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PRINCESS GONE ...THE SAGA BED / JAH MASON [VP / VPCD1723] ケープルトンそっくりの歌いまわしが持ち味のラスタ派DJ、ジャー・メイソンの最新作。アルバム・タイトルは現場で人気のビッグ・チューン「My Princess Gone」から。全曲生演奏、ルーツ・マナーに則ったオーソドックスなトラックばかりで新旧のルーツ・レゲエ・ファンにアピール大。ビッグ・ヒットに恵まれていないので知名度はイマイチだが、実は8年のキャリアを持つ中堅どころのDJである。[輸入盤](小池信一) |
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PHANTOM WAR / LUTAN FYAH [GREENSLEEVES / GRELCD290] 以前よりヨーロッパ方面でも注目度が高かったLutan Fyah。最近シングルのリリースも増え日本のコアなファンの間でも注目度が上がっているようです。大雑把に言えば一時期のシズラやジュニア・ケリーなどに通じるスタイルのDJですが、さり気なく心の琴線に触れるような節回しが上手く、やんわりと、でもグイグイ引き込んで来る感じは彼ならではの味じゃないでしょうか。これはかなりの傑作。[輸入盤](鎌田和美) |
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SAVE US OH JAH / COCOA TEA[VP / VP1736] ヴェテラン・シンガー、ココ・ティ久々の新作。プロデュースはXterminator。暖かみを強く感じる唄声で、時に熱く歌い、時に優しく囁くように歌われるメロディが無駄無くタフな音と合わさり、非の打ちどころがない。全体的に渋いモダン・ルーツですが、やはりヴェテランだけの説得力があります。本作だけに限らないし、下手な言い方ですが、この人の唄は「これぞレゲエだ」って感じがしますね。[輸入盤](鎌田和美)てくる好盤。[輸入盤](磯野カツオ) |
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WALTERHOUSE REDEMPTION / SIZZLA [GREENSLEEVES / GRELCD291] 噂になっていたシズラ meets キング・ジャミーのアルバムが遂に解禁! つまり80年代のレゲエ・シーンを常にリードし、長きに渡りヒット曲を量産してきたジャミーによる時代を超えて愛され続けているリディムにシズラが臨むという企画ものだが、両者の相性の良さは想像以上だった。ジャミーズ世代ならばイントロでのけぞり、そこにシズラの声が乗った瞬間、膝をポンと打つはず。老いも若きも聴くべし。[輸入盤](大場俊明) |
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FASO KANOU / MANJUL [HUMBLE ARK / 6126152] 以前にも増してレゲエは色んな場所に顔を覗かせている。違う文化と混ざり合い互いに刺激を与え新しい何かが生まれています。西アフリカの民族楽器をふんだんに取り入れたManjulのデビュー作は、音楽の旅が好きな方にぴったりのメニュー満載ですよ。楽器の音色と響きに改めて着目すると、音に慣れてしまった自分の心が洗われて、どんどん耳が生き生きしてくる。このセンス、聞き逃しちゃいけませんよ。[輸入盤](磯野カツオ) |
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ルーツ・トニック/ルーツ・トニック・ミーツ・ビル・ラズウェル [ビート / ロアール / BRRR-8297] 日本でもブレイクの兆しをみせているレゲエ・シンガー、Matis-yahuのバックを務めるバンド、それがルーツ・トニックです。あまり音数を詰め込む事なく聴き手に想像させる隙間を見事に作り出しています。全曲人力ダブ街道まっしぐら、言葉いらず。アグレッシヴな音楽ではあるけど、全くくどくない、つまりさりげなく酔わせる一級品とカツオは認定いたしました。生演奏、旬の味を召し上がれ。(磯野カツオ) |
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ニュー・ヘヴィ/ダブ・トリオ [ビート / ロアール / BRRR-8298] 約2年ぶりの新作です。タイトルが示す通り、前作よりヘヴィ度がかなり高くなっています。ダブを基礎として、3人の目指す表現の幅はさらに広くなり、時空を駆け巡っているかのように聞こえてきます。誤解を恐れずに言えば、今作はレゲエとは呼べないでしょう。時よりメタリックなギター音も登場、フリースタイルが身上、みんなが知っているダブからはみ出す事もしばしば、されどダブ・トリオ。(磯野カツオ) |
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レア・ダブ 1970-1971/オーガスタス・パブロ・ミーツ・リー・ペリー&ザ・ウェイラーズ・バンド [P-ヴァイン/PCD-2642] 未発表の優れた作品を続々と発掘し続けている70'sルーツ復刻レーベル、ジャマイカン・サウンドの最新作。「ソウル・レベル」「コンクリート・ジャングル」などのリー・ペリー・プロデュースによるウェイラーズ音源をバックに、パブロがピアニカをフィーチャーしたトンデモないシロモノ。レア度はかなり高く筋金入りのルーツ・マニアにはオススメするが、そこはかとない内容でパブロ作品としては中レベル。(小池信一) |
