SONGS OF SOLOMON / TURBULENCE
[VP / VP2282]


唄とDJを巧みに組み合わせた、非常に高いスキルを感じさせてくれる彼はヨーロッパ方面での人気もかなり高いようです。今回はエクスターミネーター作品。彼の緩急自在なスタイルに合わせてか、音もジョグリン向けのリディムから、ルーツ調のへヴィな物までヴァラエティに富み、彼のスキルの高さを見事に引き出しています。毎回ですが、彼の唄うメロディには思わず聞き惚れてしまう瞬間多いです。[輸入盤](鎌田和美)

READY FOR THE WORLD / TONY CURTIS
[VP / VP2278]

これはなかなかナイスな作品。ストレートにカッコいいちょっとルーツっぽい唄物レゲエ的な曲に、ラヴァーズ・ファンにはたまらないだろうメロウな路線の曲、更にノリの良いジョグリン向けリディムの曲まで、様々なタイプのサウンドで固め、美声が売りの彼の持ち味を存分に引き出しています。ゲストには最近すっかり御無沙汰となっているジョニー・オズボーンが参加しているのも何だか嬉しいところ。[輸入盤](鎌田和美)

COUNTRY SIDE / LONE ARK
[BRIXTON RECORDS / BR-012]

全てオリジナル曲で構成され、シャープなルーツ・レゲエを聴かせる濁りのない作品です。スペインのバンドだが、クールな雰囲気とコーラスワークが魅力的で、グラディエイターズを思わせます。70年代後半のルーツ・コーラス・グループが好きな方にお薦めです。もうひとつの特徴として、ダブの要素が強くサウンドに取り入れられている事。より一層鋭さを増して、マイナー・メロディが尖り出します。[輸入盤](磯野カツオ)

FRARE & UNRELEASED DUB / CULTURE
[REVOLVER / REVCD-258]

遂77年ジャマイカ、ハイノートからの幻のダブ・アルバムが復刻。あのカルチャーの『Harder Than The Rest』のダブがCDになって再登場。マニアの中で、最も高値で取り引きされているレアなダブ・アルバムで、今回はボーナス・トラックに「Two Sevens Clash」のダブが収録されている。ミックスはボブ・マーリーを手掛けたエロール・ブラウンが担当。ゲットー臭さのない爽やかなダブ。[輸入盤](長井政一)

RAGGA RAGGA RAGGA! 2005 / V.A.
[GREENSLEEVES / GRELCD282]

毎年、米国VP社の『Strictly The Best』や『Reggae Gold』と同様に楽しみな英国Greensleeves社がリリースする『Ragga Ragga Ragga』シリーズ。最新作であるこの“2005年版”も信頼の於けるアーティストとプロデューサーがガッチリとタッグを組んだ最新チューン&リディムが目白押し。SizzlaやCapletonも収録されているが、基本的には煽り系チューンが中心なので、そっち方面が好きな方は是非。(大場俊明)

CONTEMPORARY ROOTS REGGAE VOL.1 / V.A.
[HYPNOTIZE ENTS / HTTCD101]

現在のジャマイカン・レゲエ・シーンでひとつの流れともなっているルーツ&カルチャー系の作品を収録した内容の良いコンピ盤。70'sルーツ好きのオレにとって、こうしたサウンドは自然と耳に馴染むし、心地好いヴァイブスに満ち溢れていると思う。ジャー・キュアーやリッチー・スパイスらの唄もホント申し分無い。しかし何かが足りないのだ。そう、ブジュ・バントン! 早いとこ復活してくれ!![輸入盤](小池信一)

SIR COXSON SHOCK OF THE CENTURY '86 / V.A.
[SOUND BOX UK / SCCD001]


語り継がれし宝が収録されたダンスホールの現場実況録音CDです。1986年、ロンドンにてSuper Cat、Nicodemus、Frankie Paulなどが熱くマイクを握り、現在でもプレイされ続けるリズム・トラックに乗ってオリジナル・フレーズを披露しています。つまりレゲエ本来の楽しみ方が聴きながら学べます。リズム、DJ、セレクター…ダンスホールに必要なキーワードが全部ここに詰まっているのです。[輸入盤](磯野カツオ)

RUN IT RED- BLOOD & FIRE ALL STARS / V.A.
[BLOOD & FIRE / BAFCD 047]

大のレゲエ好きで知られるシンプリー・レッドのミック・ハックネルがコンパイルした話題の1枚。音源はブラッド&ファイアの膨大なリイシュー・カタログの中からピックアップし、ゴリゴリのステッパーズからキング・タビー、プリンス・ジャミーのダブまで軟弱な曲は1つもなし。この選曲を見ただけでも、彼が心からレゲエを敬愛しているのがよく分かる。ブラッド&ファイア・レーベル10周年記念作品。[輸入盤](武田洋)

