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297    COLUMN    UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Bim Sherman & Band In Cornwall
 
 Greetings Friends,
●Bim Shermanは1980年代後半から1990年代前半の間に、一部の熱狂的なファンを持つルーツ・レゲエ・アーティストから真の大スターへと変貌を遂げた人物だ。彼は様々なジャンルのアーティストとコラボレートしたことでも知られている。Bimのルーツ系サウンドが好きだったファンには、'90年代の彼の実験的なスタイルは肌に合わなかったかもしれない。しかし、独特の雰囲気を持った歌声に惹きつけられるファンはこれからも増えていくだろう。BimがEnglandに移住し、様々なスタイルの音楽に影響を受けたことは、同時代に活躍したアーティストとは一味違った音楽を生み出す一因になった。彼は移住後、UKを精力的にツアーでまわった。僕は、ルノーのEspaceというミニバンに彼とツアーメンバーを乗せ、Englandの南西部をドライバーとしてまわったことがある。わずか5年後には、彼は巨大なツアーバスで移動するようになり、スターの風格さえも備えるまでになったのだ。残念なことに彼は2000年にガンで亡くなってしまったが、彼の音楽は生き続けるだろう。最近、Pressure Soundsがリイシュー・シリーズでBimの歌声を甦らせている。『Tribulation; Down In Jamdown 1974-1979』は彼のジャマイカ時代に録音した20以上の楽曲(Big JoeやJah WooshのオリジナルDJヴァージョンのものも含む)を収めている。ほとんどの曲はBimが存命中にAdrian SherwoodのOn-Uレーベルからリリースされているのだが、現在それらは廃盤になってしまっているのだ。「Tribulation」「Golden Locks」「Weak Heart Men」などの名曲を、再び聴くことができて非常にうれしい。
 
●Pressure Soundsの最近リリースから紹介したいアイテムがもう一つある。Lee Perryのプロデユースによるアルバム『Native』だ。これは傑作というより“興味深い”作品と表現したほうがいいかもしれない。1977年にRockstoneにより録音された同作はジャマイカで最も有名な白人一家、Jobson家のWayneをヴォーカルに起用している。PerryがWayneと一緒に仕事をしたかった理由が面白い。彼はWayneを南アメリカの原住民、アラワック・インディアンであると、初対面の時に勘違いしたことが直接の理由らしいのだ。その後、Wayne JobsonはLos Angelesに移住し、Peter Toshの人生と死を描いた映画『Red X』を発表した。『Native』は、典型的なBlack Ark流のアレンジを施した歴史的価値のあるアルバムといえるだろう。
 
●質のいい音楽が頻繁には流通しない昨今、毎週日曜日の晩、Kiss FMでDavid Rodiganの番組で、オンエアされる曲の中にも興味を惹くものは少ない気がする。しかし、10月の最終週の同番組は実に面白かった。日本のNo.1サウンド、Mighty Crownが出演し、1991年からスタートした彼らの活動を、サウンド・クラッシュでの栄光と挫折を織り交ぜながら振り返る約90分のセットを披露したのだ。彼らがRodiganの番組に出演するのは初めてだったが、僕はその素晴らしい音楽のせいでラジオの前を離れることができなかった。MC SimonとSuper-GはBarrington Levy、Nicodemus、Leroy Sibbles、Wayne Wonder、Capleton、Sizzla、Half Pint、Frankie Paul、Sugar Minottらのダブ・プレートを矢継ぎ早にまわし、Rodiganは言葉を失うほど感心していたのだ。Mighty Crownには心から拍手を送りたい!
 

Wayne Wonder
 
●『Black Music』『Black Echoes』誌で執筆し、あまり長続きしなかった『Jah Ugliman』誌を創刊したジャーナリスト、Carl Gayleの行方は長い間謎に包まれていた。僕は、彼がジャマイカに移住し、まったくヒットしなかったシングルを発表したことまでは把握していたが、その後の彼についての情報は途絶えていたのだ。しかし最近、Gayleの活動が目立つようになってきている。彼はCarl-I名義でアルバム『Keep My Fire Burning』を制作。この作品は、ジャマイカの文化とラスファタリズムのルーツに興味がある、彼らしい一枚に仕上がっている。正直なところ、彼はシンガーとしての魅力に欠けるかもしれない。しかし、ナイヤビンギ・スタイルの「Closer Than A Brother」のようにスキルよりも情熱が必要なチューンに、全身全霊をかけて取り組む姿勢には心を打つものがある。
 
●Shaggyの「It's A Mad Mad World」は、彼の最近の曲中で最高の出来だろう。SizzlaとCollie Buddzが参加したこのチューンは、Shaggyによる現実をストレートに投影したハードなリリックとキャッチーなメロディーが印象的だ。この曲は、テクニックと才能がある者たちにより創られた、感情がギッシリと詰まった傑作だと思う。
 
●Mark RonsonとAmy Winehouseによる「Valerie」(Amy Winehouseのデビュー・アルバム収録曲の同名曲ではなく、Ronsonの最新アルバムに収録されている曲のほうだ)がレゲエ・スタイルのリミックスを施され、頻繁にラジオでかかっている。僕の趣味には少々ライト(ポップでエレクトリックな感じが)過ぎるのだが、Amyの歌声がミックスに絶妙にマッチしていて、最近のお気に入り曲のひとつになっている。
 
●BrixtonをベースにしていたCoxsone Outer-nationalサウンドシステムが、かつて活動していた仲間たちと共に復活した。11月2日に復活のショーがあり、FatmanとKing Tubbysもフル・メンバー&セットでパーティに加わった。クローゼットほどもあるあの巨大なスピーカーを擁するサウンドが甦ったのだ!

 Till Next Time, Take Care......
(訳/Masaaki Otsuka)

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