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THE MAZE

Moomin
Live Tour 2007 "Sowaka" at Shibuya O-East 11.11.2007
　
Text by Takeshi Miyauchi / Photo by Kobayashi Taxi
　

ミックスCD『MOOMIX』も好評のMOOMINの最新オリジナル・アルバム『SOWAKA』のレコ発ツアー最終日の東京公演は、レゲエ・シンガーとして歩んできたMOOMINの歴史の集大成であり、彼が切り開いたエヴァーグリーンな歌い手としての未来をつなげる充実した夜となった。
　
　最新オリジナル・アルバム『SOWAKA』の発売を記念した、全国ツアー最終日。渋谷O-Eastには早い時間にも関わらず多くのオーディエンスが押しかけていた。SUNSETがアツく煽るサウンドに揺れつつ、ビールを片手に思い返せば、MOOMIN単独のステージを最後に観戦したのは、数年前だったなあと気付く。そんな久しぶりのMOOMINのワンマンだったが、その内容は感慨深いものであった。何より胸を打たれたのは、MOOMINという存在が、レゲエのファウンデーションは確固と残しながらも、その枠を超越するエヴァーグリーンな魅力を湛えたシンガーとして充実の域へと達しようとしている事実だ。デビューしてから早10年以上、山あり谷ありのシーンの中で確実な歩みを進めてきた。この日のライヴは、そんな彼のこれまでの日々を軽やかに綴ったような「山あり谷ありライトステップ」〜「I Have A Dream」という流れでスタート。
　
井上陽水「リバーサイドホテル」のカヴァーは妖しいダウンビートへと変貌。「長い夜」「No No No」「サウンドゲリラ」と硬軟・甘辛を巧みに歌い分け、いよいよ最初のゲストZEBRAMANが登場。「Rise Again」では、MOOMINも負けじと低音ヴォーカル＆ラガマフィンで対抗し、両者ドロー。大人の色香を漂わせる「禁断の森」に続き、デビュー当時から歌い継がれる「歩いて行こう」で、オーディエンスも巻き込んで大合唱。２組目のゲストYOYO-Cは、「その瞳はミステリアス」「S.P.A.C.E」の2曲で息のあったコンビネーションを披露。
　
「White Night」「陽炎」をしっとりと聴かせたあとは、いよいよパーティタイム。下町のプリンスKEN-Uとの「Run Di Place」の熱演に続いて、安全地帯の「悲しみにさよなら」をRYO the SKYWALKERとカヴァー。さらにRYOはフリースタイルでMOOMIN賛歌を聴かせ、大いにフロアを盛り上げた。「Goodness」に続き、永遠の名曲ソウル・チューン「Time Is On My Side」で会場中をロックし、人との出逢いと別れがもたらす心の力強さを歌い上げる「One Big Road」で本編は終わるも、アンコールに応えて再びMOOMIN登場！
　
「栽培したい〜世界中で〜」「Moonlight Dancehall」と新旧の代表曲をじっくり聴かせた後、盟友PUSHIMが登場！　名曲「One Song」で絶妙の掛け合いを魅せると、ステージにはさらにサプライズなゲストChozen Lee（FIRE BALL）が飛び入りでマイクを握り、最高潮の盛り上がりに。ラストはすべての世代の人たちに向けたポジティヴ・チューン「ネバギバ」の大合唱でライヴは終了。「自分の環境を“掃除”して身を清めて、“感謝”の気持ちを忘れずに、そして“笑って”生きていこう」という、SOWAKAなる言葉に込めたMOOMINの思いが随所にこぼれ落ちる、さわやかな心持ちになれた一夜だった。
　　
"Moomix"
Moomin
[Universal / UPCI-1073]


"Sowaka"
Moomin
[Universal / UPCI-1062]