“Crocodile”を生み出したHunter Chance Studio/あばれ馬レーベルのプロデューサー、Yashiro(写真左)。そしてYashiroと共にこのリディムを制作したChannel Links Bandのベーシストであり、あばれ馬のスタッフとしてYashiroと共に活動するTakuma(写真右)に話を聞いた。
●活動の第一歩目は確かサウンドだったよね?
Yashiro:Hunter Chanceとして初めてプレイしたのは、3年半位前、ここ(東京・阿佐ヶ谷の)Cool Dread Barです。確か2004年ですね。それからは、今でも毎月レギュラーでやってます。
●その後すぐにダブ・レコーディングやミックスCDを作り始めたけど、元々エンジニア志望だったのが要因のひとつだったのかな?
Yashiro:どちらかというとプロデューサー志望で、エンジニアもやって…という感じですね。凄く小さいMTRしか機材がない時から、自分の部屋をスタジオだって言い張ってて(笑)。
●ミックスCDを聞く限り、1作毎にスキル・アップしてるよね。とことんまで作り込めるスタジオを持っているってのが大きいのかな?
Yashiro:そうですね。サウンドだけじゃなくてスタジオとして見て欲しいという意識が強いんですよ。実際4作目の『御立岬』の曲は100%自分のスタジオで録りました。
●自分のスタジオにアーティストを呼んで録る訳だから、自分の意志も伝え易いよね?
Yashiro:毎回、毎曲、ぶつかり合ってます。でもその分、いい曲に仕上がっていると思うので。
●評判の“Crocodile”リディムの7インチ、そしてこのリディムの1ウェイ・アルバム『Crocodile』なんだけど、あばれ馬レーベルの第一弾でもある訳だよね。その一発目にこのリディムを持って来た理由は?
Yashiro:去年の10月から作り始めたんですけど、その時、とにかく伝えたい事があって、思い入れが強いんですよ。リディムに関しては僕とChannel Links Bandの共同制作です。
Takuma:ある時、彼と知り合って、すぐに仲良くなって。で、いきなり「リディム作ろう!」って言って来て。Yashiroが俺達に事細かにイメージを伝えてくれたんですぐに作れましたね。レコーディングもあっという間でした。
●参加アーティストの人選は?
Yashiro:最初、導楽の「Still In Love」のためにオケを作ったんだけど、出来が良かったから「これ、1ウェイ行けるっしょ?」って、面白いアーティストに声をかけて録音してったら10曲以 上貯まったんで。ただ結局、完成まで1年がかりになっちゃいました。
●1年がかりって事だけど、一番苦労した点と言うと?
Yashiro:ミックスです。歌録りも苦労したんですけど、みんな才能のある人なんでキッチリとハメてくれて。それらをどう生かすかで正直病みましたね。
Takuma:でも最終的なオケは、ひとつひとつの音のいい部分が出ててメンバー全員気に入ってます。BesやHibikillaのアルバムでもこのオケを使ってて別の人がミックスしてるんだけど、やっぱりYashiroのミックスが一番でしたね。
●もう次の展開も考えてるの?
Yashiro:今はマッカ・ペーのミニ・アルバムを作ってて。他にも笑連隊のアルバムだったり、ペータ・マンのミックスだったり。新しいリディムも頭の中ではもう何曲かアイデアはありますね。
●最後にこのアルバムの聞き所を。
Yashiro:リリックですね。心で聴いてくれ!って思ってます。
"Crocodile"
V.A.
[あばれ馬 / Sting / AUCD-001]