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 ハリケーン・カトリーナの影響で10,000人もが死亡。来期の心配がないブッシュは儀礼的に視察しただけで、具体的な救済活動は満足の行くものではない。政府が尻込みしている間に、民間はNY市のバスを出したり、具体的に動いている。この事件で思い出したのは毛沢東で、冷害、水害、そして労災などで多大なる人民の犠牲を出しても国家予算を惜しみ、更に「人民は幾らでもいる」とのたまったらしい。共産主義のデメリットとも言える事件だが、その共産主義を否定してきたアメリカが今、同じ様な事になっている。しかし、毛氏の政権とは違い、独裁者になっているのは戦争を肯定している経済界であり、ブッシュはただのパペットである。人の死が安くなっている?

今月のブロックパーティ
 ブロックパーティから派生したとされるヒップホップのジャムだが、エコーのデザイナーのマーク・エコー主催のブロックパーティが8/23、マンハッタンはウエスト22丁目で開催された。DJにクール・ハーク率いるハーキュロイズ、路上に列車のパネルをかたどったキャンバスが地下鉄が止まっている様に建てられ、新旧のライター達がライヴでペイントするという趣向。ヒップホップ系のパーティや、ジャムを閉め出す傾向にあった今のNY市政府だが、実はこのイヴェントも開催を阻止されそうになっていて、TVでのインタヴューを受けた何人かのライターが、表現の自由を訴え、メディアがキャンペーンを行い無事開催された。しかしながら、今やアメリカの片田舎でも売っているエコーは、第三世界で生産していて、不当な労働者の扱いも噂されている?

今月のジャム
 ウルトラマグネティックMCがライヴを行った。8/30のこのギグには、オリジナルメンバーはクール・キースのみというラインアップで、アイスTがゲストに登場。オリジナルの再結成を囁かれていたが、これで噂の真相ははっきりした。多分、皆さんもうラップしていないのでしょうか?

今月のリーク
 来月に公判を待つマーダーIncのガッティ兄弟が、マネー・ランドリーに関わっていたとされるケネス・マクグリフが50セントの暗殺計画とジャム・マスター・ジェイの殺人に関与していたとウェブサイトなどですっぱ抜かれた。その兄弟の裁判の証拠とされる警察の書類によると、2002年のJMJの殺害事件は、50セントを干そうとしている業界人が、50がマクグリフについて書いたと言われる「Ghetto Koran」に腹を立てている本人に依頼したと書かれている。その証拠に携帯電話会社から引き出したガッティから送られたテキスト・メッセージがあるとも示唆されている。尚、2000年の50の暗殺未遂もガッティの弟、クリストファー・ロレンゾから50の居場所などを、また携帯を使ってマクグリフに伝えられたとも書かれているそう。なんか、凄い展開になって来た?

今月の誤報
 なんとエリックBがニュージャージーで狙撃され、死亡したと言うニュースが9月の頭から流れていたのだが、本人が登場し、一件落着となった。インターネット上でしばらく流れていたこの噂だが、エリックと似た同姓同名の男性の訃報が新聞に載ったのが発端らしいが、大したリサーチもしないでラジオのホストなどもこれを喋ったため、今回の誤報となっていた。しかし、本人も心臓疾患などを患っており、完全に健康とは言えないらしいが、ジェイZとビジネス的に揉めていたなど、健在の所を見せていた?

今月の誤報2
 マスターPの弟で、ニューオリンズの刑務所の服役中のC・マーダーが、ハリケーンの被害で死亡していたと、やはりインターネット、ケーブルTVなどで報道された。刑務所も相当な被害で、浸水、多くの受刑者が死亡したと報道されていたが、C・マーダーは、運良く州刑務所に移動させられた後だったそうだ。その位、被害状況が把握されていないこの状況、献金だけして、乾いた街に居るのは、いたたまれない?

今月の言論の自由
 9/1にNBCの報道番組に、ハリケーンの被害者への慰問の意味でインタヴューされたカニエ・ウエストが「ブッシュは黒人なんてどうでも良いと思っている」と生放送でコメント、発言中にカットされるという事件が起きた。確かに黒人の人口が多い地域なので、サポートをしているラッパーも多い。しかし、言論の自由と言ってもこのビッグブラザー乗りの世の中、それを実行するのは難しいし、あまり賢いとは言えないとジョー・ストラマーが言ってましたね?




沼田 充司
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DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 (Photo by Tiger)