スマイルアーチ/タフ・セッション
[ワーナー/WPCL-10182]

週末ともなれば、必ず何処かのライヴ・ハウスやクラブに出没して演奏を重ね、めきめきと頭角を現してきたタフ・セッションのセカンド・ミニ・アルバム。得意技とも言える70年代のロッカーズ風なタフなサウンドを基調に、ハイトーンな甘い声とオールドスクールなDJとの掛け合い、艶やかなヴァイオリンの調べが融合した個性的なサウンドは健在だが、リズムへの探求は前作以上に成された模様。(大場俊明)

マネー・ヴォイス/カルカヤマコト
[LD&K /161-LDKCD]

クール・ワイズ・メンの新作にも参加し、味のある歌を披露してくれたカルカヤマコトのダブ作を抜かして3枚目となるミニ・アルバム。今回もボブ・マーリーやビリー・ホリデイと言った大御所の名曲を全く物怖じせずに彼女流に歌い放つところが凄いと言えば凄い。相変わらずロリ声ファンには堪らない歌唱だが、この声でも腰がドンと据わってる様に聞えるのだから不思議だ。7月にもミニ・アルバムが待機。(大場俊明)

リズム・マスターVOL.1/グレン・ブラウン&フレンズ
[ビート/HOT POT/BRHP1001]

スティーブ・バロウが新たに設立した注目のリイシュー・レーベル、Hot Potからの第1弾。グレン・ブラウンの作品を集めた本作は、17曲しかないのに彼の代表的トラック「Dirty Harry」が出だしから9連発。80年代後半に出たトロージャンの編集盤を思い起こす、いかにもスティーブ・バロウらしい選曲。因みに「Dirty Harry」9連発の続きは「Opportunity Rock」トラックが3連チャン。さすが!(武田洋)

アースクェイク・ダブ1975-77/オジー・ヒバート&レヴォリューショナリーズ
[ビート/HOT POT/BRHP1002]

70年代中期、ジャマイカのルーツ・レゲエ・シーンが最も熱い時代、様々なルーツ・レゲエ、そしてダブ・アルバムが数多く発表されていた頃にリリースされたダブ・アルバムの復刻盤。プロデュースはオジー・ヒバート。グレゴリー・アイザックス、デニス・ブラウン、ジュニア・ロスなどのダブを収録。レヴォリューショナリーズの軽快なステッパー、ミリタントビートが炸裂! 8曲ものボートラ付き。(長井政一)

ON-U サウンド・クラッシュ - スラッシュ&ミックス - エイドリアン・シャーウッド/V.A.
[ビートレコーズ/BEC-125]

何とA・シャーウッドによるOn-U音源をフルに使用したMix CDが登場。最早重鎮と言って何らおかしくない音楽生活歴を持っている彼にとっても初めての試み。ダブ・シンジケートやニュー・エイジ・ステッパーズ、アフリカン・ヘッド・チャージからマーク・スチュワート等ごっそり30曲以上を立て続けに聴かせてしまうというヘビー級の作品。ある意味上質なコンピ盤でもあるわけでOn-Uビギナーでも是非。(高橋晋一郎)

リ宇田川ラヴァーズロック/V.A.
[LD&K / LRTCD-007]

洗練されていないからこそ、魅かれてしまうアーティストやバンドは日本にも数多くいる。勿論、彼らの音楽に対する想いがヒシヒシと伝わって来なければ魅かれはしないが…。本作は日本一レコード屋が存在するであろう渋谷宇田川町のレゲエ・バーと縁のあるアーティスト達が参加したコンピ盤。前述の様に洗練はされていないが、魅力溢れる人達ばかり16組が参加。うち7曲は本作でしか聴けない貴重な編集盤。(大場俊明)

ミミ/マライア・キャリー
[ユニバーサル/UICL-1047]

2年半ぶりとなる新作に冠された「解放」や「新生」といったタームは、いずれも真なり。盟友ジャーメイン・デュプリに始まり、ネプチューンズ、カニエ・ウェスト、スヌープ、ネリーら錚々たる面子が集まったこの場で、彼女は憑き物が落ちたように歌いまくっているが、特にアップ曲への乗っかり方は「新しいマライア」をお披露目するに打ってつけだろう。ミッドやスロウで新人のように全力で歌う彼女にも感動。(石澤伸行)

コンプリケイテッド/ニヴェア
[BMG/BVCQ-24007]

2年ぶりのセカンド作。リル・ジョン、ジャーメイン・デュプリ、R・ケリーといった「時の人」や「名うて」からのサポートを受けてはいるものの、最終的な落としどころとしては、アイドル作品らしいポップで親しみやすい仕上がりに。ただし、デビュー時に比べ、歌唱スキルが格段にアップしたように感じられ、特に楽曲の良さが際立つ数曲のミッド・チューンでは、彼女の溌剌とした魅力が存分に発揮されている。(石澤伸行)

