BAGDAD CAFE THE trench town(以下BCTTT)にはずっと「爽やかなバンド」という印象を持っていたが、彼等のライヴを観るかぎり、あらゆる層の人達をグイグイ引き込む確かな演奏力とフレッシュでパワフルなヴォーカルは、そんなイメージ以上のレゲエ・ロックを聴かせてくれるのだ。
 昨年のアルバム『Up Right And Smiley』のブレイク以降、さまざまなライヴ・イヴェントで演奏しよりタフになったBCTTTは、8/31にニュー・シングル「Everything」をリリースした。そして9/22には待望の三枚目のアルバム『Movin' On』を発表する。そのBCTTTのメンバーにインタヴュー。同席していただいたのはヴォーカルのMaiちゃん、ギターのWhat's Up Raita、そしてもう一人のギター、Muraちゃんとは嬉し恥ずかしの再会でした。


日本各地で様々のライヴに出演して忙しかったと思うのですが、制作はライヴの合間に同時進行だったんですか?
Raita:ではないですね、今年に入ってから制作期間に入って、その中で完成させていきました。

作曲のプロセスについて教えてください。作曲の担当はほぼRaitaさんが中心?
Raita:そうです。まず曲があって、それを全員で仕上げていきます。で、Muraちゃんに「この曲にはどんな感じのリズムが?」とか、サウンド・ディレクター的な意見を聞いて。

歌詞は全てMaiちゃんが作ってるんですか? Raitaさんの話を聞いて意外だったのは歌詞や歌メロから作ってるのかなという印象だったのですが?
Mai:歌詞はほとんど全て私が作っています。曲が仕上がっていく行程で最初は何語かわからないようなフレーズやメロディをつけていったり、サビからできる場合もあれば色々です。

BCTTT以前の音楽的バックグラウンドを教えてください。
Mai:とにかく私はジャズやソウル、ブラック・ミュージックが好きでした。とにかく声にシビれたというか。レゲエのバンドはBCTTTが初めてだったので、最初の頃はレゲエらしく歌うことを意識してたけど、やっぱりそれは私じゃないんで。
Raita:僕はジャズやブルースが好きで学生時代からそういうバンドをやっていたのですが、その後、ウェイラーズ(の映像)を観て、そのバンドの雰囲気にすごい影響を受けました。ソウルのカヴァーをしているレゲエの曲が大好きで、学生時代の友達が集まってこのバンドを始めました。
Mura:僕とMaiちゃんとはそれ以前からの仲間で、二人で曲を作ったりしていました。

BCTTTは「ラヴァーズ・ロック・バンド」という紹介のされ方が多いのですが、メンバーとしてはどう自分のバンドを捉えていますか?
Raita:特に意識している訳ではないんですが、やはり大きな意味での普遍的な「愛」というのはテーマとしてあります。
Mura:Maiちゃんがラヴァーズな乙女なんで、ラヴァーズ・ロックです(笑)。

先行シングル「Everything」は明らかにラヴァーズ・ロックですね。こんないいメロディはどこから湧いてくるの?
Mai:この曲はまさにBCTTTがリスナーに伝えたいことを象徴する大好きな一曲です。ライヴでも歌うのが楽しくてしょうがないです。狭いハコでやってても目前には浜辺が見えています(笑)。
Raita:アルバムは一曲目の「One Love」のような、これまでにはないようなタイプの曲にも挑戦したり、サウンド面でもこれまでやってきたことをより追求して作りました。より広いリスナーに聴いてもらいたいし、レゲエってもっといいよって感じて欲しいですね。


"Movin' On"
BAGDAD CAFE THE trench town
[Victor / VICL-61759]