●本誌での生声は1年振りだから、まずは昨シーズン後のオフ辺りからの話を聞かせてもらおうかな。昨オフは(横浜レゲエ祭)2万人達成後のオフだしね。
Criss:ファイヤー・B全員揃って、初めてジャマイカ行ったんだよね。11月の末頃から10日間ぐらいだったんだけど。
Chozen Lee:そう、スッゲー楽しかったよ。揃って行ったのは初めてだったし。ジャマイカのクラウン邸もサイコーだし。
●新曲を向こうで作るとか、そういうんじゃ……。
Truthful:全然ないね(笑)。ただただ楽しんだっていう(笑)。ダブとかは録ったけどね。
Chozen Lee:まぁ、みんな帰った後、俺だけ残って向こうのミュージシャンとオケを作ったりはしてたけど、「キットヒット〜踊るカルマン〜」のオケとかがそうだよ。
●なるほど。でも、そのヴァイブスとかを持ち帰って新作に望んだっていうのはあるでしょ?
Criss:それはあるよ。リフレッシュ出来たからね。
●じゃあ、制作は年明けてから本格的に開始と。
Truthful:そう。今回は最初っからシングルのリリースとか夏前のツアーとか決め込んでやったからね。タフだったけど、それを実現できて良かったよ。
●コンセプトありきで制作に入ったの?
Truthful:ワリと早い段階でアルバム・コンセプトになった「999 Rulaz」が出来たから、それ以降は「汽車だろ」って事になって、汽車なら「ナインつながりで、スリーナインだろ」って感じになったね。
Criss:サミーが持ってきたオケが、イメージが汽車っぽかったんだよね。そうしたらリーが即行ベーシックを作ってきてさ。
Chozen Lee:そう。それで後は「エンターテインメントの列車にみんなで乗り込めっ!」っていう感じでアルバムが出来ていったって感じかな。
●そういう意味じゃテーマははっきりしてるね。前作、前々作は不穏な世界情勢に反応していた部分もあったと思うけど、今回はある意味そこから解き放たれてる感じはあるね。まぁ、「戦車」みたいな皮肉めいた反戦の曲はあるにせよ。
Chozen Lee:そうだね。ジャングル・ルーツと一緒にやった曲なんだけど、あのバンドのヘヴィなグルーヴと“戦車”のイメージが合ったっていうのもあったし。
●毎作ごとに同じ事を言うけど、今作でまた更にジャングル・ルーツとの一体感は高まったね。今回は4曲一緒に録ったんだよね。
Criss:ほんと、みんなが楽しんでやってくれる事が何よりも嬉しいね。音のスペシャリストを集めてくれた小林さん&慶松、Respect!!
●「乗り込め仲間達」辺りは贅沢な感じがするね。あのバンドが最も得意とするところのグルーヴ感だよね。バンドの演奏もそうだけど、その音にこれだけ精鋭の4MCが絡むっていうトコが贅沢。それとアルバムならではの2人ずつで録った曲もいいね。クリス&ジュンもフレッシュだし、リー&スティッコもコンビネーションは初めてでしょ?
Truthful:そう初めて。初めてやってこの曲だからな(笑)。「かるくフィクション」ね。
●普通な事はやらないよね、相変わらず(笑)。でも表現としてはかなり高度な曲だよね。
Truthful:あれは映画みたいなストーリー感覚で曲を作ってみたかったんだよね。で、『パルプ・フィクション』な訳ですよ。結末を言ってからストーリーが始まって、またそこに戻ったりしながら進むっていう(笑)。アルバムならではって事ですよ(笑)。
Chozen Lee:去年の「フジロック」で知り合ったアフラと彼のクルー、インクレディブルとのヒューマン・ビート・ボックスの曲もやばいでしょ?
●あれもやばいね。あれは一発録り?
Criss:あれは事前打ち合わせが軽く一回あったけど、結局スタジオで7本のマイクを使ってセッションで録りましたね。じゃなきゃ、ああはならない。
●あれライヴでやったらやばいでしょ!(笑) となるとツアー・ファイナルの横浜ブリッツでは見れるのかな?
Chozen Lee:まぁまぁ(笑)。その可能性も高いでしょ(笑)。今のセットでバンドもテンションがグングン上がってるから、ブリッツはやばい事になるよ(笑)。乞うご期待って事で(笑)。
といった感じで、気力、体力とも万全の体勢のファイヤー・ボール。今年はツアー終了後の各地の夏フェスでも、ジャングル・ルーツと一緒に登場という機会が増えているという。レゲエ馬鹿の皆様方には、この夏、全国を駆け抜けるミュージカル・エキスプレスにくれぐれも乗り遅れのない様、お気を付け下さいませ。
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