Alpha & Omega
Interview & Text by Ras Seki Eastern Judah & Ras Ume Liberation Asher
イギリス人であり、女性でありながら、UKのレゲエ・シーンで90年代初頭よりその才能・実力を認められたアーティストAlpha & OmegaのChristineと、ツアーDJとして同行したJonah Dan。ライヴ前の2人に話を聞いた。
●日本の印象はどう?
Christine(以下C):まず暑くてびっくりしたわ。今年のイギリスは寒いくらいだから。今回こうして2度目の来日が出来て嬉しく思うわ。
●遠い日本でUKレゲエ・シーンが受け入れられている事についてどう思いますか?
C:色々な国でプレイして来たけれど、確かに日本は遠いわね。初来日の時(2年前)はどの様になるのか想像もつかなかったけど、遠いこの地で受け入れられている事に感謝しているわ。
●それにはどの様な要因があると思う?
C:レゲエはヒストリー、そして哲学なの。まさにJah Guidanceね。
●音楽活動を始めたきっかけは?
C:若い頃イースト・ロンドンのウエスト・インディーズのコミュニティで育ったの。若かったし時代的にパンクなんかにも影響されたわ。だけど徐々に宗教や哲学などに興味が出てルーツ・レゲエを聴き始めた。その後、今のパートナーのJohnと出会い音を作りだしたの。Jah Shaka等にどんどんのめり込んで行ったわ。思えば当時のShakaのダンスには今活躍中のミュージシャン達が大勢顔を出していたわ。Dub Judah、Russ D、Aba Shanti等、みんなShakaというパイオニアに影響されたのよ。
Christineも語っていたが、まず単に音楽という所から始まり、次第にRoots & Cultureの持つスピリチュアルな世界の虜になってしまうのだ。A&Oの初期作品は、旧約聖書のストーリーをそのまま音楽にしたような独特な印象で、正にチャンティング・ミュージックなのだ。しかしここ数年のA&Oの音に変化が見られる。新たにJonah Danがプロデュースに加わり全体の雰囲気が変わってきた。それについてChristineに訊いてみた。
C:80s、90sと音楽を作り続けて来て時代と共に変化しているのは確かだわ。ただ中心はブレてないのよ。あなたはどちらが良いと思う?
●以前の音はA&Oそのものだったけど、今は見事にそれをヴァージョン・アップさせた感じでとても良いと思うよ。ベテランのシンガー(Lee Perry、Gregory Issacs等)をフューチャーした最近の作品は新旧の融合で、すごく幅が広がった様に思える。初期の頃から参加しているヴォーカルのNishkaについて聞きたいんだけど?
C:彼女は育児に専念していて今は一緒に活動をしてないの。
A&OはChristineとJohnがメインのUnitだが、Nishka、Dub Judah等、作品毎にヴォーカルをフューチャーし、中でもNishkaは魅力的な声の持ち主で、初期の頃からファンは多い。
それでは今回、ツアーDJとして共に来日したJonah Danにも話しを聞いてみよう。
Jonah Dan(以下J):俺はサウス・ヨークシャーで生まれたが、9歳の時ドミニカに移り住んだ。その時隣に住んでいたボンゴマンにボンゴを習ったんだ(彼はUKでは第一人者なのだ)。70年代にロンドンに戻り、兄とサウンドを始めた。その後、Jah Shaka等に影響を受け、次第にラスタファリズムに傾倒して行った。70年代後半にやっていたバンドRoots Foundationが制作活動の始まりだ。その後は、様々なミュージシャンとコラボレートし、シンガー、プロデューサー、として今に至る。
彼が96年にリリースした「Meditaition Rock」は、ルーツ・サウンドのフェイヴァリットとなっている。
90年代ShakaやAbaのダンスではA&Oの曲がヘヴィ・ローテでプレイされていた。ラスタを含む多くに認められた存在が彼女なのである。
●作品を作る上で重要視している事はなんですか?
C:特にシステムで自分がプレイする事を考えて作っている訳ではないわ。メディテーションをして感じたヴァイヴスを作品に込めるようにしているわ。
●最後にお二人の今までの作品の中で最も印象深いのは何ですか?
C:「Watch & Pray」
J:Shades Of Black (J.Dan & Paul Fox)「Sounds Of Time」
"Watch & Pray" |