2004年の年末イベントは、土日と祝日(注:ジャマイカはクリスマスとボクシング・デーが祝日で、連休となる)が重なる12/24, 25, 26に集中。人気アーティストは連夜2ステージをこなすツワモノも。

 話題の中心はビッグ・イベントでも、お客の入りが良かったのは、キングストン市内で行われたストーン・ラヴのアニバーサリー・ダンスや、ファイアー・リンクスのダンス。入場料が安いのも大きな魅力。

 例年入場料が良心的だった、セント・トーマスのイースト・フェストも今年は2倍近くに跳ね上がった。それでもこのショーは大人気。今年はボボシャンティのナイヤビンギやクミナ、ナイナイなど、セント・トーマスの土着文化も披露し、スティングとは違うヴァイブスを見せた。

 明け方、トリのビーニ・マンのステージに、ラインナップにはなかったシズラが登場し観客が湧く。が、シズラカランジ、去年と同様ステージ上でバッド・ワードを使ってしまい、ポリス・ステーションに連行されてしまった。

 アクシデント・フリーをモットーに、異例の「バティマンねた禁止令」のもと行われたスティングは、会場に例年以上のセキュリティ・チームの数。マッカ・ダイアモンド、DYCR、ブッシュマンと皆、良質ステージを見せる。

 中盤は2004年の新星ラス軍、ジャー・メイソン、チェジディク、パーフェクトにボスコムX、ファントン・モジャ、アイ・ウェインとつづく。

 ラス勢の中で特筆したいのは、タービュランスですね。この人、島内ではあんまりステージに出ないけれど、ほかの新星ラスとも違うポジションにいる。歌えてDJしてパフォーマンスができて、しかもセンスよく、人の良さを感じさせる。イチ押しアーティストです。

 リッチー・スパイスとチャック・フェンダー、フィフス・エレメント最強コンビ。この二人を嫌いな人っていないでしょう。

 われらがクイーン・ジュンコの次はミスター・スティングことニンジャマン。毎年、紅白の小林幸子ばりに衣装も楽しみだ。今年は日本人デザイナー&スタイリストによるオリエンタル風。ベトナムの帽子に白のチャイナドレス、ストレートな黒髪エクステンション。うーん、この人ならでは。肝心のDJは、クラッシュもカスワードもできないと嘆いていたし、スペシャル・ゲストもなかったけれど、リリックの嵐は圧倒もの。

 当初のラインナップにはなかったエレファント・マン、花火と共にクレーンで登場。こちらが見慣れたのか、衣装はジミに感じた。キーバ軍団をバックに、いつもどおり、とにかく楽しめるステージ。バティマンねた禁止令を何気に破ったアーティスト。

 アサシンのあと、アントニーBのステージで事件が起きた。アントニーBが首相PJパターソンやポリスの悪口を言い、主催者側からステージを中断された。怒った観客がまたボトルを投げ、ヴァイブスはかなりダウン。小雨が降りはじめ、帰る客も多かった。良い子ちゃんのショー、にはならなかったね、2004年も。

 ケイプルトンのステージ。雨がやむほどのファイアーマンぶり。旗持ちなどお連れもナシで、パワー全開。

 トリはビーニ・マン。ケイプルトン同様、バティマンねたのフレーズは観客に言わせて思いっきりパフォーマンス。が、また雨が降ってきたこともあり、例年より早い時間に閉め。

 今年の大目玉となるはずだったジャー・キュアは、結局出ず。目玉ナシのスティング2004は、どこか消化不良だった感あり。

 まだまだ続く年末年始のイベント。大晦日のココ・ティー主催のショー「ダンスホールJamJam」は今年も。イースト・フェストのように定着してほしいところ。


Text and Illustration by Reiko NAGASE SMITH
ext and Illustration by Reiko NAGASE SMITH
Ricoのジャマイカ★ArtLifehttp://www.ricoart.com
協力/
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