カヴァーはレゲエ文化には欠かせないファクターだし、僕らはレゲエになった自分のお気に入り曲を探してレコ屋のエサ箱を探ったものだった。本誌読者の中にも、知ってるカヴァーが多く入ったサンチェスのアルバムとかを好んで聞いていたクチ、なんて人は多いのではないだろうか。ムーミンがメジャー・デビュー10周年の区切りに贈る全曲カヴァーによるアルバム『Adapt』は、そんな懐かしさと新鮮さを感じさせてくれる作品だ。
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●もっと早くに聞いてみたかったというか、あってもおかしくなかったアルバムですね。今回、初めてのフル・カヴァー・アルバムということで、ムーミンにとって「レゲエによるカヴァー」とはどんなものですか? 原作のイメージを踏襲した泉谷しげるの「春夏秋冬」でアルバムは始まる。クリーヴィもコーラスで参加したゴダイゴの「Beautiful Name」、ホームGのナイスな演奏が心地いい井上陽水「リバーサイド・ホテル」、リョウ・ザ・スカイウォーカーとのコンビネーション仕立てになった安全地帯「悲しみにさよなら」、ムーミンの世代ならではのGAO「サヨナラ」、外池満広プロデュースのチューリップ「サボテンの花」の随所にさり気なく散りばめられた、ポップさと対を成すマニアックなフレヴァー、ブラジルな感じがたまらないサザン「夏をあきらめて」、エンディングを飾る「山賊の唄」などいったレゲエになった日本歌謡史に輝く名曲たちに加え、洋楽カヴァーとしては、エルヴィス・コステロの「Alison」や、ヨーヨー・Cのアルバム『Love, Peace & Light』にも収録されている「Modern Girl」日本語ヴァージョンのストレート・ミックス、ボブ・マーリー「Waiting In Vain」、チャック・フェンダーを迎えたヘプトーンズ「Why Did You Leave」など、ムーミンが歌いたかったナイスなレゲエ曲もあり。僕はこのアルバムを桜並木の下で聞いたが、これからの季節なら真夏のビーチはもちろんだが、梅雨に入る前の5月、6月の青い空の下もいいだろう。レゲエの魅力を再確認出来る“Adapt”な感じを楽しんでみるのはいかが? |
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"Adapt"
[Island / UPCI-1046] CD Album |
"River Side Hotel" [Island / UPCI-5031] CD Single |
"?T???i??" [Overheat / OVE-7-0091] 7inch Single |
※「サヨナラ」以外のアルバム収録の全曲も6月中旬、7inchシングルとしてリリース予定。 [問]オーバーヒート/03-3406-8970 |