芯があるからこそ力強く心に響く歌声。若干21歳でありながら、コンシャスな詞をパワフルな歌声で歌い聴かせる実力派アーティスト、Metis。今回リリースされる1st ミニ・アルバム『Answer』は、そんな彼女の歌を歌うことへの“想い”が詰まった作品だ。


 まずは生まれ育った広島から、音楽と共に“愛”を持って平和を訴えるタイトル曲「Answer」でスタート。続いてフィーチャリング・アーティストに日本のレゲエ・ミュージック界におけるファウンデーション・アーティスト、Nahkiを迎えて、病の母、そして一緒に生活する事のできなかった父への想いを歌ったラヴ・ソング「Puppa Mumma」(彼女は一般的には決して幸せとは言えない生い立ちながら、ポジティヴに歌っている)。人生を模索する同世代の素直な気持ちを歌にし、生きることへのアンセムとして届けられた「Search For Truth」(地元広島の盟友バンドBlacklashをフィーチャー)。シンガー・スタイル、ディージェイ・スタイルを効果的に使い分けた情熱的なダンス・チューン「楽園」。ジャマイカNo.1ジョグリン・サウンドStone Love制作によるトラックを使用し、コンシャスなダンス・チューンとして昇華させ「Tarawa Sound」。ラテンのリズムに乗せたドラマチックな展開が見事で、1つ1つのリリックが情景的世界へと誘う「Gi Mi A Knife, Gi Mi A Bly」。
 他人にはない、自分の存在をしっかりと確認したときに生まれるメッセージ。彼女の歌に、そして声にメッセージや存在感を感じてしまうのは、彼女がしっかりと自分を見つめたところからスタートしたからこそだろうし、だからこそ自信に満ちあふれている歌が歌えるのだろう。それこそが、同じ人間を結びつける音楽の鍵となって、輪となってMetisの存在を十分に感じさせてくれるミニ・アルバムとなっているように思う。


"Answer"
Metis
[T-Infinity / RUCH-1001]