O/オマリオン
[ソニー/EICP-504]

昨年惜しまれつつ解散したB2Kの元メンバーによるソロ・プロジェクト第2弾。プロデュースを手掛けたネプチューンズ、ロドニー・ジャーキンス、アンダードッグズ、オールスターらの仕事がいちいちキマっていて、「然るべき人たちが、然るべき役割を果たした時の引き締まった空気感」みたいなものが最高だ。そしてそんな磐石なサポートを活かさんと歌いまくる、貫禄たっぷりのパフォーミングにもホレボレ。(石澤伸行)

チェイン・レター/ブルック・ヴァレンタイン
[東芝EMI/VJCP-68750]

ヒューストン出身の19歳によるデビュー作。リル・ジョン手掛ける「Girlfight」は今が旬のクランク&B。しかしながら、その他に収められた楽曲には、真っ直ぐなR&Bはもちろん、今様ディスコあり、ラガあり、オルタナありと実に楽しい。曲調により様々な表情をみせるそのヴォーカル・ワークも新人らしからぬ堂々とした振る舞いに溢れ、今は亡きODBとの狂演においても、まったく互角に渡り合っている。(石澤伸行)

エッセンス・オブ・ソウル VOL.1/J・ロウルズ
[Pヴァイン/PCD-23612]

3582やローン・カタリスツといったヒップホップ・プロジェクトで、ソウル愛好家もニンマリのトラック捌きを見せてきた音職人による歌モノ集。フィーチャリング・シンガーにエリック・ロバーソンやヴィーナス・マローンらが迎えられ、彼による選りぬきのビート上で思い思いにパフォーム。ここでの彼による仕事ぶりは歌を意識したか、いつもよりスムースだが、ゴッツいトラックもちゃんと用意されている。(石澤伸行)

最後の恋の始め方/O.S.T.
[ソニー/SICP-768]

ウィル・スミス主演の映画のサントラ。エイメリーの新曲「1 Thing」でいきなり勢いを付けたかと思いきや、ジョン・レジェンドによるスティーヴィー「Don't You Worry 'Bout A Thing」のカヴァーに拳を握らされ、オーガナイズド・ノイズがプロデュース、ケリー・ローランドとスリーピー・ブラウンがゲスト参加したEW&Fの新曲で衆目を奪っていく。併収された70'sソウル曲含め充実のラインナップだ。(石澤伸行)

ヴュー・オブ・レインボウ/ターンタブラッシュ
[クロックワイズ / CWCD 002]

“DJクロックの思考はいつだってフレッシュ”という事を又しても実証するクロックの新作がリリースされた。コンピュータを使い、リズムやエフェクトをプログラムして正確にグルーヴを作るのではなく、ターンテーブルのみを使って偶発的に誕生する瞬間を楽曲としてレコーディング。ある種インプロの様に思えるこのプロセスを経て、いかにも彼らしいイノセントで繊細なサウンド・メイクをしてしまう鬼才。(高橋晋一郎)

リング/KOSS
[ミュール・エレクトロニック / MULE ELECTRONIC CD002]

札幌をベースに活動するクニユキによるプロジェクト、Kossが'00年にサウンドオブスピードより発表したアルバムが、ケルンのレーベル、ムール・ミュージックからリリース。スピリチュアル・ライフのサブ・レーベルからも作品をリリースした事もあり、その実力は証明済だが今作がワールドワイドのデビュー作に当る。美しいダウンテンポに彩られ、'05年の今でも色褪せないクオリティを保つオリジナルな一枚。(高橋晋一郎)

ダブ・シャンティ/GoRo
[トライ・エイト / TERCD004]

DJケンセイや井上薫、そしてカームらクラブ・ミュージックのフロント・ラインで活躍するアーティストとも交流の深いディジュリドゥ/カリンバ奏者GoRoによる最新作。インドでのフィールド・レコーディングをベースにプログラムと演奏を加えて制作された本作は、自然音と楽器、更にはエレクトロニックなサウンドがソフトにまた時に躍動的にブレンドされ映像を喚起させる様な仕上りに。優しくピースな作品。(高橋晋一郎)

メモラブル/MEMO
[マオ / MAOCD-008]

2002年のトミー・ゲレロの来日公演時のフロント・アクトも務めたStomach Of Gypsysのメンバーによる続編ユニット、Memo。サンプラーとドラム、ベースとギターといった極めてシンプルな機材で生み出されるサウンドはとにかくユルく、暖かく、隙間だらけ。その隙間からは何でもない日常の何でもない風景が覗き見れるかのよう。ぽっかりとした日に何となくプレイボタンを押して聴くのがよく似合う音だ。(大場俊明)