Ken-U |
Kenty-Gross
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大阪レゲエ・シーンの次世代を担うであろう2人のディージェイ、Kenty-GrossとVader。そして東京からは期待の若手シンガー、Ken-Uがこの夏、揃ってファースト・フル・アルバムをリリース。どの作品も若手ならではの初々しくも勝気に溢れたWickedな仕上がりになった模様。 |
まずはファースト・アルバム『G-Style XX』をリリースするKenty-Gross。“いまもっともヤバいDJ”のひとりとしてその名が急激に全国区となってきていたところなので、その独特の話芸を体験済みの方も少なくないだろう。90年代後半に大阪を拠点に活動を開始し、カエルスタジオ周辺から多くの7インチをリリースするなど“新人”と呼ぶのが躊躇われるほどのキャリアを積んできたKenty-G。その真骨頂はズルムケたギャル・チューンにあるが、一度聴いたら耳にネットリと張り付く太い声と独特の言葉選びはバッドマン・チューンでも威力を発揮、この世代ではズバ抜けた個性を誇っている。『G-Style XX』には盟友Tomy Borderとの「どないや」、“DancehallRock”オケ使いの「BaBaBaan」、Vader、SilverKingをフィーチャーした「V.S.G」といったビッグ・チューンを収録。「Pride」でお馴染みレニー・ハートのあの絶叫から始まり、大阪臭をプンプンと漂わせるズルムケたパンチラインが続出……と書くと、さもイロモノDJのように思われてしまうかもしれないが、彼のベースにある“これがレゲエ・ミュージックや、どないや!”という揺るぎない自信こそを感じてほしい。第二弾までリリースされているミックステープ・シリーズ『G-Style』をセルフ・プロデュースで作り上げていた彼だけに、その強烈なキャラクター性を前面に押し出した構成力の巧さにも舌を巻く。今月の強力盤だ。 |
"G-Style XX" Kenty-Gross [Victor / VICL-61550] |
"Doco" Ken-U [Bacchanal 45 / BACD-003] |
"Gate Of Generation" Vader [Geneon / GNCL-1017] |