Bagdad Cafe The trench town
Interview by Masaaki Okino / Photo by Teppei Kishida
“Love”をテーマとした5thアルバム『Satisfaction』を7月にリリースしたばかりのBAGDAD CAFE THE trench townが、間髪置かずにダンスホール・アーティスト10名を起用したアルバム『Meets The Reggae〜Passing Point〜』をリリース。中心となって制作を手掛けたRaitaくん(Guitar)に今作について語って頂いた。
●今回のアルバムの構想は?
Raita(以下R):ダンスホールは好きだし興味はありましたが、これまでのバグダッドの活動の中でダンスホール・アーティストとリンクするタイミングは余りなかったのです。Ryo the Skywalkerさんの『How To Hunt In The Bush 2』にMaiちゃんが参加したのがきっかけでその後Red SpiderのMix CD『曝走エンジェル』にダブで参加したり、そういうリンクができはじめて、バグダッドのリズム・トラックにダンスホール・アーティストをフィーチャーした作品を作ろうということになりました。同じリズムでも複数のアーティストの別曲として生まれ変わるというのは一般的なバグダッドのリスナーからすれば不思議なことに思えるかもしれません。僕たちのサウンドはラヴァーズ・ロックやルーツっぽいイメージがあると思いますが、僕たちの中ではダンスホールもダブも全てレゲエと捉えているので、これもレゲエなんだ、レゲエにはこういう面白さもあるんだ、というのを広く伝えたかったという想いもあります。
●各アーティストとはどうやって制作していきましたか?
R:まずは元となる4曲のリズム・トラックを各アーティストに聴いてもらって、後は電話やメールなどでやりとりをしながら。Maiちゃんのパートも全て歌詞を変えて歌い直しました。今回は自由にスタジオを活用できたので歌入れからミックスまで僕が中心となってアーティストと共に作っていきました。
●初めて他のアーティストをフィーチャーしてみてどうでしたか?
R:すごく楽しかったし勉強になりました。僕たちはバンドであって歌や楽器ソロ・パートなども含めて曲を作っていくのが普通なのですが、DJの方はやはり「リズム・トラック」として捉えているのだなと感じました。例えばChehonくんはオルガンのソロ部分でもガンガン韻を踏んで歌うし、僕たちが抱く曲に対するイメージとは違う受け止めかたで音を聴いているのだなと思いました。
●どの曲も、それぞれの持ち味が活かされた仕上がりになっていますね。
R:それこそがダンスホールというか、Dinosaurは原曲のイメージをシリアスなリリックで攻めてきている感じですし、RyoさんやMoominさんは「Everything」という原曲の世界をさらに拡げた素晴らしいリリックを書いてくれました。一番最初にできたのがRankin Taxiさんの曲だったのですが、おかげでアルバム制作に勢いがつきました。
●最後にこのアルバムについて一言。
R:ゴリゴリのダンスホールという訳でもない、かといってバグダッドそのものでもない、そういう微妙な匙加減がどちら側から聴いても面白いと思える作品です。そして僕たちの新しいステップの一歩となるだろう意欲的で強力なアルバムになったと思います。
『Satisfaction』
[Victor / VICL-62432]
「Meets The Reggae〜Passing Point〜」
[Victor / VICL-62584]