Raw Singles
Text by Takanori Ishikawa
1. QQ / Walk out (Seanizzle)
歯切れの良いビートに華やかでキャッチーなストリングスを絡ませたオリジナル・ジャグリン "Problem" 。当レーベルからのヒット・トラック "Reverse" と系統的には一緒だけど、よりクールな仕上がりの最新型。女子を煽りまくるホット・ギャル・アンセム。
2. Beenie Man / Ziggy Zar (Seanizzle)
"Problem" 使用。「ザーザーガ ザーザ ジキジキ ゾウ」の連呼が日本でもウケそうなシンプルな展開。新しい流行言葉をネタにしたリリックス。トレンド・セッターである事もアピールの娯楽作。洗練されたサウンドとピッタリのスキルフルなDJは流石。
3. Richie Stephens Feat. Tony Matterhorn & Blacker / Time Of Her Life (Pot Of Gold)
MatterhornのMCから幕を開ける異色コンビネーション。前半はサウンドもRichieの歌も80'sフレイヴァーがプンプン、その後一気にダンサブルに曲調が変化。女性がダンスを楽しんで、人生を謳歌している様子を賛美する内容。元気一杯のポジティヴなリリックスとパワフルなトラックがベスト・マッチ。
4. Munga / Whine Pon It (Caspa)
今回もエフェクトをかけまくったヴォーカル・パートがリード。イキの良さが全面に出た快活なDJ。オリジナリティの自然な表出と言いましょうか、ナチュラルな個性ですね。オリジナル・ジャグリン "The Banner" 。セクシャルなギャル・チューン。
5. Munga / Blast (Ice Burg)
オリジナル・ジャグリン "Step Off" 。フックの煽情的なシンセが非常に効いています。対応するMungaも燃えるヤング・ラスタの本領発揮。終始力強いDJで吠える、吠える。最高の出来のアグレッシヴなトラックと相まって前のめりになる1曲。
6. Sizzla / Buh Bad Mind (Kalashinkou)
すごい名前のニュー・レーベルから。"Sleng Teng" を超変形させたような "Next Level" リズム。オリジナリティあり過ぎの独特なキーボード&打ち込みが斬新。ジャマイカならではです。ハイテンションのBad Mind攻撃歌。
7. Busy Signal / The Days (Daseca)
前回紹介したMunga「Take My Place」も良いけど、本作も負けずにヤバい。サグなHip Hopサウンドのクールな迫力でヒタヒタと。抑制された語り口でジャマイカの厳しい現状をリリックスに。子供達の未来を心配せざるを得ない過酷な現状をDJ。
8. Rihanna Feat. Vybz Kartel
/ Umbrella Remix (Black Chiney)
オリジナルのWickedなドラムを中心としたサウンドを完全なダンスホールに変身させた美味しい1曲。ビシビシ決まるビートに変幻自在のKartelが絡む。Rihannaの歌がオリジナルより生き生きしている様に聞こえるのも不思議。又違った表情を引き出す事に成功した好リミックスだ。
9. Wayne Wonder / L.O.V.E. (Black Chiney)
Collie Buddz「Tomorrow Another Day」と同じトラックを使用したニュー・リリース。U- Roy真似のイントロから進行するスロー&メロウなGoodサウンド。良く動くベースが特徴。私達はお互いに愛を与え合わなくてはという内容をスウィートに歌唱。
10. Jah Cure / To Your Arms Of Love (VP)
"Fresh Ear" の "Guardian Angel" を使用。相変わらず絞り出すような歌声で切々と歌うラヴ・ソング。「どれほど君を愛しているか、君なしではいられないんだよ」という心情をストレートにリリックスにした彼らしいチューン。
11. Bitty Mclean / Sound Boy Killer (Peckings)
Heptones「Fighting To The Top」(Studio One)のトラックをそのまま使用。Tony Screw大先生(Down Beat)のダブは超カッコイイですよね。「Each Night Before You〜?」のサウンド・チューン。A面収録の「Brother Man」も鳥ハダもので激最高。
12. Peter Hunnigale / Mary Jane (Peckings)
超ヴェテランUKシンガー新曲。往年のUKラヴァース全盛期から変わらぬ艶のあるヴォーカルで贈るダブル・ミーニング・ソング。B面収録「Over Come」はDay Dreamingな正調UKラヴァーズ・サウンドで、こっちもバッチリ。
13. John Mclean / Loving You (Peckings)
こちらもヴェテラン。少し枯れた歌声でじっくりと聞かすラヴ・ソング。酒脱なメロディ・センスを味わえる渋い1曲。トラックは名ロック・ステディ、Techniquesの「It's You I Love」(Treasure Isle)をそのまま使用。目の付けどころが違いますね。
14. Bunny Wailer / Duppy Gun (Solomonic)
何と御大のシングル新譜。良い意味で変わらない人ですね。若々しい歌声で、銃を使ったヴァイオレンスを批判。無意味な殺し合いにアンチを訴えるメッセージ・ソング。オリジナルのトラックもいいっすよ。B面も新曲の「Where Were You」収録。Wailer節が十分に味わえます。