ダンスホールでよく耳にするパトワのなかで、ポジティヴに使える句を並べてみました。バッドワードと違って、どこでも好意的に迎えられる言葉です。

Govament(ごばめん)……Formulaと共に、ジョン・ハイプのニュー・ダンス。「政府」を意味する英語だけど、ここでは「Govern(支配する)」の意味合いで、イニシアティヴをとりたいときに使います。Gogogogogogogogo Gooooovamentゴゴゴゴゴゴごーばめん!と吼えるように。アイリーFM愛聴者の方にはお馴染みですね。
All dem deh(あーでんで)……言わずと知れたボーグル・チューン。See di key deh, lock dem up nuh. 英語に直せばAll of them are thereですが、意味よりヴァイブスを伝える句です。
Straight(すちょえい)……パトワでは、「まっすぐな」意味を通り越して継続を意味したり、エクスクルーシヴ感を出したり、「滅茶」みたいに強調にも使います。「間違いない」と断言するときにもStraight。パトワ独自の発音で、「すちょえーーーい」っと伸ばしたり。Rrrrriiiiiight(うらぁーーいっ)、Truuuuuue(ちゅうぅー)、Belieeeeve datもサウンドマン流に伸ばして使うとそれ風。Straightは日常会話でも普通に使われ、たとえば「Week straight」は1週間つづけて、「Straight till morning」は朝までずっと。Morningは「もぁにん」と発音するのがジャマイカ流。
(例1)Big up Dancehall reggae straightttt.
(例2)Mi love Jamaica straightttt. 
※下線部分を変えて、使ってみてね。カーテルのチューンにもあるでしょ。
Out and Bad(あうたんばっ)……A coulda WeddyWeddyWednesday あうたんばっ、A coulda PasssaPassaWednesday あうたんばっ、すまでぃ(Somebody)seh wi out and bad......とMr.ワッキーうたってます。イケてるという意味ですかね。
Dis a one yah name(でぃさわにゃねーむ)……DJやセレクタが曲の紹介をするときに使います。昔からあるフレーズだけど、近頃縮まって「さわなねーむ」。
So mi go so deh(そみごそでぇ)……これもCFでレナサンのデラーノが使ってます。じゃあいこうか、やったるか、くらいの感じ。意味よりも語呂を楽しむパトワらしい語。ローカルTV局のCFは最近パトワStraightで、ドリンクのCFでも「ジャメーカ人だもん、Waterはウォーラーじゃなくてわーた」って自国商品奨励と共にパトワをビゴップ。微笑ましい。
Everytin' plug in, nuttin' plug out……Plugは電気の差込みプラグのこと。このフレーズを直訳すると、すべてにスイッチが入っていること。Everytin' OKの意。ダンサーDingDong(ディンドン)が使ってます。ボーグル亡きあとしばらくクローズしていたダンス、WeddyWeddyも再開し、人気ダンサーはJohn Squadはもちろん、DingDongのほか、Sadiki(サディーキ)、G-Unit(こちらはキングストンのね)、Jermaine Squad(人気沸騰中)、Active、Iceと続きます。LabbaLabba(ラバラバ)とMadusa(マドゥーサ)も知っておきますか、違う意味で。
Everytin' plug in, nuh unplug nuttin'.などとも。ダブル否定使用は強調、パトワの特徴です。Nuttin'はNothing→のっんー。上記のSomebody→すまでぃ、Thing→てぃん、Straight→すちょえい、と発音のコツを共に覚えて使うと速攻、英単語がパトワ変換。
 最後にラスの部も少し。
Blessed loveまたはBlessin' love……Blessedは、幸せな、神聖な、を意味する宗教色の濃い句。日本語にはまる言葉はないけれど、「どうも」「よろしく」くらいの挨拶に使います。リスペクト感フルな言葉。短くBless! だけでもリスペクト感が伝わる。
United wi stand, divided wi fall……こういうフレーズはどんどん使いましょう。Standはポジティヴな意味で、Fallはネガティヴな意味で使います。Fallの代わりにDrop downも。ユナイトすればうまくいく、でもユナイトしないで分かれれば、落ちてしまう。ユナイト推奨ワン・ラヴな句。
 Enjoyパトワ、Stand tall.
(Special thanx to Toooi and Takky)



Text and Illustration by Reiko NAGASE SMITH
ext and Illustration by Reiko NAGASE SMITH
Ricoのジャマイカ★ArtLifehttp://www.ricoart.com
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