キャリア10年余りに及ぶ名古屋のレゲエシンガーMachaco。数多くのコンピCDへの参加や7"シングルを経て、遂に初のフル・アルバム『Love So Divine』をリリースする。


 今回アルバムを作ろうと思ったのは?
 「今までにも幾つかそういう話はあったのだけど、タイミングが合わなかったりして。そうこうするうちに、ずっと地元で一緒に活動してきたGuiding Starが3年前にレーベル“Stars' Arena”と“Red Hot”を立ち上げたので、最初からフル・アルバムはここから出したいと思ってました。だから、やっと今!って感じ」

 先ず「Love So Divine」や「Can't Forget You」「Stay with You」等の楽曲の良さに耳を奪われる。60年代のロック・ステディに通じるどこか懐かしいようなメロディ。

 「うーん、小学校の頃、合唱部で唱歌とか良く歌っていたからかも(笑)。それとギターとかピアノをさわってると自然に浮かんでくるのを曲にしてる」

 そして先行シングル・カットされた「Songs Of Freedom」、レーベルメイトB-Ninjahとのコンビネーション「Planet Earth」等のメッセージ色の強い曲。

 「パーティ・チューンとかも好きだけど、世の中のおかしな出来事や、音楽をずっと続けていると大変なことも沢山あるから、そう言う自分にとてのリアリティがリリックになる。"Songs Of Freedom" は、TVのニュースでアメリカの新しい宇宙計画の後にイラクでの悲惨な状況が流れていたのをたまたま見て何か引っかかる所があって」

 アコースティック・ギターとパーカッションのみが伴奏の「Kingston Farewell」は、ジャマイカ慕情を歌った曲だが、実はその時丁度流行ってたエレファントマン「Chiney Thing」へのアンサー的気持ちも少しあるそうだ。
 「つまりそんな日本人女性ばかりじゃないよ、というのが裏テーマな曲です(笑)」

 勿論、数え切れないほどのライヴを経験してきた“現場”出身の彼女らしいダンスホール・チューンも、NGヘッド、ノクターンをフィーチャーした「Ride On (Remix)」やステージでの定番曲「ちょっと生意気」こと「Argument Time Again」他数曲収められている。
 
「私はディージェイ出身だし歌もシング・ジェイもやるから、アルバム1枚を通して色々なカラーの曲がある。ファースト・フル・アルバムということもあってラヴァーズもダンスホールもロック・ステディも私自身がずっと聴いて来た好きなレゲエを色濃く出したかった」


 成る程、長いキャリアに裏打ちされたレゲエ度100%のこのアルバム。レゲエのトラックに載っただけのR&Bや歌謡曲が多い中、ヴォーカル自体にこれだけレゲエを感じさせてくれる日本人女性レゲエ・シンガーはそうそう居ない。Machacoファン、ジャパレゲ・ファンだけでなく、普段ジャマイカ物しか聴かない様なベテラン・レゲエ・ファンにも是非一聴をお奨めしたい。

 最後に「これからは?」と聞くと「ずっとレゲエにこだわって歌って行きたいですね」と嬉しい答えが返って来た。




"Love So Divine"
[MS / VCCM-2005]


"Songs Of Freedom"
[MS / VCCM-1004]