われらが歌姫、Pushimがニュー・シングル「Anything For You」、そしてお馴染のメロウな名曲満載の『Dazzlez〜Songs Of Songs〜』を同時期にリリース。その魅力に溢れた両作品を二木崇が詳細に解説。 |
“永く付き合いたい歌”がまた増えた……。Pushimの待望のニュー・シングル「Anything For You」は早くもこの夏のビッグ・フェス、ビッグ・ダンスで歌われている“あの曲”である。彼女自身とHome GのTancoに、これまでの諸作やライヴでも息の合ったところを見せてくれたマルチ・キーボード・プレイヤー=渡辺貴浩の3人がプロデュースしたラヴァーズロック・テイストの楽曲ながらも、その“歌いっぷり”はその域をはるかに越えている。それは彼女が真に“エモーショナルなシンガー”であり、“情熱的なソング・ライター”である証、とも受け止められよう。“大切な人へ想いを込めて歌う”というある種普遍的なテーマも、シンガー=Pushimのメーターを振り切ったパフォーマンスがあってこそ光り輝くというもの。 それだけ“凄い歌”ながらも、どこか親しみ易い、言い替えるならばレゲエらしい“あたたかみ”のあるものに感じさせてくれるところがまた、ソングライター=Pushimの器の大きさであり……既に一緒になって口ずさんでいるアナタにそんなことを説明しても仕方がないかも知れないが……。 「Anything For You」同様、3人で制作された「Da Bulldog」は熱いコーラスやMCも印象的な現場チューンであり、もう1曲の「Reach To The Goal!」(これもプロデュースはPushim, Tanco & 渡辺)は人生の長い道程を共に歩む仲間たちに対して歌いかけた、リズム&ブルース色豊かなファンキー・レゲエといった赴き。共にライヴでガンガン歌われることになる筈なので、今から聴き込んでおくことをお薦めしたい。そして最後に配置された「Anything For You」のリミックス版は、“何と!”と言うか“やはり!”と言うか、ソカだったりするのだ。Pushimが“ソカ好き”なのは以前から知る人ぞ知るハナシ。そして何とも絶妙なタイミングで実現したこのソカ・ミックスを担当したのは、Blazer「Crazy Wine」、Ginja「Roll Back On It」、Denise Belfon & Ghetto Flex「Wine & Bend Over」といった“VP”からの人気シリーズ『Soca Gold』にも入っているようなヒット・チューンを手掛けているRichard "Charsu" Ahong(チャイニーズだそう…)で、しっかりと今風なアーバン・ソカに仕上がっている。 |
"Anything For You" [Ki/oon / KSCL 878] |
"Dazzlez〜Songs Of Songs〜" [Ki/oon / KSCL 880] |