音楽界の三大Bと言えば、バッハ(Bach)、ビートルズ(The Beatles)、バート・バカラック(Burt Bacharach)ということになるそうだが、この夜はもう一人付け加えたい“B”がいた。ダイレイテッド・ピープルズのBABUとRAKAAがダイレイ テッドとは別に始めたエクスパンション・チームの来日イベントがリキッドルームで行われた。

7時のドアオープンでは、まだ早すぎて客の入りも悪かったが、いつも通りのヤバいスキルとライムでDJ SEGAを従えた(MC MAIRA 改め)真衣良が先陣を切る。続くCIRCUS DJ'S(DJ Kou & DJ Topbill)のDZ-1200とターンテーブルを使ってのプレイは通好みの高いレベルで、彼らを初めて観た者達からは大きな賞賛を浴びていた。そして、SHINNOSK8はD.O.や飛び入りのJunnnosukeを従えて、既に満員になったフロアを熱くする。最後は、待ちに待ったBABUとRAKAAのエクスパンション・チームの登場となるのだが、ここでのBABUはダイレイテッドというよりは、ビートジャンキーズの中心ターンテーブリストとしての本領発揮。3年前のテクニクス30周年記念イベント「SL-1200 Night」で披露したプレイに勝るとも劣らないヤバい天才プレイにリリシストRAKAAのラップが絡む。と、ここで突然、今夜のシークレット・ゲスト MOOMINが登場。

 一昨年のMOOMINのアルバム『Rise Again』に3大Bのバカラックの「Don't Make Me Over」がMr.Lexのフィーチャリングによるレゲエ・チューンになって収録されていた。この曲は更にリミックされて12"シングルとアルバム『Remixes』に収録されたが、実はこのリミックスはエクスパンション・チームがやったものだった。2年の時を経てぶっつけ本番に近いこの夜の初競演。MOOMINのスウィート・ヴォイスにRAKAAのラップが絡みBABUがスピンする。こりゃあ、確かにスペシャル・チューンだな。この後、ダイレイテッドおなじみの「Worst Comes To Worest」などを織り交ぜつつ盛況のうちに終了。

 深夜1時過ぎにBABUは、とあるレコード店を開けさせ4時までレコードを買っていたそうだ。いやいや、彼は「朝の8時にもう1軒のレコード店に出かけたよ」と俺に言い残し、フライトぎりぎりに成田に向けて出発した。ね、このBも付け加えたいでしょう?




"World On Wheels Vol.1"
Expansion Team Soundsystem




"Rise Again Remixes"
Moomin
[Universal / UPCH-1277]