THE TABLE IS GOING TO TURN / GREGORY ISAACS
[JET STAR / CHARM / CHLP3132]


最近、立て続けにリリースしているヴェテラン・シンガー。年齢と共に変化はあるけれど、一時の落ち込みから考えると(別に引退していた訳では無いですが)コレを聴くと完全復活って言って差し支えない気がします。ミディアム・テンポのリメイク・リディムや、ラヴァーズ調のリディムに優しげでクールながらアクの強い唄。どう聴いてもレゲエの世界でしかあり得ないと思われる唄。いや実にレゲエだ。[輸入盤](鎌田和美)

HARD CORE / DADDY FREDDY
[POT MUSIC / POT0031]

ベテランDJ健在。ジャケットの顔を見ると老けた感じはしますが、早口スタイルで鳴らしたスピードとキレは決して衰えていません。王道と言うよりヒネくれた大人のためのダンスホールです。派手さはないものの、雑食好きレゲエ・ファンのツボを突いたリズム・トラックも魅力的。ラストに収録されているジャングル・ミックスは是非ともチャンピオン・ベース・クルーにプレイしてもらいたい曲。[輸入盤](磯野カツオ)

ADDICTED TO MUSIC / TAFFARI
[FLAT FIVE / FLAT 512CD]

ドイツのシリー・ウォークス・ムーヴメントの作品にも参加していたタファリのアルバムです。歌声がとてもスマートで、まろやかな印象を受けます。暖かみのあるリズムにぴったりとハマるシンガーです。知名度は低いかも知れません、しかし、純粋にレゲエ心がストレートに伝わる好盤なんです。今注目のDJ、ジェントルマンも1曲だけですがシビれる喉を披露しています。カツオ、オススメの逸品。[輸入盤](磯野カツオ)

IN DUB / AFRICA UNITE
[ECHO BEACH / EB051]

世界には興味深いアーティストがいるものですね。何とこちらは伊太利のレゲエ・バンドです。あなどれませんよ、初期Aswadを彷彿とさせる演奏力と本格ダブ仕込みですから。Mad Professorのミックスが更に磨きをかけています。そしてライヴ・ヴァージョンが凄いんです。Aswadの「アフリカン・チルドレン」のライヴ・テイクを思い出しました。生音の響きを充分に味わえる作品。この再発はグレイトだ。[輸入盤](磯野カツオ)

FOR THOSE WHO UNDERSTAND / DISCIPLES
[BOOM-SHACKA-LAKA BSL-LP 001]


1995年にザ・ディサイプルズが設立したレーベル、Boom-Shaka-Lakaからリリースされたレーベル第一弾アルバムの復刻盤。12インチや10インチ・シングルのヴァージョンとは別ミックスの音源が楽しめる。当時、彼らはシーンの中核を成し、このアルバムをリリースするやいなや即在庫完売となってしまった幻の絶品ニュー・ルーツ・アルバムである。いま聴いても全く色褪せてない。[輸入盤](長井政一)

DREAD IN DUB / KING TUBBY & SCIENTIST
[SILVER KAMEL / SKLP001]

入手が難しかったダブ名盤LPが500枚限定で復刻。プロデュースはランキン・ドレッド、プレイヤーはA面がレボリューショナリーズで、ミックスがキング・タビー。対するB面はルーツ・ラディクスにサイエンティストという強者同士によるダブ対決。チャンネル・ワンらしいロッカーズ・スタイルのダブに、ラディクスのドラマー、スタイル・スコットによる火の噴くような強烈ワンドロップ・ダブの連続![輸入盤](武田洋)

JAH WARRIOR STYLE / V.A.
[AGE OF VENUS / AOV12]

フランスのレーベル、エイジ・オブ・ヴィーナスからリリースされたジャー・ウォリアー・レーベルのニュー・アルバム。シンガー陣はお馴染のアール16、ピーター・ブロッグス、そしてUKのシンガー、テナ・ステリン等、DJ陣にはランキン・ジョー、ピーター・カルチャーのジャー・ウォリアー・クルーが総出演。もちろんシンガー&DJ陣による作品に加え、ダブワイズ・ミックスも収録している。[輸入盤](長井政一)

ライヴ!!/スピナビル&ザ・ケイブマンズ
[アーロン・フィールド / AFCA-033]

02年の『Humarhythm』以降『サントラ』『Reggae Train』と毎年順調にアルバムをリリースし、今後益々期待が募っていたSpinna B-iII & The Cavemansが4/23のライヴをもって解散が決まってしまった。彼らが徐々に人気が出た理由は曲の良さもあるが、その迫力満点のライヴが魅力的だったから。本作は『Reggae Train』発売時のツアー時の音源から15曲をセレクト。唾と汗が飛び散るのが見えそうな熱い歌と演奏ばかり。(大場俊明)

