今年の野外レゲエ・フェスを締めくくる "Soul Rebel 2006" 開催!

SOUL REBEL 2009

今年の野外ダンスは例年にも増して全国各地で大小様々なレゲエ・フェスが開催された。ざっと数えてみると4月の「Okinawa Reggae Festa」から始まり約25カ所にも及ぶ。5月、6月は比較的少なかったが、7月からほぼ毎週末全国各地で開催され、どこの会場も多くの観客で埋め尽くされていた。去年以上にアーティストの事、サウンドの事、何よりレゲエ・フェスの楽しみ方を分ってきた観客がそれぞれのオシャレをし、お気に入りの出演者のグッズを手にして野外ダンスを満喫しているように伺えた。また初めてこうしたレゲエ・フェスに来たと思しき人も多く、地道ながら着々とレゲエ・ミュージックが日本に浸透してきた事を実感した。

今年最も話題となった野外レゲエ・フェスと言えば「横浜レゲエ祭」だろう。年々大きくなるこの祭は遂に会場を横浜スタジアムに移し3万人を動員した。同じく関西を代表するビッグ・フェス「Highest Mountain」も舞洲で晴天のもと2万5千人を動員し大成功を収めた。

さて、そんな夏中続いていた日本人レゲエ・アーティストの野外レゲエ・フェスの最後を締めくくる、オーバーヒートによる“オリジナル”野外レゲエ・フェス「Soul Rebel 2006」が10月9日、今年も東京の日比谷野外大音楽堂で行われた。

当日は爽快なまでの秋晴れ。会場を埋め尽くす3千人のオーディエンス。まずSunsetが会場を徐々に温めていく。Dizzyがマイクを持つと一気に会場はヒートアップ。それに追い打ちをかけるBam Bamのセレクション。会場が熱気に包まれた頃にHome Grownが登場。そしてMCを務めるDJ Banaが今年のトップ・アーティストを呼び込み本格的にショウがスタート。

一番手は大阪からやってきたスウィート・ヴォイス・シンガーJing Teng。これからの活躍に大いに期待を抱かせるステージングで会場を暖かい空気に包んでくれた。続く2番手は、横浜からGuan Chaiの登場。初出演と思いきや6年前にPapa Bのステージに上がったとの事。今回は何とその時と同じ衣装を着てのパフォーマンス。ステージ向かって右側の厚生労働省に向かって3千人とガンショット片手に「いばんじゃねー! いばんじゃねー!」。最後の曲でJing Tengを呼び込み「Up & Down」を披露。続いて番長=Boy-Kenの登場。同門Shiba-Yankeeをゲストで招き客を休ませる事なくアゲ続けた。続いて我らがRankin Taxiが名曲「実の娘をナンパ」を実の娘を目の前に熱唱。勢いは止まらず何をするかと思いきや、ステージ上で三点倒立! そして第一部トリを飾るのはJumbo Maatch、Takafin、Boxer Kid from Mighty Jam Rock。ド頭から全開のステージングは圧巻の一言。

会場の熱気はピークのまま再びSunsetの登場。オーディエンスに休ませる間を与えず更にアゲるアゲる。この日の野音は天井知らずの如くヒートアップ。ショーケース第二部に突入!の前にオーバーヒートのボス、EC登場。映画『Ruffn' Tuff』の宣伝の他にも「オーバーヒートが最初に野音でコンサートをやったのが21年前!」という多数を占める若い観客には殆ど知られていない話等、貴重な話を聞かせてくれた。

いよいよ第二部、トップでステージに立ったのはRyo the Skywalker。いきなり「Seize The Day」を3千人と共に大合唱し会場が一体となった。続いて今年唯一の女性アーティストとなったPushimがアカペラを交えて感情のこもった歌声を聴かせ、会場にいる全ての人がその歌声に酔いしれたはず。続くH-Manの登場で会場は一瞬にして「レゲエ馬鹿道場」に早変わり。予測不可能なステージングから飛び出すコール&レスポンスでオーディエンスはこの日何度目か分からぬピークへと持って行かれた。そして、トリを飾ったのは今年デビュー10周年を迎えたMoomin。途中ゲストで再びRyo the Skywalker、そしてYoyo-Cを向かえ、貫禄すら感じさせるステージングと甘い歌声で会場は暖かい空気に包まれた。大歓声に応えてのフィナーレは、出演者全員がステージに上がり、「Oasis」〜「Irie Music」〜ラバダブで会場の興奮はピークのまま終演を迎えた。

「Soul Rebel」が終わると同時に、あるアーティストは遅めの夏休みを取り、あるアーティストは新曲の制作に入り、あるアーティストはそのまま全国ツアーに入るとの事で、レゲエ・ファンのみならず、アーティストにとっても一年の節目にあたる。そして一年後の「Soul Rebel」では、更にスキル・アップしたアーティスト達が今年以上に会場をわかしてくれるだろう。

Text by Hiroyuki yoshida from Riddim 284