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スティル・グロウイング/スピナ・ビル [ヴァージン/TOCT-26032] 3枚のアルバムと1枚のライヴ盤を残し、惜しまれつつも解散したSpinna B-ill & The Cavemansだが、その後B-illはケンジ・ジャマーとコラボレーションをしたりとマイペースで活動をしてきた。そうした小休止が彼にとってどう影響を及ぼしたかがよく分かるソロ第一弾。「クラシックなもの」というテーマ通り、幹が太く無駄のない手作りな作品集。これこそが彼のスタイルと一番マッチしているのではないだろうか。(大場俊明) |
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リディム・バンディッツ/フリスコ [ラストラム/LACD-0090] レゲエにおけるトラックの再利用という手法の面白さに様々なジャンルのアーティストが気づき始めたようだが、フリスコのようなバンドで試してみるのも勿論それはアリだ。昨年の秋にリリースした『Melodyline』から上質なチューンを2曲チョイスし、彼らが「ぜひに」と頼んだアーティストにマイクを託した6曲とそのオリジナル曲を収録。ランキン・タクシーからG.Rinaまで全く違和感なく楽しめるのも面白い。(大場俊明) |
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トゥルーリー/マチャコ [スピードEX/SX14-0003] 長きに渡り様々なプロデューサーからラヴコールを受け多くの作品を残してきた名古屋を拠点に活動するフィメール・レゲエ・シンガー、マチャコが初のセルフ・プロデュース作を制作した。つまり彼女が長年描いていたであろう自身のヴィジョンが詰まった作品集なのだが、全く気負いは感じられずスムーズな形でまとまっている。気心知れた森俊也の他、ディーン・フレイザー他、トップ・アーティストが多数参加。(大場俊明) |
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ミュージック/メティス [ブルージャック/BJRC-2] 広島出身のフィメール・シンガー、メティスによる『アンサー』に続くミニ・アルバム第二弾。まだまだコアなレゲエ・シーンにおいては知名度こそないが、この歌唱方法はメティスならではのものだろう。今回は前作以上に様々なタイプのリズムや歌い回しに挑戦しているが、やはり練り込まれて作られたであろうタイトル曲での歌唱が一番しっくりきているのは確か。無理をせずゆっくり成長して欲しい。(大場俊明) |
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ソー・アメイジン/クリスティ−ナ・ミリアン [ユニバーサル/UICL-9034]] 2年ぶりの3作目。カラフルかつジューシーな広い層への訴求、そしてソウル・ネタやダーティ・サウスといったエッジィな手管。クール&ドレによりこの相反するふたつの方向性が高次元で交わる様は実に痛快だ。そしてそこへの彼女によるキュートで華もたっぷりな歌の絡みっぷりも最高! ヒップホップがポップ・ミュージックとしての市民権を得たことの意味合いを、あらためて噛み締めさせてくれる作品だ。(石澤伸行) |
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イン・マイ・マインド/ヘザー・ヘッドリー [BMG/BVCP-21474] 3年ぶりの2作目。ジャム&ルイス、ウォーリン・キャンベル、シェップ・クロフォード、(ニーヨら)コンパウンド・プロダクションといった錚々たる面々が提供する音世界で、その歌ぢからを如何なく発揮する様はやはり圧巻。特にスロウでみせる歌への表情付けには格段の成長が。でも、今回あらためて凄さを見せつけられたのは、シャギーやヴァイブス・カーテルらを招いたラガなビート上で軽〜く歌う彼女か。(石澤伸行) |
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ヒズ・ハンズ/キャンディ・ステイトン [東芝EMI/TOCP-66569] 70年代を中心に多くの名作を残したサザン・ソウルの女王による奇跡の新作。単にディープといっても何か足りない、“悲哀”と“毅然”と“達観”が混ざったような複雑な味わいを湛えた歌声。何と言ってもゴスペル的音展開でこの声が放つスピリチュアルな照り具合にノックダウンされるが、ブルージィに溺れたりカントリー的素朴さに逃げ込んでしまわないあたりに、イマに機能できている秘密があるような気も。(石澤伸行) |
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ライアン・アヤナ/ライアン・アヤナ [Pヴァイン/PCD-23767] ネオ・ソウル系を中心に米英を跨いだ活動を展開、既に自曲の御披露目も済ませている女性シンガーのデビュー盤。シャーデーほどスノッブでなく、ジル・スコットほど“これみよがし”でもないという絶妙なラインは、その声の響きの麗しさとも相俟って、聴き手のココロをホクホクに。NY生まれながらトリニダッド・トバゴ育ちという生い立ちにも大きく納得の、全体を優しく覆う“声の効能”が印象的な逸材だ。(石澤伸行) |