ウェイヴ&ストップ/レディQ
[エイトゥナンバー / UTCA-7001]

日本のダンスホール界きっての元気印フィメールDJ、レディQのミニ・アルバム。イケイケのパーティ・チューンのタイトル・ソングや「ホイッスル」を始め、生真面目なメッセージ・ソング「サムデイ」、結構お得意のホロリ系の「愛の色〜ナナイロ III」と、ラバダブあがりならではの表現力に長けた歌が楽しめる。オーラスにはKon "MPC" Kenによる現場仕様の「ウェイヴ&ストップ」リミックスも収録。(大場俊明)

マキシマム・バッシュメント/ V.A.
[ビクター / VICP-62962]
UKのレゲエ・プロデューサーであるフレンチーのレーベル“マキシマム・サウンズ”の音源をコンパイルしたシリーズ第3弾! トラックの制作は全てジャマイカで行っているので現地のサウンドと比較しても全く遜色は無く、ここ日本での人気も高い。このアルバムは最新のシングルを中心にノン・ストップ・ミックスしたもので、ダンスホール・シーンの現在を見据えたセンスの良いサウンドが楽しめる。(小池信一)

キング・ジャミー・イン・ルーツ/V.A.
[P-ヴァイン / Auralux / PCD-2569]

キング・ジャミーといえば「Under Mi Sleng Teng」、どうしたって80年代中期からはじまるコンピュータライズドのほうに目が行きがちだが、Auraluxはデジタル革命以前、ジャミーのルーツ期にポイントを絞ってコンパイル。ドープかつソリッドなリディムに、ヒュー・マンデル、ラックスレイ・キャステルらの素晴らしいヴォーカル。この深いミキシングから間を置かず "Sleng Teng" へ飛躍したかと思うとゾクゾクする。(武田洋)

スタジオ・ワン・ディスコ・ミックス/V.A.
[ビート / SOUL JAZZ / BRSJ-103]

スタワン編集盤ならばどれも間違無しの内容で好評の、ソウル・ジャズ編集盤。今回は70年代半ばから後半時期のかなりレアな音源=12インチ・ディスコ・ミックスでリリースされていた曲を中心に集めた物。ロング・ミックスになっている事と、音も凄く良いので、同じ曲でも7インチやLPで聴けるテイクでは気付かない部分に気付かされます。コクソンが、実に洒落たセンスの持ち主であった事が良く分かります。(鎌田和美)

コンクリート・ローズ/アシャンティ
[ユニバーサル/UICD-9012]


1年ぶりの3作目。パッと聴きの印象は割と地味かもしれないが、先行シングル「Turn It Up」はまさにダイナマイト級にカッコいいアップだし、セヴンらによるミッドやスロウ含め、彼女の清涼感溢れる声の魅力を引き出さんとトラックはよく練られている。彼女による成長著しいヴォーカルの華やぎはアルバム全般に溢れジワジワと耳を奪いつつあるわけで、これはやはり主役が立てられた佳作なのではないかと。(石澤伸行)

チャプターIII/アルーア
[ビクター/VICP-62957]

奇跡の3作目。マライアのご加護の下97年にデビューした時に比べれば、ここに立てられたお膳は地味ではあろう。しかしながら、2度ものレーベル閉鎖を乗り越えた彼女たちの歌は、作品を出せることの喜びを反映したかの如く溌剌と響いている。トリッキー・スチュアートらによるプロダクションもまさに渾身というべき充実度で、アップにスロウにと息をつかせない仕上がりだ。聴後の爽やかな感動は保証しよう。(石澤伸行)

イッツ・アバウト・タイム/アリソン・ウィリアムズ
[エイベックス/IOCB-11062]

彼女にとって3枚目となる新作のリリースはなんと13年ぶり。悲しみ・優しさ・熱情・クールネスといった様々な情感が複雑に重なり合う歌世界は、デフ・ジャム時代と同様、実に味わい深いものであり、これこそまさにヴェテランこそが為せるワザだ。数曲で実現したトニー・テリーとのデュエットやシンプリー・レッド「Holding Back The Years」のカヴァ(邦盤にはリミックスも収録)も嬉しいトピックだろう。(石澤伸行)

ザ・クラレンス・グリーンウッド・レコーディングス/シチズン・コープ
[BMG/BVCP-21414]

メンフィス出身NY在住の白人シンガー・ソングライターによる2作目。ジェイムス・ポイザーやミッシェル・エデゲオチェロらが参集して作り上げられたサウンドは、アコースティックな暖かみとエッジィでドライなビート感が混ざり合ったもの。そして、そこに乗る彼のヴォーカルはどこか捨て鉢でお世辞にも洗練されているとは言えないながら、繰り出されるメロディ含め確実にオリジナルな存在感を放っている。(石澤伸行)

