● '01年にレーベル、Zion Highを立ち上げてミニ・アルバム『Nuff Respect』『I&I Train』、シングル「焼津港」、アルバム『One Big Family』をリリースしていますが、今回新たにKiteki Muzikを立ち上げての作品ですね。この違いは?
Papa U-Gee(以下P):Zion HighはZion High Playazと俺とでやってるレーベルで、バンド色が強いですね。それと平行して新たに作ったこのレーベルでは自分個人で自分の意志だけで進めて行くレーベルですね。
● ソロ名義だし、タイトルが『Inna Dancehall』という事で嬉しい驚きもあったのですが。特にタイトル曲と「Dancehall Community」はタイトル通りのダンスホール讃歌で。'90年前後にダンスホールど真ん中で活動していた頃を知っている人ならニヤリとしてしまうでしょうね。
P:もうこういうのやらないんじゃねえか、って思われてたところもあるだろうし、今現在の若者達はジャップジャムとかV.I.Pとかで出してた頃の俺を知らないだろうしね。そういう人達に自分のスタイルとかメッセージを聴かせるためにもってのもあるし。最初の原点……サウンドシステムでのラバダブ・スタイルだね、そういうところに戻して表現したいってのもあったしね。
● この2曲はKon "MPC" Kenさん制作のトラックですね。
P:やっぱり音が太いですね。今回プロトゥールスの機材を入手してデモをOK手前まで作ったんですよ。でもそれをOKにしてしまうと全て自分になってしまう。自分は歌い手でトラックはトラックメイカーにやって貰いたくて。で、「誰に?」ってなったらKon Kenしかいないなって。ジャマイカのエンジニアも「こりゃいいなあ」って認めてましたね。
● 「Oh Mama」「Go To The West」「Arigato」はどれもU-Geeさんならではの普遍的なメッセージですね。
P:やっぱりダンスホール・コミュニティのユース達に感じて欲しくて『Inna Dancehall』というタイトルなのにミディアム・テンポとかアコースティックな曲を入れたんですけど。ダンスホールって俺にとってはレゲエ・ミュージック全てだと思ってるから。レゲエはひとつだって事を伝えていきたいですね。去年Cool Wise Menの『Unity』にも参加したけど、その時もそれを凄く感じたしね。
● サウンド的にはまず「Go To The West」でHorsemouthのドラムが力強くてびっくりしたんですが。
P:やっぱり17〜18歳の時に映画『Rockers』に衝撃受けて更にレゲエが好きになって、やっぱりずっと憧れていましたからね。間違いなかったです。パーカッションのHarry Tも長年やって貰いたかったし、Dean Fraserも彼のサックスが入ったら全然曲が変わっちゃって「神様〜!」って感じでしたね(笑)。Bobby "Digital" Dixonも確実なミックスしてくれたし、Colin "Bulby" Yorkもまた頼みたいって出来でしたね。コーラスもDean Fraserのコーラス隊に頼んで、彼女らに凄いきれいな声で「アリガトウ」って唄って貰って。このコーラスを聴いてみんなにドキっとして貰いたいですね。
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