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グレイスフリー/フィリップ・ブライアント [BMFN/BMFNCD-1007] SWVのミュージカル・ディレクター等を務めてきた男性アーティストによるデビュー作。ジャケが醸す“折り目正しい”佇まいからは少々イメージしにくいほどに、サウンドはイマ様のゴージャス感に溢れ、その歌いっぷりも猛々しい限り。特に中盤以降の楽曲には、ほぼ漏れなく“スピリチュアル”が落とし込まれていて、この辺が本作の存在感を高めているような気も。仕事人としての巧みが渋い光を放つ好作だ。(石澤伸行) |
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フェイス/マーク・ド・クライヴ・ロウ [コロンビア/COCB-53560] UKのクラブ・シーンから世界中へその活動を発信中のクリエイターによる他アーティストとの仕事を集めたコンピ。ナマ音を軸としていながら下世話なブギー感も備えたジョディ・ワトリーのキラー・チューン「Midnight Lounge」のリミックスを始め、フロアへの訴求力には折り紙付きのトラックが満載。迫力満点のBBCライヴも含め、マークによる自由闊達なクリエイティヴィティを余すところなく堪能できる。(石澤伸行) |
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ザ・ギフト 〜ジャスト・レット・ミー・ノウ〜/ジェイド[D-ST. Ent./JDSCD-002] 客演や自作シングルでその歌ぢからをお披露目済の男性シンガーによる一連の活動のおさらいに新録を加えた作品集。日本の気鋭によるシュアな音仕事が光るが、そこにセンシティヴィティと艶を兼ね備えた彼のヴォーカルが乗る際の旨味には得難いものが。R&BクラシックスのメドレーやHase-T手掛けるラガなリミックス曲等様々なアプローチが繰り広げられる中、まろやかなコクを湛えた声の魅力にヤラれる。(石澤伸行)フォーマンスに惹かれる。(石澤伸行) |
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サン/DJクロック[クロックワイズ/CWCD005] 余りにもユニークで繊細な感性を持ち、また独特のオリジナリティで比類無きアイデンティティを放つ音楽を作り続けるDJにしてクリエイターのDJクロックによるニュー・アルバムがリリース。USのローパドープからもリリースされる本作は、もはや確立されたかに思える彼ならではの創造性がたっぷりと発揮された傑作。これは決して難解なものでもなく、むしろとても人間味溢れるエレクトリック・ミュージックだ。(高橋晋一郎) |
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III/フォース・オブ・ネイチャー [リヴァイアス/LMCD-012] KZAとDJケントによるForce Of Natureの3rdアルバムがリリースされた。ジャンルの細分化が進むと言われるクラブ・ミュージック・シーンの中で全く新しい世界に飛び込んでしまったかに思える懐かしくもとても新しいダンス・ミュージック。あらゆるスタイルの音楽がリリースされる昨今において、こんなに新鮮に音を鳴らせる事が、二人のプロデューサーの力量と職人ぶりを感じさせる。正しく必聴に値する作品。(高橋晋一郎) |
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LS/リューセンケイ・ボディ [mao/DDCM5013] ツキノワのサックス・プレイヤーとして知られる伊藤匠が主宰するリューセンケイ・ボディの1stアルバム。メンバーは伊藤を始めラップトップの稲益寛明、ドラムの服部正嗣、そしてベースの早川徹。計算されたノイズに出入りするサックスやリズムが音楽を奏でるサウンドスケープ。その視点が個性的な事からエレクトロニカというよりは明らかにジャズといった方がしっくりくる静かなドライヴ感を持った作品。(高橋晋一郎) |
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スケール/ハーバート [ホステス/!K7/K7202CDJ] 様々な名義で活動を続ける奇才Ma-tthew Herbertが5年ぶりにHerbert名義で新作『Scale』をリリース。今回も妻でもあるDani Sicilianoのヴォーカルを全面的にフューチャー。今までになくポップな作品に仕上がっているもののそこには彼らしい様々なサンプリング音が散りばめられていて、単なるポップな作品では終わらせない綿密なアレンジと音作りは流石。様々な音楽的アプローチをしてきた彼の集大成とも言える作品の完成。(長友浩之) |
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アフリカン・ジャグ/V.A.[JAG/JAGCD-002] 貧困や紛争、少年兵士など多くの問題を抱えるアフリカ大陸の子供達を救うべく立ち上げられたジャグ・プロジェクトによるコンピ。音楽を通して問題を提議するばかりか、売上げを寄付して具体的な救済を目的としている。参加アーティストはDJクラッシュやヌード・ジャズ、マイク・ラッドにゼムセルブスら多数。シリアスに訴えかけるメッセージは重く深い。そして大切な事だがどの作品もクオリティが高い。(高橋晋一郎) |