アビトウィーン・ザ・シーツ/411
[ソニー/EICP-397]

デビュー・シングル「On My Knees」がUKチャートを賑わせた英国4人娘によるファースト作。カラフルなヴォーカル・ワークで描くメロディックな歌世界はUKソウル的な旨味に溢れる一方、TLCを雛型としたと思しきヴァーサタイルなアプローチも印象的。80'sテイストを爆発させたアップでハジけたかと思えば、少し陰のあるミッドでひた向きに歌ってみせたりと、新人らしからぬ表現の幅に感心しきりだ。(石澤伸行)

エヴァーラスティング・ラヴ/ヴァネッサ・ウィリアムス
[ワーナー/WPCR-12014]

昨年の聖夜を美しく彩ってくれた彼女が、お次はヴァレンタインに照準を合わせ70'sバラードのカヴァ集をリリース。スタイリスティクス「You Are Everything」のようなお約束チューンに始まり、ジョニー・マティス「Show And Tell」やオハイオ・プレイヤーズ「Let's Love」といった渋い選曲に至るまで、いずれ劣らぬ珠玉のスロウ曲をその気高くも優しい歌声で聴く者の心に染み入らせる様にはウットリ。(石澤伸行)

レイ/レイ・チャールズ
[ワーナー/WPCR-12022]

昨年逝ったR&Bレジェンドの人生を描いた映画のサントラ。「Mess Around」「What'd I Say」「Hit The Road Jack」といったジャンプ・ナンバーの活きの良さに心底痺れさせてもらえるだけでなく、「こぼれる涙」や「我が心のジョージア」あたりでは不覚にも喉の奥がキュンと痛くなってきたり…。作品に通底するヴィンテージ感は、今だからこその魅力に満ちている。日本でのライヴ・テイクも複数収録。(石澤伸行)

バッド・ボーイ・R&Bヒッツ/V.A.
[ユニバーサル/UICU-1072]

ストリート・ミュージックにおける最重要レーベルの創設10周年を記念し、そのR&Bサイドの代表曲・印象曲を収めた企画盤。ジョデシィやメアリー・J・ブライジといった初期作からニュー・エディションの最新作に至る全12曲が描くのは、レーベルの総帥P・ディティの存在や意味だ。イケてるトラックを武器とし「売れるなら何でもやる」策士に、一貫した構えや美学みたいなものがあることが再確認出来る。(石澤伸行)

漂流上手/G.リナ
[エンジェルズ・エッグ / DDCA-5019]

G.リナによる2ndアルバムが発表された。前作『サーカスの娘』も各方面で好評を得ていたが、今回もクオリティーを維持。特筆すべきは殆どの楽曲の歌詞が日本語となった点。活動の初期から温めてきた音源ということだが、彼女の作り上げる世界観、ムード、そして伝わってくる熱量は変わることがない。シンガーソングライターとして全ての制作を一人で行うという彼女ならではの本領発揮というところだろう。(高橋晋一郎)

フライ・フロム・ザ・トゥリー/ア・ハンドレッド・バーズ
[ポリスター / ガット / FCCG-3115]

流動的なメンバーも数に入れると総勢30名にも及ぶ、DJ Yoku率いる関西のア・ハンドレッド・バーズ。これ迄フランソワ・ケヴォーキンアンが主宰するウェイヴ・ミュージックからリリースされた3枚の12"でその評価の高さを決定的なものとしていた彼らの待望の1stアルバム。サトシ・トミイエがキーボードで参加したソール・ミュージック「Fade」のカヴァーを始めとして濃くもピースで何とも素晴らしい一枚。(高橋晋一郎)

オリエンタル・クェイント/フリー・テンポ
[フォレストナッツ / POCE-3509]

デ仙台を拠点としてDJやアーティスト活動を行っている半沢武志のプロジェクト、フリーテンポが約1年半ぶりに作品をリリース。これ迄フリーテンポのカラーとされていたジャズやブラジリアン・サウンドの要素は勿論継承しつつもネオアコやニューウェイヴ、更にはAORまで取り込んだカラフルな作品。まるでラー・バンド辺りを彷彿とさせる切なくもアンニュイなニュアンスをバランス良く演出している。(高橋晋一郎)

キツネ X/V.A.
[キツネ / KITSUNE CDA 004]

これ迄に『Kitune Love』『Kitsune Midnight』と2枚のアルバムをリリースしている、レーベルにしてアーティスト集団、キツネによるコンピ盤。全曲未発表という事でコンパイルされた本作はフランスのアパレル・シーンと精通している彼ららしく、エレクトロポップでディスコティークな楽曲がずらり。ポップ・グループでお馴染みのトレヴァー・ジャクソンの別ユニット、ポスト・ノー・ビルズらが参加している。(高橋晋一郎)