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Collie Buddz
Come Aroubd
 
Interview by Minako Ikeshiro
 

昨年、「Come Around」のスマッシュ・ヒットで、シーンに彗星の如く現れたのがレペゼン・バミューダのカリー・バッズだ。セルフ・タイトルのデビュー・アルバムは、正統派のレゲエと他ジャンルのエッセンスをうまく融合させたパワフルな一枚だ。
 
●ニュー・オーリンズ生まれでバミューダ育ちだそうですが、レゲエに触れたのはいつ頃ですか?
カリー・バッズ(以下C):兄の影響で最初に好きになった音楽がレゲエなんだ。子供の頃はジャマイカのサウンド・システムのテープをよく聴いていたよ。俺はキラマンジャロのファンだった。リッキー・チューパーは今でも好きだね。学校の帰りにレコード・ショップにかけつけて入ったばかりのジャロのテープを買ってたな。バウンティー・キラーやビーニ・マンのアルバムもよく聴いていたね。
 
●アルバムのプロモをしつつ、コア・シーンに付いていくのは難しいのでは?
C:レゲエ・マーケットは回転が速いから、乗り遅れないように気をつけている。ジャマイカのアーティストほどはたくさん曲を作れないけど、動向にはいつも気を配っている。
 
●フロリダでエンジニアリングを学んだそうですが、アルバムは自分でミックスしたの?
C:2曲を除いて自分でやった。ブースから出てからボードに向かってミックスして、またブースに戻るんだ。スタジオの中を一人でかけずり回っていたから、いいエクササイズにもなったと思う(笑)。
 
●デビューまでの経緯を教えて下さい。
C:高校を出てから2000年にマイアミに行って、エンジニアの学校に行ったんだ。翌年の11月に卒業して、その後2年がかりでバミューダにスタジオを作って曲作りをしていた。トロントでエンジニアの勉強をしていた兄から仕事のオファーをもらったから、俺も行ったら、紹介してくれるはずの先生がクビになって話がなくなったんだ。バミューダの工事現場で働いて貯めた金が尽きてヤバくなった時にソニーから話が来たんだ。「Movin' On」はその時の苦労を歌った曲だよ。トロントで仕事が見つからなくて、金がなくて米しか食えなかったり、それも尽きて道で持ち物を売ったりしていたんだよね。俺は負けを認めないタイプだから、バミューダに帰って親に金をせびることだけはしたくなかった。
 
●「Tomorrow's Another Day」もメッセージ性が高い曲ですね。
C:トロントでクラブの帰りにストリートで体を売ろうとしている女の子達を見てショックを受けた時に作った曲だ。若くて綺麗な子達が、何でそんなことするんだろうって。その時の思いをブラック・チャイニーが作ったリディムを聞いて思い出したんだ。
 
●アルバム全体のテーマはありますか?
C:全体をカヴァーするような大きいテーマはないよ。それぞれの曲に独立したテーマを持たせるようにはしたけれど。あとはバミューダのスラングを意味が通じる程度に使うことを心がけた。
 
●「Mamacita」でソカを取り入れてますね。
C:ソカはカリブの音楽だから、レプリゼントしようと思ったんだ。俺はソカの大ファンではないけど、アルバムに違うフレーバーを入れたかったし。女の子ウケもいいし。
 
●ケヴィン・リトルの「Turn Me On」に似ていると指摘されませんか?
C:元々、スタジオであれこれ遊んでいるうちに出来た曲で、確かにケヴィン・リトルの曲に似ていたから、ちゃんとパブリッシングの一部を渡すようにクレジットしているよ。
 
●ホーム・スタジオは今でも活用しています?
C:以前はキーボードやMP3を使ってプロダクションに時間をかけていたけど、今はプロモで忙しいから時間を見つけて出来る範囲でやってる、って感じかな。キーボードは結構得意なんだ。4年くらいピアノのレッスンを取っていたしね。俺が音楽好きなのを見て、母さんがやらせてくれたんだけど、トラック作りに役立っているから良かったよ。
 
●今後、組んでみたいプロデューサーは?
C:コクソン・ドッド。なーんてね。スタジオ・ワンのトラックを使った曲は絶対に作りたいと思っている。
 
●「Come Around」はジャマイカでもヒットしましたが、現地での反応はいかがでした?
C:去年の4月に初めて行ったんだけど、クラブのアサイラムで「Come Around」がウケた時はやっぱり嬉しかったな。「Champions inna Action」に出た時は出番が「Sticky」が当たっていたQQの次だったから、みんなじーっと耳を傾けている感じで、正直、ウケたとは言い難い。ボトルを投げられなかっただけ良かったよ。まぁ、洗礼に近い体験だったね(笑)。
 
●ほかの雑誌のインタヴューで「レゲエ・アーティスト同士仲良くすべきだ」と発言していましたが、受け入れられづらい雰囲気があったのでしょうか?
C:いや。別にみんな感じ悪くないし、お互いにリスペクトを持って接していて、ネガティヴな感じを受けたことはない。あの発言は、プロモーションの面でもっとお互いを助け合った方がいいと思って言ったんだ。
 
●バミューダはジャマイカと全然違うんですよね。
C:同じカリブの島だから、気候とか似てるけど違いの方が大きいね。バミューダにも貧富の差はあるけど、キングストンみたいなゲットーはないし。
 
●次の展開は何でしょう?
C:ハーパーズ・デジタルというレーベルを運営しているんだ。アルバムに参加しているローチが所属しているから、もっと力を入れたいね。
  
『Collie Buddz』
Collie Buddz

[Sony / SICP-1572]

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