MUNEHIRO
Power OF " LIMITED "
Interview by Naohiro Moro / Photo by Akira Kitajima
もうすっかりレゲエ好きの間では馴染みのアーティストとなったシンガーMUNEHIRO。元々その存在感はメジャー級なのだが、今回、その彼女がメジャー・デビューを果たし、サード・アルバム『Limited』をリリースた。ことレゲエに関してはピュアな情熱を傾け続け、タフな女を目指す彼女の本音の話を聞いて欲しい。
●レゲエ・アーティストとして活動開始して3年経過した訳ですけど、この3年間はどうでしたか?
MUNEHIRO(以下M):昔、12〜3年前に東京に出て来た時の気持ちを思い出して、ひたすら若返ってました。何か、新しい目標が出来たりして、それが自分をパワフルにさせてくれたな、ていう感じです。
●今回、メジャーのレコード会社に移籍されたのは、どんな経緯なんですか?
M:私としてはメジャー云々にはあまり理由はなくて、とにかくずっと(音楽活動を)続けて行きたくて。今までは芸能の事務所の人に手伝ってもらってたんやけど、これ以上、こっちが本格化すると手伝ってもらう訳にもいかなくなってきて。それで回りの友達に声かけて自分の事務所を立ち上げて、音楽活動に関しては、芸能の事務所を独立させてもらってやる事になったんです。そんなタイミングで今のレコード会社さんからお話頂いて。私はインディーズでも全く良かったんやけど、そういう事より、回りで動いてくれるスタッフが増えて欲しかったんで決めました。
● じゃあ、芸能の方の仕事のペースは落とさずに続けてるんですか?
M:もう若干落ちてますね(笑)。でも今は歌に情熱が向かっているから、これをやらせてもらえないと自分のモチベーションも下がるし、これをやる事が、絶対芸能のパワーにもつながるから、って話もして。
●今回のアルバムはイントロやインタールードで時間がモチーフになっていて、MUNEHIROさんが、芸能人である自分との間で、まだレゲエ・シンガーでいたいのに起きなきゃいけない、っていう葛藤を表現されてるのかな、って思ったんですけど。
M:そうです。何かMUNEHIROでいられる時が、ムッチャ楽しくて、芸能人である事を忘れてるんです。私がレゲエにハマったんが、ジャパレゲのミックス・テープを聴いて、そのリリックに共感してなんですけど、何でここまでハマったんかというと、現場で私を全然芸能人扱いしないでくれるレゲエの人達が、地元の人達みたいで本当に心地良かったんです。何か東京に来てから無くしたものを取り戻せたみたいな気持ちになれて。普通に「あの時のラバダブ全然ダメじゃん」みたいにダメ出しもしてくれるし、そこに愛情も感じるし。彼らの不良っぽい感じとか、気取らない土臭い感じとかも好きやし。でも芸能を今までやって来てお世話になった人もいれば、それをやってたからこそレゲエに出会えたいうんもあるし、そんな中で1回、自分の中で整理してみたんです。そしたら今までの芸能の仕事もやり甲斐があるし、新たに見つけた情熱を傾けられるレゲエもそうやし、それやったら大変だけど両方やり続ける方がヤバいんちゃうの、っていう答が出て、限られた中でもそれを続ける、ていう意味を込めて『Limited』ってタイトルにしたんです。
●結構、芸能の事についても話してもらっちゃいましたけど、良かったんですかね? 全然隠れてないけど、一応隠してる風じゃないですか(笑)。
M:隠してますよ、今でも(笑)。『Riddim』だからです。他じゃ全然こんな事、話してないし。
●ありがとうございます。じゃあ、そんな『Riddim』読者にメッセージをお願いします。
M:ライヴも、CDもそうなんですけど、一番素直な自分を出してるつもりなんで、そんな事を感じてもらえたら嬉しいです。
『Limited』
Munehiro
[Universal / UMCF-1005]