(U KNOW)What the deal is
よくヨーロッパの人々に、「日本はなぜ一つの政党がずっと政権を握っているんだ?」と聞かれるが、(民主党が居るから必ずしも正しくないけど)確かにそう考えると、おかしな話である。我々はすっかりそれに慣れてしまっているが、ヨーロッパ諸国はまだ社会主義の党や、労働党が存在する。ブルジョアと労働者のバランスは、そうやって保たれているのだろう。しかしながらアメリカの大統領候補の話を聞いていると、日本と変わらない。党が違っても基本的に公約は同じ様な内容。イラク戦争に関して以外は、ほとんどが似たり寄ったりで、誰がなっても何も変わらない。せめて、環境問題に取り組もうと言っている候補も、若い世代へのスタントにしか見えないのは、俺だけ?
●今月のジャム
ハーレム・ホップなる公園での野外ジャムが7月31日から、ハーレムはマーカス・ガーヴィ公園で夏いっぱい行われている。“Bボーイ、Bガールの為の野外イヴェント”と銘打たれているだけあり、音楽の内容も70年代、80年代を彷佛させるセレクションで、DJ陣はレッド・アラート、グランドマスター・カズ、スティーヴD、ジャジー・ジェイなどがプレイしている。8月後半まで毎週やっているので、NYに来る予定がある人は、カレンダーに印を?
●今月のジャム2
8月6日に毎年行われているマーティン・ルーサー・キング牧師のコンサート・シリーズに今年は、復帰の噂が流れるローリン・ヒルが出演した。既に日本やロンドンでテストを兼ねてコンサートを行っている彼女だが、アメリカでは様々な噂と下馬評が流れ、なかなかその現在の全貌が見えないが、活動休止前と変わらない生真面目なマナーが、現在のヒップホップ・シーンとは微妙なコントラストを描いていた?
●今月のジャム3
「Live At BBQ」なるフリー・コンサートがブルックリンはダンボで8月4日に行われた。当初はラージ・プロフェッサー、チャム、クリプス、ミムス、ブランド・ニュビアンというライン・アップだったが、飛び入りでLLクールJ、ロックス、コモンが出演し、炎天下の中、我慢強く参加していたオーディエンスを喜ばせた。ロード・ジャマー抜きのブランド・ニュビアンスのパフォーマンスは、特に圧巻で、警察とのトラブルが続いていたサダトXも、健在とNYのファンにアピールしていた?
●今月のジャム3
ニュージャージーはニューアークでもフリー・コンサートがリンカーン・パークで行われた。ホストにエンド・オヴ・ウィーク、ボビートを迎え、EPMD、KG抜きで再結成されたノーティ・バイ・ネイチャー、ロブ・スウィフト、Qバート、デイナ・デーン、キース・マリー、ビズ・マーキー、ラスカス、ソウル・ソニック・フォース(!)、プラネット・エイジア、などが出演。ラヴ・バグ・スタースキーもDJを務め、新旧アーティストの目録みたいなショウの連続だった。メリー・メルの飛び入りもあり、またまた炎天下のオーディエンスも暑さを忘れ、オールド・スクールのビートに揺れていた。一応、NYから締め出されたロック・ステディのアニヴァーサリーの一部と報道されていたのだが、本当?
●今月の法廷費用
ストレス・マガジンの編集長を経て、CNNのヒップホップ番などを務めたライターのアラン・ケットが、昨年NY市警の不法な捜査で逮捕されたが、彼の法廷費用を集める目的で、NYのライター達が立ち上がった。「Walls Belong To Us」と銘打たれたこのイヴェントには、フィラデルフィアのライター、コーンブレッド、パート、フューチュラ、ココ144、リー、Tキッド、メア、コープ2、クラッシュ、デイズ、などのそうそうたるメンバーの最近の作品や、過去の作品がブルックリンのパワーハウス・アリーナに展示され、オークションとなった。収益は全てケットの法廷費用、弁護士などの経費に使われるそうだ?
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]