GrandWizard Theodore (Photo by Silent Assassin)
| ●一昔前、NYではクラブ王と呼ばれたピーター・ゲイシャンというカナダ系の男が居た。彼は、トンネル、ライムライト、そしてパレディアムという一時はNYクラブの顔と言える大型クラブを所有していのだが、国税局とNY市がグルになって（当時の市長はジュリアーニ）脱税容疑などで、その座を引き摺り降ろされた。税金対策で、一日だけパレディアムを売りに出し、彼の投資者が形式的にそれを買うという事で資金を調達するという策を、ジュリアーニの腹心がその情報をリークし、NY大学がそれを上回る額を入札するという手口だった。それ自体、イリーガルという事で、ゲイシャンは市を訴えていたりしていたが、何の証拠も無いと言う事で、彼はパレディアムという歴史的なクラブを手放さなければならなくなった。 幸い、NYには風営法みたいな訳の分からない法律が無いので、幾らジュリアーニがクラブ叩きをやっても、その灯は消える事はなかったが、NYで指折りの音響システムとインテリアを誇っていた、かつてのラテン・ミュージックの殿堂でもあったパレディアムは、こうして消えた（今はNY大学の寮になっている。こんな場所で、学生が勉学に励むとは思わないが）。なぜ、今これを書いているかというと、例のライブドアと、フジ／サンケイの話が発端だ。ライブドアの後ろには、リーマン・ブラザース（老舗投資家グループ。多くの戦争で儲けてきた歴史を誇る。日露戦争の国債も持っていた）が暗躍しているからだ。実は、そのリーマンも表看板で、日本のメディアをコントロールしようとしているアメリカ経済界が、本当の裏なんじゃないかな？ 原稿を書いている時点では、それに関しての情報や揶揄は聞かないが、もう金づるになっているだけで結局、アメリカの腹はこういう事なので、独立路線を打ち立てないと、本当に北朝鮮とかがやばくなった時にどうする？ ●今月のデモンストレーション 例のホット97の津波ソングによる不祥事に抗議するデモが、NYのユニオン・スクエアで行われた。発端は、1／17にオンエアされたミス・ジョーンズの朝の番組で、12月に起きた津波をモチーフにした替え歌が放送され、内容に人種差別的な表現、“Chink”,“Chinaman”が含まれ、更にアフリカでの幼児の売買などが歌われた。それによってミス・ジョーンズと、番組のプロデューサーが謹慎、減俸などの処分を受けたが、ホット97の親会社、エミス・コミュニケーションも責任をとるべきという声が今回のラリーとなった。会場にはグランドマスター・キャズ、アクティヴィストのローザ・クレメンテ、ジャジー・ジェイなどが見られた。多くのアジア人団体もこれに賛同していたが、あまり明確な意見は聞かれなかった？ ●今月のバースデイ スクラッチを発明したと主張するグランドウィザード・シオドロの誕生会が3／5、アップタウンのウィリーズで行われた。古くはフラッシュも居たLブラザースというサウンド・システムのDJだった彼は、後のファンタスティック5のDJとして映画『ワイルド・スタイル』に出演していたが、現代も若手ラッパーと組み、ライヴやミックスCDで活躍している。会場には、この度、牧師になる勉強中のカーティス・ブロー、スタースキー、ケヴィーケヴ、キャズなどが顔を出していた。ヒップホップも30年以上の文化となり、増々高齢化が進む？ ●今月のビーフ 2／28、ホット97スタジオ付近で、ゲームの一派と見られる男性が撃たれた。噂では、当時、インタヴューを局で受けていた50セントのクルーと、それを待ち伏せていたゲームのクルーの衝突が発端とされている。ギャングのブラッドのメンバーとも囁かれているコンプトン出身のゲームだが、彼のキャリアは、50に負う所が多いのは周知の事実だが、突然のビーフに、一時、メディアではありとあらゆる噂が飛び交った。更にその事件の直後、50のマネージメント、ヴァイオレーターにも銃弾が打ち込まれ、オフィスの職員一人が足に被弾した。これは、ゲーム側の報復と噂されている。尚、フリースタイルで50をディスしたヤングバックは、正式にラジオを通じ50に謝罪していた。更にニュー・アルバム“まさか”（『The Massacre』）に収録されている「Piggy Bank」で、多くのラッパーをディスしている50だが、D・ブロック、ファット・ジョーなどが50に対して反応するらしい？ 2001年、同じく97の局付近で起きた同様の事件、リル・キム、カポーンの狙撃事件の審議も始まった。既にリル・シーズが証言を拒否するなど、仲間割れも始まっているジュニア・マフィアだが、ある証言では現場にキムが居たというものもあり、暫く法廷は騒がしくなりそう？ |
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